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精霊の守り人 みんなのレビュー

文庫 第34回野間児童文芸新人賞 受賞作品 第23回路傍の石文学賞 受賞作品 第44回産経児童出版文化賞 受賞作品

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みんなのレビュー813件

みんなの評価4.5

評価内訳

784 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

誰かを守って初めてわかる守り人の心

2007/08/26 18:33

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ファンタジー系映画が次々とヒットを飛ばしている今日だが、その殆どが洋画であり実写である。しかし日本の文学は、アニメは、やはり強かった。
深夜アニメで知名度を一気に上げたこの作品『精霊の守り人』、なるほどと納得するほどにアニメは原作のイメージを崩しておらず、原作はやはりヒットさせるだけの素晴らしいファンタジー小説だった。登場人物や世界の構成や、その世界に用意された歴史と神話、そして全体の起承転結がしっかりしている。さらに読者をひきつけるのは、それと同時にあいまいにしてある、というかしっかりしてるけど詳しくは決め付けない余裕を持たせている点にこの世界の魅力がある。ファンタジーにおける余裕、それはすなわち私達に想像力を働かせ、各々の世界を作れといっているに他ならない。それが魔法の国であろうと、パラレルワールドであろうと、夢の世界であろうと未来であろうと、一切がファンタジーというこの世界に内包され優しく支えられるのである。
主人公バルサはかつて生き延びるために死なせてしまった人々の償いに用心棒をする伊達女。三十路を過ぎた恰幅の良い女性・・・というキャラクター設定も微妙な位置で面白い。これを読む子供には「お姉さん~お母さん」の幅を利かせ、同世代にとっては微妙なその年齢におけるもどかしさを感じ、より年上の方々からは魅力ある小娘である。いずれにしてもほっとけない、あるいは憧れ、あるいは共感し見守り見つづけたくなる主人公なのだ。

さて、お話としては・・・お国のため良からぬモノが憑いている第二皇子が父である王により暗殺されんとしている。その用心棒をする羽目になった女バルサは王の追っ手から逃れんと過酷な逃避行を始める。途中、幼馴染のタンダや師のトロガイの助けを借り、皇子に憑いたモノ=精霊の正体を探っていくが、それはどうやらこの国の建国神話に端を発する重大な秘密が絡んでいるようだった。果たして皇子は助かるのか?この国はどうなるのか?

単純に言えばよくありがちな話だ。お家騒動モノの犠牲者たる世間知らずの温室育ちっ子が外の世界に放り出され諸国を回り戻ってきて王位に付く・・・といった類の昔話、すなわち貴種流離譚である。但しこれは貴種である皇子(少年)の成長物語であるに留まらず、むしろ30女であるバルサの「子を持って初めて知る親の心」に言われるような大人の成長である。

バルサは己の血なまぐさい過去と、それに対する償いとを秤にかけて生きてきた。そしてそうしているうちにただ闘いを求める闘鶏のごとくになってしまったと、自らを嘆く。己の不幸を嘆き怒りを育ての親に八つ当たりしてきた姿は、そのまま精霊に衝かれた運命を呪う皇子チャグムの姿を見て初めて自覚する。過去に縛られ続けたバルサ。彼女はこの旅でようやく、過去にとらわれない始めの一歩を踏み出す。

「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ・・・金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したら虚しいだけだ」   「これまでずっと人の命を金に換算して用心棒をやってきちまった。だからいくど命を救っても、ちっともすっきりしなかった」

このコトバに、この物語での成長がすべて集約されているように思う。
自分の過ちや過去への償いに終始して終わってしまう人間がいる。
完全な『公平』などあるわけないのに、それを必定として自らに訴えるものがいる。
人間は何かと比較し、突出した富も貧も許さない狭量の生物だ。そんな悲しいサガを背負いながら生きている・・・悲しいことだけれどまずそれを認めることから始めなくてはいけない。
本書はそういった第一歩を私に思いつかせてくれた、大切な作品である。

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紙の本

緻密に構築された見事な小説世界。

2011/06/09 01:31

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BH惺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 す、スゴイです……小説世界の構築がハンパなくリアリティありすぎでした。読み始めて、あ、なんか今まで読了したファンタジー作品とは違うな! と思ったのも確か。
 古代中国か神話時代の日本を思わせるような舞台設定に、西洋のヒロイックファンタジーを巧くミックスしたような世界観。小道具やアイテムなどがいちいち凝っていて、自分的に何だか良く分からなくなってしまった部分も多々ありましたが、完璧な上橋ワールドに舌を巻きました!

 冒頭から登場する女用心棒のバルサってとってもいいですねー! 腕っ節は強く戦闘能力も高くて、その精神も逞しい。けれど、なんと30歳という設定。作中に中年発言も飛び出したりして。スーパーヒロインではないってトコロがね、なんとも親近感湧いてしまいます。
 その彼女と皇子チャグムとの運命的な邂逅。出逢いのシーンはまるで映像を観ているようでとても印象的!
 もちろんバルサだけではなく、その相棒のタンダや妖しげな呪術師トロガイ、敵方?のチャグム捕獲を目論む狩人たち……等々、登場キャラクターも個性豊かで魅力的。

 ただ、チャグムが何故父帝から追われてしまうのか、その部分がちょっと回りくどい設定だったかなと。前半部分は小説世界・設定の説明が多いような気がして、自分的にちょっと読み進めるのが辛かった。

 ただ、チャグムの体内に宿る精霊の卵が次第に成長してゆく中盤以降はグイグイと惹きつけられて一気読み!
 自分独りでは何もできなかったチャグムがバルサやタンダとの旅の中で精神的にも体力的にもみるみる成長し、いかに自分が無力であったのかを知ってゆく。ラスト近くでバルサに向かって自分の感情を素直に、そして激しくぶつけるシーンなどはとても活きいきとしていて別人のよう。そして漂泊の旅を通して自由を知った彼がラスト、皇太子となって皮肉にも再び籠の鳥のごとく宮廷へと帰ってゆく運命と、バルサたちとの別離がなんとも悲しかった。

 皇国の歴史改竄や父帝による息子の暗殺計画等々、なかなかリアルな宮廷の暗部の設定にも瞠目。そしてなにより素晴らしいなと思ったのが、チャグムの精霊の卵の孵化シーンとクライマックスの戦闘シーン!まるで映像を観ているような幻想的な孵化の描写と、バルサの真骨頂たるアクションシーンがなかなか作者サマ見事だなと。
 しっかりとしたバックボーンを持った小説といった印象。もはや児童文学ではないような。オトナでも充分堪能できるからこそ、数々の賞を受賞し読み継がれているんでしょうね。次巻にも期待してしまいます。上質のファンタジーだと思いました。

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紙の本

精霊の守り人

2024/03/06 16:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Qた - この投稿者のレビュー一覧を見る

ずっと前にドラマで見て、懐かしく読みました。バルサの立居振舞がカッコイイ。チャグムがバルサ達と居て、成長するがいいです。

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紙の本

アニメから。

2022/10/10 18:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ごんざ - この投稿者のレビュー一覧を見る

アニメから入り精霊の守り人の世界にドはまりしました。
アニメとあまり差はなく、楽しく読めました。
チャグムがどうなっていくのか、バルサとタンダの関係の変化などは原作でしか読めないので是非アニメと原作両方で楽しんでほしいです。

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紙の本

アジアっぽい

2017/05/30 09:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:冬みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る

土臭さを感じる、地に足の着いたお話。文章に直接描かれていない細部まで世界観がきっちり作られているのが伝わってきます。読みやすい。

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紙の本

ドラマは視なくていいや

2016/02/16 19:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:絶滅危惧種 - この投稿者のレビュー一覧を見る

槍使いのバルサ。
今風にいうとかなり胆の据わったオバサン…。にしては筋肉質で、語気が粗く、竹をばっさり割ったような人柄。タンダやトロガイさんとのやり取りを読んでいると意外に武人らしくないオバサンの表情を見せてくれるのがやっぱりオバサン。
悪いと思いなおして読んでいくんだけど、チャグム君のことを気にかけているところがまたオバサン。
ぃゃ、意外とオバサンという生き物はきっとみんなこうなのかもしれない。だとするなら、オバサンていい人たちなんだな。
大阪行って飴ちゃんもらったら、ちゃんとお礼を言おう。
さて、用心棒という仕事は現在では、馴染みが薄くなって久しい。映画やテレビドラマで描かれている用心棒の多くは、店だったり、家だったり、サイドに付く者として描かれているし、事件が起きるのも動かないところで起きる。そういう動かないものを据えて、周りを描いた方が、話は書きやすかったのだろう。画は撮り易かったのだろう。
この書は違う。依頼をする二ノ妃様は、一度姿を現したきりもう、出てこない。サイドが決まったわけだし、宮から動けないのだから書く必要もない。ところが、守ってもらう側のチャグム君は今にも消え入りそうなくらい、何をするのも危なっかしい。夢に乗っ取られて時々勝手に動き出す。多少、教養のある12・3歳の(下界を知らないという意味で)赤ん坊がいきなり街に飛び出すなどなど。
そういう細かい気苦労を考えるとオバサンになってしまうのかもしれない…。
さて、気になる部分としては、ある時、自分ではどうすることもできない物事に怒りを顕わにしたチャグム君が言い放つ『くそったれっ!』という言葉だ。そのような言葉、宮で使っているのだろうか?だとすると、かなり身分の低い衛士がおそばにお仕えしているのだろうか?もちろん巷の流行言葉を宮の中で真似るということもあるだろうが、おならやしゃもじ、ゆもじの例を挙げればわかるように、大概は宮から下々に言葉が流れるものだ。
そういったことから、僕の中では、ただ、ただ無言で八つ当たりをするか、『エイッ!エイッ!』と言葉にできない怒りをぶつけた方が何となく伝わる気がするのだけれど。
さて、何処からエントリーするか、人それぞれなので、言及したくありませんが、人生の大半を槍に費やしたオバサンの身体、表情、眼、言葉が某さんにできるとは思えない。やはりドラマは視ないでおこう。

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紙の本

姪にプレゼントしよう

2015/04/16 20:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る

私は本屋に行くと時々絵本を立ち読みするのですが、

面白そうなのがあるとたまに買って読み、

読み終わるとそれを姪にプレゼントと言って押し付けるのです(笑)

この4月には6年生になる姪にもう絵本は失礼かなとも思い、

本との素敵な出会いを経験して欲しいという私の勝手な気持ちから

何かないかなといつも本を探しています。

この本は作者が他の作品ですが今年の「本屋大賞」に選ばれたのを

機会にどんな話を書いているのか気になって本屋に行って出会いました。

作者が文化人類学者でもあり、児童文学作家であることに興味をもって

文化人類学者が書く学術書にも私の読書体験では面白い本が多いので

まずは1冊と選んだものです。

解説を読むとこの新潮文庫判は大人にも読んでもらいたいと

挿絵を省き漢字を増やして編集しなおされたものだそうですが、

面白かったので、懲りもせずに姪にプレゼントすることにします(笑)

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2007/03/30 23:55

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2007/04/09 00:44

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2007/04/10 13:00

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2007/04/12 08:59

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2007/04/24 10:00

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2007/04/26 13:10

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