紙の本
下げた今こそ奇跡的チャンス
2008/11/02 02:15
9人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
株はギャンブルと一緒だという意見がある。しかし決定的に違う。ひとことでいえば、株は失敗しても持ってればいい。他方花札は負けたらとりあえず終わりだし、馬券もその馬券を持っていてもただの紙くずである。つまり両者を決定的に分けるのは、長期的勝負ができるという点である。もっといえば、その視点こそが銘柄選びそのものといえ、明日潰れるようなジャスダックのやくざ企業への投資はほとんどギャンブルという方が正確だ。しかし、例えば上昇が確実で潰れる心配もないトヨタの株(いまはさておき)では全然違う。
つまり株では銘柄選びが重要である。しかしもっと重要なのが経済動向であろう。たとえば、買収のニュースがあった。これはもちろんポジティブニュースだ。本書では、そうした経済のニュースの読み方を詳しく解説する。どういうニュースが株にとってどう作用するのか。分かっているようで分かっていないものである。その意味で、本書は中級者にもお勧めできる。
内容的にはM&Aの話がほとんどだ。これが書かれたのが買収合戦のニュース花盛りの時だったからであろう。ホワイトナイトやポイズンピル、新株予約権の行使法、黄金株・・。会社法では様々な防衛策が可能である。そうした用語の意味を本当に優しく解説してある。これを読めばまず理解できないことはないだろう。
株ブームだった発売当時は本書も人気が期待できた。今となっては本書を手に取りじっくり株をするなんて人はいないかもしれない。しかしそうではない。株というのは、落ちたとき「だけ」しかチャンスはない。そして、下がった株は「必ず」上がる。東証が開設して以来、下がって終わったことはない。世界の株価もそうだ。
金というのはいまも世界にありあまっている。とくに先進国には貿易で貯めこんだ金がたまっている。それをどこかに保存しておかなければならない。銀行に預けたって、その銀行がどこかで運用する。金というのはそもそも持っているだけで民法上年率5%の利息がもらえる。日本民法は5%である。これをみても、日本の政策金利がいかに異常な低さか分かろうというものだ。要するに、金というのはどこかに流動させたくなるように設計されている。ではどこにいくか。そんな巨額を動かせるのは株式市場しかない。
ことに日本株は今こそ絶好の買い場である。再び6000円台をつけることはないだろう。あっても、必ず反発する。6000円台でコマツなどの株を買った者は、たった1週間で大金持ちになれたのである。日本株はこれまで15000円前後で、そう簡単に上がる相場ではなかった。しかし今は違う。純資産倍率が全体で1を切るという、奇跡的チャンスである。下がった株は必ず上がる。だとすればどう考えても今は買いだ。下がったら損切りすればいい。で、また買えばいい。
経済ニュースでいえば、三洋が遂に松下に買収される。いよいよ宿願だった電機業界の再編が始まったとみていいのだろうか。電機10社を5社ずつ持株会社のもとに一度2社に統合する。しかる後、分割し合理化するという電機再編の最良シナリオに動き出したと期待したい。もしそうなれば、売上ではGEすら遥か後塵に追いやるビッグカンパニーの誕生だ。おまけに事業の重複も少なくなれば利益率は上昇する。
経済ニュース的に中長期的に分析すれば、下げのいまは買い。これしかない。おちたときに買わない人って、いったいいつ買うつもりだろうかと実に疑問である。円が上昇していることからして、日本は圧倒的優位なポジションにいるということを市場参加者が認めたとき、ダウを尻目に東証がウナギ登り・・そんなシナリオも十分あり得るだろう。
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TOBや三角合併といった少しわかったようでわからない用語の解説と株価との連動について書かれている。わかりやすい。投資銀行業務はこれから必要なんだな。
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日経新聞を読んでいて分からない用語がたくさん出てきました。特に最近は横文字が多いので、事前に勉強しないと読めません。
そんな時に、細野さんの本はお勧めです。
LBOとか、最近の経済用語をいっきに勉強できます。是非。
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この本で取り上げたれていた「敵対的買収」とか「MBO」といったテーマは、僕が社会人になってから最も勉強した分野で、細野氏の「世界一わかりやすいシリーズ」で書かれているレベルで知らないことなどないと思っていたが、意外に勉強になった。最終章の「アメリカのニュースと日本の株価の関係について」はもともと知らないことだったが。
もし、TOBやMBOと株価の関係がイマイチよくわからないけど株をやっています、といったサラリーマンは是非読んでおくべきだと思う。細野氏の本は何冊も読んでいるが、本当に分かりやすいので、経済関係の本でも安心して買える。
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買収時代のニュースを読み解く為の、「自社株買い」「TOB」「LBO」「MBO」など、とてもわかりやすく書いてあります。
これからのニュースがこれでより一層わかりやすくなりました。
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自分で今経済に起こっていることを考えてみようと思うきっかけになった本。
経済って漠然として難しいけど、基礎から考えていくと少しずつだけど見えてくるものがある。
株とかとっつきにくいなって人にはおすすめです!!
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■自社株買い
・仕組み
1.自社株を買う
A.株式市場で一般投資家から
株主への利益還元→株価UP
B.他の会社などから
株価影響なし
2.金庫株(会社保有の自社株)を使う
A.自社株消却 1株あたりの価値UP→配当増→株価UP
B.M&A(合併・買収)や提携に使う(株式交換)
→攻めの経営と評価→株価UP
・増加の背景 買収されにくくするため
・自社株買いのニュース多→株価上昇が期待
■TOB(Take Over Bid) 株式の公開買付
具体的な価格を提示→不特定多数の株主から株を買取
・特定株
大株主トップ10の保有比率(自社・役員も含む)
数値大→敵対的買収の成功確立低くなる
・敵対的TOB
どのくらいの株が売りに出されるか=成否に影響
→四季報で特定株をチェック
・日本=友好的TOBが圧倒的に多い
→今後の関係を考え市場価格より安価で応じることも
・TOB=事前に買付価格を決めて行う
メリット 必要なお金をあらかじめ計算できる
デメリット 他の会社との戦いになる可能性も
・目的の株数が集まらない→TOB中止
→「TOB買付価格」より安く買っても儲けられるとは限らない
・ホワイトナイト
敵対的TOBを仕掛けた買収者に対抗して
友好的TOBを行う会社
・敵対的TOB 成功可能性低→儲けられるとは限らない
友好的TOB 成功可能性高→儲けられる可能性高い
・LBO(レバレッジド・バイアウト)
自己資金少ない小さな会社が
(買収対象会社の資産などを担保として)
借り入れた資金で大きな会社を買収すること
・M&A→多額のお金と専門的なアドバイスが必要
→金融機関「大きな仕事ができるチャンス」
→M&Aが進みやすくなってきている
・MBO(マネジメント・バイアウト)
経営陣がTOBによって大量に自社株買い
→自社を上場廃止に=究極の買収防衛策
・上場廃止(東証)
特定株90%超→即刻
75%超→1年の猶予期間後も変化ない場合
・上場のメリット
資金調達がしやすくなる→そのお金で多くの仕事ができる
会社の社会的信用力がアップ→仕事やりやすい/人材集めやすい
・上場廃止=多数の投資家との緊張関係がなくなる
メリット 長期的な視点で会社の経営を改革できる
デメリット 経営者が暴走して会社が衰退するリスク
・M&Aが進む背景
A.少子高齢化・人口減少→国内での売り上げの伸びに限界
→業界再編=業界全体での効率的な経営が必要に
B.世界中で原材料費の高騰→コストカットが命題に
→M&Aによるスケールメリットを模索
・三角合併 07年5月に解禁
海外の会社Aの「日本にある子会社」が
「親会社Aの自社株」を使って日本の会社を買収すること
・株式の持ち合い→安定株主の割合増→買収されにくくする
・失業率の水準と株価の関係
基本 失業率DOWN
→景気UP
→株価UP
ただ、失業率過度のDOWN
→人手不足
→賃金UP
→物価UP
→中央銀行が(インフレ防止の為)金利UP
→会社の経営難
→株価DOWN
・日本とアメリカの株価の連動性
アメリカの株価DOWN→日本の株価DOWN
・アメリカ=日本の輸出企業にとって最大のお得意様
・日本の株式市場→海外の株価に敏感な外国人投資家の割合大
・金利と株価の関係
短期的 金利UP→経営にマイナス →株価DOWN
長期的 金利UP→好景気で売上UP→株価UP
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昔出ていた「細野真宏のわかりやすい株の本」を読んで株の構造を学びました。
ソレの進化版
やっぱりわかりやすい事例はそうそう起きるのもではないので、前作を読んでいたら内容は結構かぶります
このC.C.さくらに出てそうなキャラクターが気に入って読んだ
相変わらず名前を間違える。
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TOBだの三角合併だの最近巷を騒がせている
経済用語(株用語)がよくわかりました。
これで世間のニュースにちっとはついていけるかな。
さすが細野真宏さんです。
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TBOとM&AとMBOとホワイトナイトで、
ライブドアとフジテレビのお話。
ほんと、わかりやすい。
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細野さんの本は本当にわかりやすい、自社株買い,M&A,TOB,LBO,MBO,特定株、三角合併。
色々理解しなければならない事が沢山あるなと感じた。
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細野真宏さんの株に関する本。この本で三冊目を読んだことになる。
前二作よりは少し難しめになっていたが、それでも丁寧なつくりは変わりなく、最後まで読み進めることができた。
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このサイトにて何度か紹介してきた細野 真宏さんの「世界一わかりやすいシリーズ」
今回は、『ニュースでわかる 世界一わかりやすい 株の本』
世界一わかりやすいというタイトルだが、実際のニュースに応用できるようにと、過去に実際にあった出来事や、新聞の記事を抜粋して例題にしている。
今回、掲載されている会社は、フジテレビ、ニッポン放送、村上ファンド、ドン・キホーテ、すかいらーく、ライブドアなど。
内容は、「自社株買い」「M&A」「株式交換」「TOB(株式の公開買い付け)」「ホワイトナイト」「LBO」「MBO」「三角合併」など。
文章は、太文字や赤い文字、カッコ、下線や手書きの吹き出しなどを多用し、
横書きで本人が書いたイラストなどが織り交ぜてあり、読みやすかった。
難しい漢字には読み仮名をふってあり、所々に「Point」というまとめがされている。
株式投資の入門書としては、これはオススメです。
専門用語ってどうしても難しく感じますが、この本は噛み砕いて優しく解説が書かれています。
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ニュースでわかる世界一わかりやすい株の本 単行本 – 2007/3/29
株取引などの理解が深まる
2010年10月12日記述
細野真宏氏による株についての解説本第3段。
株についての前作2冊とは違い、株投資というよりは株関連に関しての解説に重点が置かれている印象。
M&Aが進む理由。
TOBの種類。
村上ファンド。
インサイダー取引についてや三角合併解禁についてなど
新聞やニュースなどでは解説しきれていない根本的な所から完全に理解できるように解説されています。
本書を繰り返し読むことで経済ニュースの理解がさらに深まること違いありません。