紙の本
弱きを助け強きをくじく正義のミカタとはなんぞや
2007/05/28 16:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
本多孝好の書き下ろし小説はストレートな青春小説。
高校3年間をいじめられっ子で過ごした亮太に
人生で最初の友だちと仲間ができます
筋金入りのいじめられっ子だった亮太は
その暴力の日々から、自然と防御の天才となっており
「強い人間」しか入れない「正義の味方研究部」に
入部が許されます。
「正義の味方研究部」というのは「正義の味方とは?」
「正義の味方というのはどういう存在であるか」を研究する部。
結局のところ警察沙汰にはならないが
学内で起きた小さな揉め事を解決するクラブのこと。
その創立に至る過程や正義の味方研究部が解決する問題に
大学生による複数レイプや、和姦問題、
留学生の集団失踪、学生起業といった時事ネタを
うまく盛り込んでいます。
本多孝好は物語設定とキャラクター造形がうまい。
この小説でも亮太のいじめられっ子ぶりや
正義の味方研究部の強い個性、
ちゃらちゃらした学生の挙動や
学生起業家の人柄や思考などは完璧におもしろい。
しかし終盤、亮太と正義の味方研究部との対決があるのですが
それが暴力になってしまうのはいただけない。
ただ「正義の味方」に居心地の悪さを感じ、
その理由を亮太が悟っていく過程は読ませます。
ちょっとかっこ悪いけれど、
亮太らしい人生を歩んでくれそうな予感に
満ちたラストはホッとさせます。
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成績も良くない家も裕福でないいじめられっ子の高校生がやっとの思いで進学した大学―通称「スカ大」で「正義の味方部」にスカウトされ、自分の隠れた才能に出会う……という話では終わらない辺りがこの著者らしさかと思いますが、これまでの本の主人公たちが(本人にその気がないとしても)「人生で勝ち得たかもしれない」優秀な人たちであったのに対し、今回ははっきり「I’m a loser」と言い切ったところが新機軸かと。いままでの本に比べたら人並みの欲もある男の子たちだし。指摘はいちいちもっとも({No Way」も含めてね)。でも「正義のミカタ」が戯画化してしまった今の時代、このオチは私はなかなか好きだ。(私も含めて)がんばれ、小市民。
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完全無敵のいじめられっ子成長記。
本多孝好は好き。だから言うけど、これは自分的には普通かなあ。。。期待しすぎ??今までの著作に比べると、どっかやっつけ的な、練り足りないような。それなりに面白いんだけどさ。いろんな素材を並べて、あなたはどう思いますか?という終わり方は、らしいと思うけどねw
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本屋さんで次は何を読もうかと思ってたところ、この表紙に一目ぼれして、(いわゆるジャケ買いというやつですか?)購入。この作家さんは前々から知っていて読んでみたいと思っていたのでちょうど良いと思い手に取りました。
文章はなんか優しい感じがして良かった。
まぁ、ありがちな学生の青春ものなんだけど、とても深く考えさせられることが多かった。この本を読んでいる間に思ったのが、本を読んでいると一つ一つのちょっとしたことに対して自分の考えを持ちたくなるのがいいことなのかなぁということ。
特に、いじめに対する彼是と、不平等に対する彼是が良かった。
これまた大学生のうちに読めて良かった。
『世の中は不公平だ。そして、不公平さの最大の問題はね、絶対的な不公平なんて存在しないことだ。』
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何か考えたいなら、ぜひ。
大学生になってから本多作品を読むと、前とは捉え方が変わる気がする。
070619
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本多孝好では意外の今までにないキャラ設定。
前半は非常にさわやかな青春小説という感じだが後半にいくにつれシリアスな内容になっていく。いずれにせよ、読みやすい作品である。
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正義の味方研究部にスカウトされた亮太。そこで出来た友達、仲間。
そして彼はある事件に関わり・・・。
正義とは何か、とても難しいことです。
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2007.06. 2年以上ぶりの本多さんの新作というだけでも、嬉しい。 前とは少しカラーが違って、なんだかいい感じの青春小説だった。ダメダメ・ヨワヨワな主人公が、少しずつけれど確かに成長していくのはいいな。読んでいて「頑張れー!」と応援したり、自分の頭で考えることも大事だよね、とふむふむ思ったり。 周りも、わりと気持ちいい人物ばかりでよかった。自分の中の正義とはなんだろう、と読後しばし考えさせられた。
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久々の本多作品だけに期待が高すぎたのかもしれないが、「さぁみんなで考えよう!」的なストーリーは、まったくらしくない。「正義は人の数だけあり」とでも言って欲しいのか?もうちょっと普通の、純粋な成長物語にしとけばよかったのに…ちょいとフラストレーションがたまる。
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百人いたら百通りの正義。
カッコ悪くたって、それでこそ自分らしい。
勝ち負けよりも自分らしくありたい、と読んで思わされた。
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村上春樹に似た文章を書く、本多孝好の最新作。
中学、高校と壮絶ないじめに耐え、大学デビューを目指す亮太。
しかし、そこに亮太をイジめ続けていた畠田が現れる。
ピンチに陥る亮太だったが、正義の味方研究部を名乗るトモイチが現れ、彼を窮地から救ったのだった。
『真夜中の五分前』などを読んでいて、村上春樹に似た文章を書く人だなと思っていたが、本作では路線が大きく異なっていたように思う。
なんだか随分ストレートな話で、期待していた小説ではなかった。
つまらなくはないけど、そこまで面白い小説でもない。
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正義とは一体何かを問いかけてくる、そんな物語です。いじめられっ子だけど根性のある主人公と、正義の味方研究会の戦いのお話。カッコ悪くても、信念は信念ですよね?
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正義の味方とは何か?自分達の大学での些細な事件から大きな事件まで正義の味方研究会がお助けします。
ラスト主人公がまた一つ成長したナァという終わり方でした。
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「I’m a loser」
あれ?これで正義の味方って訳すんだっけ?そんな疑問から入った小説。
結果違ったんだけど、見終えた後に、なるほどって思えるタイトル・サブタイトル。
正義なんて百人百様で、 人によって正義の捉え方って違うんですよ。
そういった中で、他人に自分の正義を押し付けず、けど自分の正義を貫く意志の強さを持つ事の大切さ。難しさを改めて教えてくれる一冊でした。
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いじめられっ子の亮太は自分を変えようと「正義の味方研究部」に入部する。果たして亮太は変われるのか。いじめ、リストラ、格差。こんな社会で生きていかなきゃならない、将来が少し不安なあなたに贈る、書き下ろし青春小説。
結末までは一気に読める良作。結末は捉え方次第なんでしょうが、最後に考えさせられたなぁって感じです。ボクは好きです。