紙の本
鯨をめぐる海洋冒険SF
2008/12/25 00:45
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
水圧と酸素の関係で、人間はこの地球上でも海の中のことは、(特に深海)
殆ど判っていないといっても過言ではありません。
ある意味、人智の及ばない海こそSFの舞台にうってつけかもしれません。
で、本書ですが、巨大な鯨、ダイマッコウをめぐる海洋冒険SFです。
米国海軍の攻撃型潜水艦が謎の巨大海洋生物に"音"
(この時点では、どんな攻撃かわからない)
で攻撃されるところから始まり、又日本では、巨大な鯨の骨が盗難されたりします。
その後、アメリカの企業の調査団、米国海軍、日本の調査チーム、イスラム系のテロリストまで絡み、何十メートルもある巨大な鯨、ダイマッコウとの壮絶な戦いとなっていきます。
前作の「ハイドゥナン」は、面白くしようとした反面ちょっと何でも取り込みすぎて、
その中に擬似科学みたいなものもあったので、
ちょっとハードSFのファンは後半ひいちゃった感もあったのですが、
今回は、あんまり突拍子もない設定はなく、設定としては、地に足がついている感じで
かなりリアルです。
話のキーとなるダイマッコウも、音による攻撃、
骨の中に空気を取り組み鳥類が持っているといわれる気嚢というシステムなど大変よく考えられています。
冒頭にメルヴィルの白鯨から引用がなされているのですが、最終的には、白鯨のような
海洋調査施設とダイマッコウ、潜水艦とダイマッコウ、壮絶な戦いへと発展していきます。
特に復讐に燃える潜水艦艦長は、壮絶です。
エンタメとしては、それこそ、一級の作品です。
ただ、やっぱりちょっと、人物への書き込みが少ないかなぁ、、と。
主人公の(恐らく)アル中で破天荒な鯨類学者も面白かったのですが、
もうちょっと人間を描き分け描き込んで欲しかったです。
巻末に本書の鯨類学者のネタ元となった鯨類学者の方と著者藤崎慎吾との対談も掲載されており
こちらも、かなり面白いです。
本書がそれほど、無理スジな設定でないことがよくわかります。
エンタメとしては、一級の作品です。
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この本は、なんとなく本屋で立ち読みして、
面白かったので購入して、イッキ読みでした。
まるで、ハリウッド映画のようなスゲェ展開!
映画化して欲しいと思う。
未知の深海には人類が未だ知らない巨大なクジラがいて、
そのクジラがアメリカの原子力潜水艦に脅威を与えるほどの・・・・。
っってこれ以上はネタバレなので書かないけども、
とにかくスケール大きなストーリー展開と、
日本人鯨類学者や、米軍の原潜艦長などの
魅力的な登場人物のおかげでちょっと興奮して読んだ。
あと、深海探査潜水艦のディティールやクジラの生態など、
ディテールもかなり細かく書かれていてすごくリアル!
ハリウッドあたりで映画化したらいいのになぁ。。
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マリアナ海溝で米海軍の原潜が襲わレル。
原潜に外傷はマッタクなく乗組員の半数が死亡。その頃異端の鯨研究者須藤は「しんかい6500」で鳴島海山海底に沈む鯨の骨を採取。骨からその鯨は生物学上類をみない全長40m以上だと推察される。
原潜を襲った正体は!?地球上最大の海洋生物とは!?
メチャメチャ面白かったデス。
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>ぅわー…読み応えありすぎ。
江ノ島水族館の深海コーナーの記憶がとても参考に。
ぃぃねぇ〜深海もぐりてーwww
須藤さんキャラ結構好きなんだよねー
「鯨と海の科学館」
http://www.town.yamada.iwate.jp/kujirakan/
行ってみたいwww
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久々に面白いSF?を読ませてもらいました。
日本人の面白い小説がないと悲しんでいました。
少し進行が甘い感じがしますが、細かな設定やストーリーにわくわくさせられました。
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久しぶりにSOWを感じるSFでした。もう少しハードなのかな?と思ってたんですが、ライトでミステリ的な要素もあって楽しめました。これは映像化して欲しい作品ですが、難しいかな?
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著者の藤崎慎吾さんどこかで見たことあるな〜と思ったら「日本列島は沈没するか?」で松浦 晋也さんと西村 一 さんとで共著していたのですね。
@2007年10月
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つい一気読みしてしまった。映像化したらかなり面白いでしょうね。
深海でみつかった新種の鯨。彼らはほ乳類でありながら、水中でのみの活動が可能…。本当にあっても、きっとおかしくない。
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深海に潜む、謎の物体
米潜水艦を襲う謎の船員の死
深海で一体何が起こっているのか?
人類にとって、未知の領域である深海で展開していく「謎の生物」を追いかける生物学者の物語
日常では感じられない、閉塞感や深海の未知の領域に挑戦した作品
私は、クジラに興味があり手に取ってみたのだが、深海サスペンスといった感じで、娯楽作品に仕上がっている。
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久しぶりに面白い海洋冒険SF小説を読みました。海中を舞台にした軍事小説や映画はあまたありますが、自然との闘いは意外に少ないように思います。イメージは映画で言うなら「アビス」「ジュラシックパーク」それに「ゴジラ」でしょうか。「海底軍艦」や「ドゴラ」も近いかもしれません。小説なら「白鯨」はもちろんのこと「カッスラーのダークピットシリーズ」や「日本沈没」も彷彿とさせます。アニメなら「機動警察パトレイバーの初期OVA 4億5千万年の罠」でしょうか。映画や小説よりこのアニメにいちばん近いかもしれません。スクーバダイビングをされる方ならお分かりと思いますが、海中はそこで生きるだけでも大きな闘いを強いられる場所です。その上更に敵が襲ってくるなんて…。読んでいて息苦しくなりました。あ!テーマに触れてないや。ザックリ言うと自然破壊に対する海洋生物のしっぺ返しのお話し。ありがちだな〜。しかしその武器と云うのが…。陸に上がってまで襲ってこないゴジラの話です。だからクジラなんだってば。
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読書完了日2008年08月18日。長いですー、目がチカチカしますー。でも面白かったですよ。未知の生物の探求というのはロマンのにおいがプンプンします。その上この話は、悪事のにおいもぷんぷんします。
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深海で見つかった新種のクジラ、ダイマッコウとの話。割と悲惨なとこあり。
二段組みって疲れなくていいよね。
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発端は太平洋マリアナ海域での米攻撃型原潜の謎の事故。同じ頃、日本の鯨研究家はマリアナ海溝水深4000メートル付近で「新種」と思われる巨大な生物の骨を発見していた。米海軍と鯨学者はそれぞれに海底鉱山開発会社・米の製薬会社の協力をとりつけて探索を始める。背後に別の組織・別の意図が見え隠れしつつ、緊張感は高まり…えらいページ数を割いて鯨の行動・登場する人物達の行動に対して巧みに根拠を与えていたのにオーラスであれはないでしょう。★4つ半はあげたいんだけれど、あのラストのご都合主義で半分減点
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2012.6.10 推薦者:みるく(http://ayatsumugi.blog52.fc2.com/blog-entry-140.html)
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マッコウクジラのさらに長時間潜ることができ、しかも低周波の衝撃波がだせるという、そんな未知の生命がいてもたしかに、深海なら不思議でないかも!っというくらいに思って、読むと面白い。
潜水艦のAIにイルカの脳をつかったりというところはSF感タップリ。 巨大な鯨体をマルチビーム音響機器で輪切りにして内容を掴むなとこは気にいった!
現実、ノイズや分解能敵にかなり難しそうだけどw
海好きなら、おもろい一冊かと!
この、著者は深海6500にも乗ったことあるそうな。