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2007/5/19ジュンク堂住吉シーア店にて購入。7/4読み始める。7/8淡路島のホテルにて読了。久しぶりにわくわくするサイエンス本。科学者、研究・技術者を目指す高校生、大学低学年生に是非読んでもらいたい一冊。
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7章まで読んで、なんだこのつまんない本はと思っていたら・・・!8章からはかなり面白い。分子生物学をかじったことがある人は8章からでいいんじゃなかろうか。
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生命とは、実は流れゆく分子の淀みにすぎない!?——「生命とは何か」という生命科学最大の問いに、いま分子生物学はどう答えるのか。歴史の闇に沈んだ天才科学者たちの思考を紹介しながら、現在形の生命観を探る。ページをめくる手がとまらない極上の科学ミステリー。読後、目に映る景色がガラリと変わる!
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生命を化学反応の集積と捕らえる生命観は、どうかすると生物を機械的に解析するものかのように誤解されるが、筆者の研究家としての経歴と、分子生物学史上のあまり知られていない学者と業績(縁の下の力持ちをunsung singerと言うのを知る)と科学的解説とをないまぜた独創的な語り口で説かれる、生命を時間の中の一回性のものとして絶えず編みなおされるものとして捕らえる動的平衡論は逆に生命と世界と物質との関わりの不思議さと美しさを感じさせる。
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生命とは「動的平衡」の流れであり、 それを保っていられるのは、 生物を構成する物質に「相補性」が 備わっているからである。
エントロピー増大に反するとても納得のいく、生物が存在することの答えに感じた。
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書くのに、とても難しい構成の本である。しかし、読みやすい。この著者、なかなかあなどれない。自分の学者生活のこれまでを語りつつ、生命とは何かの定義をしていく。これはなかなかできないことなのだ。普通は自分の研究範囲の話に収斂し、蛸壺の中の深淵について語って終わってしまう。ところが、蛸壺の中を語りつつ、一気に生命の定義に戻る。研究という蛸壺の中と地球を俯瞰したような生命の本質についての考察。ふたつの位置から生命を語るのがこの本の力だ。
正直に言えば、もちろん論旨に飛躍はある。しかしその飛躍は読んでいて心地いい。ああ、そうか、そうなんだ、と思わせる。著者はほんの一例について細かい研究成果を紹介し、そこから一気に生命の本質までドライブする。それがこの本の中で随所に起き、改めて著者の研究の意味を感じ、更には生命という一度限りの装置について感動してしまう。
よく書けていると思う。それにしてもシュレディンガーの登場には驚いた。かつて科学は細分化されていなかったんだなぁ、と改めて思った。
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NDC分類: 460.4.
おすすめ
生物とは「自己複製するもの」という定義でよいか?
というのをワトソン・クリックのちょい前から説き起こし、最終的にシェーンハイマーの業績にヒントを得て「動的平衡」説を唱える。
新書とは思えない読み応えのある内容。調査もしっかりしている。文体も丁寧かつウェットでとてもよい。
動物実験の描写もよほどきらいでないかぎり十分受け入れられるでしょう。
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生命活動を物理現象から理解するとどうもうまく整理できない。その解決のヒントは、生命活動のポイントを多様な分子の動的な平衡状態であると想定するところにあるようだ。分子生物学と格闘した先人の作業をわかりやすく解説している。
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わくわくしながら読めた生物の本。
文章がとっても鮮やかでした。
みんなにすすめようと思います。
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なんかワクワクするタイトルだ。
物理的な難しい本かと思いきや、日本人のなじみの野口秀夫の話しから始まり、DAN、ウイルスなどの話しが小説チックに展開されとても面白い本だ。
「海岸に転がっている、小石と貝殻の違いは何だろう。」
元は水素、酸素、炭素、窒素という基本物質は同じである。もっと小さい単位でいえば原子は同じである。
ただ異なる点は、DNAの自己複製機能により形成されたこと。
「生命とは自己複製するシステムである」
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傑作。なにしろケレン味たっぷりの文章がいい。生物の定義とは、無生物の条件とは何か? という問いから始まる分子生物学へのいざない。野口英世、PCR開発秘話、二重らせん構造にまつわる疑惑、動的平衡、古ぼけた踏み台、フェルメール。専門知識のひけらかしにとどまらずに振り幅の広いエピソードで読み手を飽きさせない。そうです私だってお変わりありまくりなのだ。
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文章は上手いし、内容も物凄く読ませる造りで非常に知的好奇心を擽られると思う。ま、回想シーンの語りはチト過剰に美化されてるような気もするんですけど…。ただ、「生命とは何か」という問いに対する答えが頭では理解出来ても直感的というか感覚的には到底理解し得ないだろうなぁとも思った。字面的にね。
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人間は機械とは違う。その鍵を握っていたのはなんと時間という概念でした。ビバ動的平衡!僕は固定された部品によって構成されているのではなく、分子くんたちが及ぼしあって起こす効果として存在しているのです。
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生物とは『自己複製』を行うシステム
らしい。この定義によるとウイルスは生物じゃないらしい。
うん、難しい??
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情景の描写が非常に巧い。各章の冒頭では、地味でありながらも革新的な実験が行われている建物を、風景を形成する一つの要素として上手に描写している。それはまるで映画の撮影で遠くから全体を写し、次第に目的物にズームでよっていくかのよう。
また、ある意味とっつきにくい細胞やDNAの話を研究者を軸に展開していくという発想も素晴らしい。実験の詳細など、文系人間の自分にとっては若干読み飛ばしたくなるような部分もあったが、たいていは飽きることなく楽しむことができた。
これまで研究という作業についてはあまり興味がなかったのだが、この本を読んでみて今の仕事との共通点の多さを認識した。
仮説構築→検証(実験)の繰り返し。
そう考えてみると、優秀な研究者というのは、どれだけ仮説を立てることができるのかということに尽きるのかもしれない。そういう意味では、優秀な研究者(理系人間)は、文系人間よりもよっぽどロマンチシスト(空想化)なんだろう。
この本は各誌の書評で高評価を得ていますが、それもうなずける内容です。