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中日翻訳(あるいは日中翻訳)に当たって、精神論でも語彙論でもなく、文構造とその発想の違いから必要になるテクニックがまとめられています。『新編東方中国語講座 翻訳編』を武吉先生が共著でお出しになって以降、こうした技術面のテクニックを紹介して下さる本はありませんでした。最初に掲示されている「中文日訳 悪いクセ4点」は肝に銘じたいと思います。
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勉強になる本。やはり聞き取れる、話せるというのと翻訳ができるというのは違う。翻訳ができるというのはスペシャリストの仕事。齧っただけの生半可な語学力だけでは翻訳は出来ない。
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面白い本です。「こってり中華料理をサラサラの茶漬け」にするとか、わかりやすい例えもあるし、法律の条文などから構造を把握する練習があったりとか、ほんとうにためになる本です。
(引用 一六頁より)
中文日訳 悪いクセ4点
・原文にある単語をすべて訳すこと
・原文の品詞を訳文でも同じ品詞で使うこと
・原文の語順にしばられること
・原文の漢字に引きずられること
これは全部、自分も翻訳をつくってみて感じたことです。
中国古典の訳にも言えることが多いです。
ただ、ぼくは訓読調がすべて悪いとは思わない。漢字の日本語への浸透度は文字ごとに異なると思うので、訓読風のほうが簡潔に伝わって、味が伝わるところもあると思います。厳復のいう翻訳の三難、「信、達、雅」(正確さ、なめらかさ、美しさ)のうち、とくに「雅」の部分に訓読風の翻訳が活躍するところもありうると思う。
翻訳の基本テクニック、①加訳 ②減訳 ③反訳(肯定を否定にかえる) ④変訳 ⑤倒訳 ⑥分訳 ⑦合訳などの例もためになる。