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18歳で全盲になった妹と兄の成長物語。「成長」というキーワードはいつも通りなんだけど、この結末と、キーになる善人が全くいないという設定はどうだろう?今までの桂作品中、いちばんすっきりしない読後感だった。
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「迷惑なんて」典子が言う。
「かけちゃいなさいよ。なんたって、こっちは目が見えないんだから。私もね、昔は――視覚を失ってしばらくは、凛子ちゃんみたいに思ってたわ。でもね、晴眼者だって、決して一人では生きてないのよ。誰かに支えられて、助けられて生きているんだから、それよりちょっとばかり多く助けてもらったって、構わないじゃないって開き直ったら、楽になっちゃった。電車もね、最初は一人で乗るの、怖かったの。でもね、電車とホームの間に何度も落ちてるうちに ――」
「何度も落ちたんですか?」私は大きな声を上げた。
「そうよ。何度も。その度に、ひょいって周りの人たちに引き上げられた。助けてくれるのよ。もっともっと助けていただいたって、いいと私は思うわ」
>泣いたなぁ。。。この部分結構きた。涙腺に。
ぅぅん。良いと思う。助けるよって思った。
そして助けてくれるんだって安心した。
胸が苦しくなる。でも暖かいと感じます。
ちょっと泣きたい時に。
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一言で言ってしまえば、大人になってから全盲になった妹と、その兄の成長の物語。「優しい」ということは、必ずしも言葉に出すだけがそうなんじゃない、ということを知らされた。(2007/11/4読了)
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中途失明の妹とその兄。気が合わないながらも暮らしている。
章ごとに3年づつくらい経過して語り手が兄妹交互になる。
それぞれの成長が見て取れる点は面白い。
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世の中こんなに上手くいかないんだけどね。
でももしかしたらこの世界のどこかにこんな兄妹がいて、
慎ましくひたむきに生きているのかな、と。
そんなやわらかい気持ちになれたことが嬉しい。
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話は好感度が高いなあ、っていう感じでした。
一章ごとに兄・妹の立場から
話が綴られるのですが、その一章ごとの
確実な成長・・・というかなんというか
だんだん寄り添いあっていく感じが
とても良かった。
最後にはまた少しずつ離れていくんだろうな・・という感じだけど、
ゆっくりゆっくり、
丁寧に書いてるっていう感じ・・が良かったね。
兄・妹以外の登場人物は薄かったけど。
必要ないのかねえ・・。薄すぎると思うなあ・・
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桂さんの作品は読後感の良さが好きで読んでいるのだけど、今回はちょっと。。。私の求めてるものとは違うっていうだけですが。
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それまで相手に見向きもしなかった兄妹。妹が突然視力を失ったことにより、世界が一変します。1つ1つの試練を乗り越える度に相手の存在の大きさに気づいていきます。口数が少なくても、相手のことがわかるのは、やはり兄妹だからかなと思いました。特に、兄の成長に引き付けられました。最初は駄目人間でしかなかったのに、いつの間にか読者の声を代弁する存在になっていた気がします。近すぎず、遠すぎない兄妹関係がよかったです。
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失明し、母が死に、父が失踪し、、って不幸てんこ盛りにした上で、10年にわたる、兄と妹の関係性や人としての成長をえがくというのは、やや無理のあるようにも思いました。リアルに書いていそうで、やや現実感がないというか。。
しかし、不器用ながらもいい関係性を築いていく、あるいは成長していくというよりは、2人っきりになってしまって始めて、今まで知らなかった兄の、妹の本質をわかりあってきたのかもしれない。
最初は嫌なヤツと思ってた兄「真司」の人としてのあたたかさはなかなかのものだと思うし。
読んでるうちに、兄妹のことを応援している自分、いったいお父さんはどこに行ってしまったんだろうと心配してしまう自分、と登場人物と一体感がありました。
ただ、タイトルから受けた印象と読後感がやや合ってないということで、評価は☆3つにしておきます。
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後天的に視力を失った凜子と、兄の真司の1995年から2006年の11年間を断片的に描いた作品。
最初のうちは兄の真司にはまったく共感できなかったのだが、話が進んでいくごとに実はいいヤツじゃんと思うようになった。
最初の方の真司がダメだったのは同属嫌悪に似た感情を覚えていたからかもしれない。
桂作品のよさは主人公が共感できるようないいヤツじゃなくてどこか性格や人となりに難があるヤツばかりななんだけど、そんな主人公に徐々に読み手を惹きつけ、最後には気持ちの良い読後感を残すところだと思う。
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失明してしまった女のひととその家族の話。お父さんが失踪してしまうことは兄妹の仲には関係してくるけれど、最後までそうする必要はあったのかな?と思ってしまった。はっきしりない最後はあまり好きじゃないなぁ。あと結局どこに焦点を当てた話なのかわかりづらかった。けど、話自体は結構さくさくと読めた。この人のほかの本も読んでみようと思った。
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突然視力を失った妹、その兄。母は以前に失い、残った売れない漫画家の父もある日突然失踪する。
破天荒なようでいて、とても心温まる物語。中がいいんだか悪いんだかわからない兄と妹の関係がすごくいい。あっという間に10年ってのはちょっとあれだが。あと失踪の件はなんとかなるかと思ってた。
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内容(「BOOK」データベースより)
19歳で途中失明して夢を失った凛子。向日葵のようだった母の死に続き、寡黙だけど優しい漫画家の父までいきなり「消えて」しまった。残ったのは、自分のことに精一杯で気配りの足りない兄・真司だけ。その日から「世界中の誰よりも気が合わない二人」だけの生活が始まった!一番近くにいても誰より遠い二人の未来に待っているのは…。家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。
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お互い反発し合いながらも、お互いの存在を認め、尊重していく。
こういう兄妹の形があっても、良いかもしれない。
短気な兄が不器用に妹を思い、家族というよりは、一人の人間として見守り、ともに成長していく姿が清々しい。
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失明に母は事故死、父は失踪…設定は悲惨なのに淡々と時間は過ぎ。時の流れって、生きて行くって、と考えさせられました。暗さがないのがいいし、読後感は爽やかで、この著者らしい。