紙の本
夜、散歩できなくなります
2007/06/15 15:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
妻を亡くし、3歳の娘・千秋が残された作家の横田卓郎。
千秋は4歳になる頃から
普通の人が見えないものが見えるようになり
その不気味なものをお絵かきするようになる。
というお決まりのホラーの出だしだが
小さなエピソードの重なりが
千秋が見えるものなのか、とりついているものなのか、
なにを意味しているのかを二転三転させる。
しかも、なんだかわからないものが明らかになる怖さを伴う。
壊れていく担当編集者や幼稚園の担任、
卓郎の後妻や親戚たちのエピソードも
オリジナリティがあり、読ませる。
周りを巻き込んでいく千秋の不思議な力の描き方はうまい。
巧みなストーリーティリングで、
貧弱な描写力や書き手の勝手な視点の移動、
後半、怪談の核が明らかになっていく過程の雑さをカバー。
補って余りあると言っていい。
怪談とは「語りのうまさ」が必要だと認識させられた。
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千秋の狂っていく様が、なんとも言えない。「リング」的な展開で途中からがっくり。けど、紙芝居というアイデアが昭和っぽくもあり逆に新しく思った。また摩耶美のキャラクター設定を読むに、作者はかなりのオカルトマニアとみた。
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イラストレーターの妻を亡くして娘と2人で生活するホラー小説家卓郎。不気味な「青い顔の女」を描き始める娘。
前半はマァマァ。後半はイマイチ。ホラー小説って訳の分からない恐怖現象が起こり始める時が一番面白い気がする。原因解明が始まると無理矢理感が目立つ。鈴木成一氏の装丁に魅かれて購入したものの、あんま怖くなかったナ。
卓郎はイイ奴っぽい。
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第1回『幽』怪談文学賞 長編部門大賞受賞作。
作家の横田卓郎は妻の三沙子を亡くし、娘の千秋と二人で暮らしていた。
ある日を
きっかけに、千秋は「青い顔の女」ばかりを描くようになった。千秋はその
絵の中の顔を「ママ」と呼び、その絵を描くことに異常に執着する。そして
もう一つ執着すること。それは、夜の散歩だった。
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おおまかなあら筋が見えてきたと思ったら、また、ひと展開ありで、途中で、飽きさせることなく、ずっと、ゾクゾクしながら、読むことができた。怖いはずなのに、いくつかの場面で、噴出してしまうこともあり、楽しみも、恐怖も交えて、楽しめるのである。
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第1回「幽」怪談文学賞の大賞を取った作品。
表紙だけを見るとかわいい字体からまさかそんな内容とは思いもしませんよね。
奥さんが死んでしまって幼稚園に通う子供と2人で暮らすある男性の話。
この子供が不気味な絵を書き出し、この親子に関わる人たちが死んでいったりして、もしかしてこれって死んだ奥さんの霊の仕業?!と思わされるのですが、新たな登場人物が出てきて・・・。
「ほ〜これが大賞?!」ってちょっと思ったりもしたけど、まぁ単なるホラーではないかな。
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一日で読みきってしまった。読み終わったのにその後も気になる!そんな展開。
個人的に終盤がしぼみ気味な気もしましたが、久しぶりに日本的なホラーが味わえた気がします。
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>…グッときちゃいました。。。ぅぅ…;
”青い顔の女の人”のイメージが頭から離れてくれません…でも想像してるのが「はらきよ(漫画)」のイメージに無理やり固定したので恐怖心がまぁまぁ抑えられました。以前見たようつべの恐怖の顔にイメージ固定されちゃってたら、泣き叫ぶかも。
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どうなっちゃうのっこれ?!とぐいぐい引き込まれる感じ。でもあの終わり方は・・・?細部に描かれるオカルト知識は興味深いものがあったな。魔耶美の存在が強烈でした。
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あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
という、某ホラー映画の擬音を思い浮べながら読了。
観せるホラーです。
映像化するとたぶんもっと怖い。
特に前半。今晩の夢にあの青い顔が出てきそうで。
ただ後半が…
ホラーでラスボスを描くのはよろしくない。
匂わせるくらいにしておけば良かったのに。
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暗いものがずっしりと覆い被さってくるような、得体の知れないものがじわじわと迫って来るような、そんな不安感を煽る作品でした。千秋と「青い顔の女」が怖過ぎる…。でも続きが気になって、どんどんと読み進められました。文章も読みやすく、私の好みでした。
ただ、最後は急ぎ過ぎたかな…という感じはします。バランスが悪いとまではいかないけれど、ちょっと気になりました。あと、美樹が見せられた紙芝居の内容が気になる!後味もちょっぴり悪いです。
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結局全て、主人公の卓郎の人を魅きつける力(?)が原因で起こってしまったことって感じがするなあ。
で、卓郎が「そんなことはない」「現実にあるはずはない」「なにもおかしいことはない」と無理矢理思い込み、何もしないことで、たくさんの人が巻き込まれて死んだりおかしくなったり。
それに、卓郎が再婚を決意する理由が、なんだが自分勝手。佐久間に対しての娘の態度が異常なことに気付いているのに、新しい母親ができれば落ち着くだなんて、どうしてそうなるのか。結局は、家事や娘の世話から自分が解放されたいだけだったような気がしてしまうんですよね。そして、佐久間が好きだという自分の気持ちも抑えられないでプロポーズしてしまう。
娘が普通の状態ではないのに。うーん……
幼稚園の担任の先生の件にしたって、「娘さんはアスペルガー症候群です」と言われたことに腹を立てて見殺しにしたような印象が。で、結局、担任が死んだことで事がうやむやとなり、娘を幼稚園に通わせ続けるところとか、そういう卓郎の自分勝手さがいちいち鼻につくようなお話でした(^_^;)
こういう読者をいらだたせるというのも、魅力の一つなんだろうと思う。実際私は、その苛立ちのせいで、物語がどう決着付くのか知りたくて読んでしまいました。無駄な描写のない気取らないあっさりとした文章のせいもあると思いますが。
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ほらほらホラー。
こわぃ。。。
苦手分野ですが、よりによって!!! っていう怖さ。
夜の河原にはいけません。
でも一番怖いのは人間なのかもね、とどのつまり。
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ホラー小説です。
苦手な方はご注意を!
ジャパニーズ・ホラー。
日本の「怖い話」って、どうしてこうも湿気がたっぷりで、じとじとしてて・・・。
文字だけで想像させるから、さらに怖い!
正直最後、途中から斜め読みでした(だって怖いんだもん・泣)
夜は読まない方がいいです・・・。
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ホラー、というよりやはり怪談、という雰囲気が相応しいでしょうか。実話恐怖とか苦手な人は要注意。かなり怖いです。
正直派手ではなく、地味な印象。だけどパワフルさもある。じわじわじわじわ、と忍び寄る怖さがメインなのだけれど、いきなりどっきりさせられる部分もある。生理的な恐怖や不快感、ってのも相当あるぞ。
タイトルに惹きつけられました。字面どおり、この言葉自体は非常に無邪気なのだけれど。読んでいるとどんどんどんどん怖くなってきます……。