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紙の本
考えさせられることが多く、どこから語るべきか逡巡してしまうが、大切な1冊とは言える
2007/09/09 00:14
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
患者中心の医療と言われて久しいけれども、それを志せば志すほどかえってトラブルが噴出しているように思えてならない。多くの医師は決して私利私欲に走って医療に携わっているわけではないと思うし、昔ほどパターナリズムに凝り固まっているわけではないと思うのだが、それでも1人1人の患者により良い医療を行おうとすればするほど、何かギクシャクとしたものがあるように思える。
それは一体何故なのか?という疑問に少し答えてくれているように思えるのがこの本だ。タイトルが親父ギャグしているけれど、中身は決してふざけていない。何とか多くの医療関係者にこの問題を考えてもらおう、考えてもらうきっかけにして欲しいという気持ちが表れている、と考えるのは深読みのしすぎだろうか。
前半3章は総論とでも呼べる内容となっている。医師の考え方、医療関係者が目指しているもの、そして医学的根拠を医師がどう考え取り扱っているのかなどが書かれている。
後半3章は各論と言うか実践編とでも呼べる内容であり、医療実践で嵌り込みやすい考え方、患者との関係、そしてそれらを踏まえた上での医師のあり方が考えられている。
7人の執筆者それぞれに語り口が違うのでややまとまりに欠けるきらいもあるが、どこを読んでも常に医療の場で何となく考えられていることを言語化しようとしているのがわかるし、いちいち頷いてしまうところも多い。決して答がきちんと出ているわけではないけれども、ここで考えられていることを現場に戻ってさらに考え続けることこそ大切ではないかと思ってしまう。
そして、この本の最後のあたりに次のように述べられている。
「医師が常にもつべきは、自身の世界に対する謙虚さである」
この言葉がこの本の内容を語りつくしているわけではないが、重い言葉として受け止める必要がある。EBMも医師が自らの行う医療に対して謙虚であれと自戒を促すための道具だったのではないか。それが逆に大義名分にされてしまったところに、最近の医療の不幸の一端があるようにも思う。
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