紙の本
もっと素直に人生に警鐘を鳴らすことは可能なはず
2008/09/13 17:10
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のいわんとするところは分からないではありません。
何かを強く求めることで心の安寧を失うような気持ちを強く感じることは、誰しも経験があるわけで、それならばいっそ求めないということで失ったものを取り替えそうというのは、ひとつの方便としてはありうると思うのです。
仏教がものごとに拘泥することで心ががんじがらめになることに強い警鐘を鳴らして、「執着(しゅうじゃく)」を戒めていることと底は通じています。
しかし、一方で人類はなにかを強く求めることで、前進してきたと思うのです。新しいものを発明し、未知なる人々との強いつながりを築いてきたのもまた事実だと私は思うのです。
著者が綴る言葉からは、疲弊しきってしまった現代社会からの逃避の奨めという、一種退嬰的な臭いを私はかぎとってしまうのです。
人間は、特に若い人は、何かを強く求め、そこへと向かって自己実現することを夢見ることが必要だと思います。
著者はすでに齢(よわい)八十を超えています。やはり人生において達観と諦観の大切さを実感し実践するのが通例である年齢に達したといってよいでしょう。
そんな著者の言葉を若者が実践するのは、「老成」という言葉によってそしられることを潔しとすることが大切かもしれません。
人生にとって大切なことを一言でいうなら「求めない」ということではなくて、「誰かを傷つけない」ということではないでしょうか。この「誰か」には自分自身も含まれます。
心と体と生命(いのち)を大切にする。そう素直に綴ればよかったのではないでしょうか。「求めない」という言葉の使い方は、結構難しくて誤解を生むわけで、だからこそ幾度も著者は「求めないというのはなにもしないということではない」と釈明をする必要に迫られるわけです。
求めよ、しかし傷つけないかぎりにおいて。
私はそう考えて生きています。
投稿元:
レビューを見る
この本『求めない』(加島祥造)は、新聞の書評で知ったのだと思う。最近の事なのだけれど、どの新聞だったか思い出せない。まあ、書店でこの本があったとしても見つけにくい本だと思う。書評で中身が少し紹介されていたので買ってみようと思った本である。
中身は「求めない」という言葉で、つらつらと筆者の思いを書き綴った短い詩のようなものである。実際、短詩がいくつもいくつも載っている。
その中でぼくの気に入った詩をいくつか。
「求めない
すると
それでも案外
生きてゆける知る」
「求めない
すると
ひとに気がねしなくなる」
「求めない
すると
待つことを知るようになる」
投稿元:
レビューを見る
人間は求める動物だけどこの本を読んで力を抜いて生きて行きたいと思う。「求めない するとそれでも案外生きてゆけると知る」
投稿元:
レビューを見る
書店さんが紹介してくれて知りました。最初はパラパラっと見ただけだったんだけど、どうもこの「求めない」のフレーズが、何か、折に触れて思い出され、次に本屋にいった時は買ってしまいました。
求めない。
過剰に求めすぎない、ということです。
自分の欲求が、真実の欲求なのか?
本当に欲しいものは、もう持っているのではないだろうか?と問いかけます。
他人にも求めない。
相手に求めることをやめると
自分が自立できる。
リターンがえられなかったら?という恐怖がなくなる。
フレーズもいいですが装丁がまた綺麗!!
ぜひオススメ。
投稿元:
レビューを見る
購入者:松本
「人間は求める動物」ということを前提に語り口調で進んでゆきます。営業は相手に求める仕事でもあるので難しいですが、仕事を辞めてから読んだりするとまた違って見えてくるかもしれません。普段の生活面では役に立つかもしれません。
貸出:中山(2007.10.4)返却(2007.10.4)
すぐ読めます。詩集です。すぐ読めるのですが、この「求めない」という意味合いを理解するには時間がかかります。人生においてなにもかも手に入れた人が隠居して悟りました、みたいな感じです。生きていくのに必要がない物
を求めてこそ、その人の個性がでて、生きる活力になると僕は思ってます。
貸出:秀司(2007.10.9)返却:(2007.10.12)
『求めない』とは、自分を見つめなおし、余裕が持てる。といった感じで始めは納得して読んでいましたが、最後の方になると何故かとても孤独感を感じました。
『求める』事こそ、人と人とのつながりや、自己啓発に結びついていると思います。
貸出:矢北(2007.11.12)返却(2007.11.15)
「欲張り過ぎない」と言う事によって、新しく見えるものがあったり、生きやすくなるという事はあるとしても、「求めない」という生き方、考えには、私もあまり共感はできませんでした。どちらかというと欲張りなもので・・・。
貸出:柳瀬(2007.11.15)
「求めない」ことで今「求める」その行為の無意味さや「求める」ものはもう既に手に入れていることだと気づくという悟り。なるほどと思いながら読んでいましたが、読むにつれ反抗したくなりました。
「求める」からこそ、人間であって個人であってそれが個性や活力となる。だから私は求め続けたいと思いました。 貸出:丸橋(2007.12.18)
貸出:裕志(2008.3.13)返却:(2008.3.19)
皆さんのストレートな感想は正直で、あっりちゃーありでしょう。まっ、深く考えずに楽しくやりましょう!
貸出:佐藤(2008.6.28) 返却:(2008.7/11)
なんだか私にとってはすごく読みづらい本でした。
ズバッといえば共感できなかったからかと。確かに人間関係においては、「求めすぎない」ことは大事だと思いますが・・・。でも基本的に人間は「求める」ことによって成長するものだと思うので、何事もほどほどにってことですかね。
貸出:細見(2008.9.9) 返却(2008.9.16)
皆さんの感想が賛否両論の本なので読んでみました。確かに難しいとらえ方でした。僕的には、バランスかなっておもいます。求めすぎも良くないけど、求めなさすぎもどうかと思います。
貸出:田中亮(2008.9.30)返却(2008.10.27)
求めない=無=自由、それも怖い気がしました。
僕もバランスかなと思います。
貸出:山口(2008.12.2)返却:(2008.12.16)
ボクもバランスに1票です。
貸出:桑畑(2010.1.15)返却:(2010.1.19)
僕は求めすぎる傾向があるみたいなので読んでみました。やはり人との付き合いは与え合うという関係が理想なんですかね。自分自身あらためていこうと思います。
貸出:川端(2010.11.18)
投稿元:
レビューを見る
新しく出会うことば、というより、求めることに、悩み、疲れた人が、たどりつき、救われることば達。求めたいさかりの若い人ではなく、求めることに傷つきながらいろいろな体験をしてきた方にこそ、呼んでもらいたい詩集です。
求める気持ちを持っているからこそ、求めないことの素晴らしさがわかるんだ...。
投稿元:
レビューを見る
購入はしていないが本屋で立ち読み。
厚い本だが言葉が少なくシンプル。
求めない生活をする事が大切な時も
あると気づいた。
今の自分の生活にどうも納得がいかない時は良いきっかけになる。
投稿元:
レビューを見る
めざましテレビで紹介されていた一冊です。
私が以前から考えていた事と著者の見解が同じであった事に嬉しさ半分、切なさ半分の気持ちですが、必要以上に求めない事によって、もっと自由に生きれるのかなと思います。
依存体質の方には是非読んでいただきたい一冊!
投稿元:
レビューを見る
『隣の芝生は青い』の諺にも代表されるように、人が何かを求める理由の多くが、「他の人が持っているから」「持っていない自分に見劣りを感じるから」。本当にそれを必要としているのかを分析することなく、ただ『持つこと』だけが目的化し、それが『欲』として増大する。そして、「他の誰もが持っていない」ことで、自分の優位性に浸ろうとする。しかもそれは、単に個々人の間柄だけではない。家族間、近所間のコミュニティ、会社組織、果ては世界各国に至るまで、『それ』に対して『必要』としているのではなく、『持っていること』に『必要』とし、一人歩きしている。
一方、自分が既に持っているものを、他人にも強要することも、個々人の間柄の軋轢を生む原因にもなっている。「これを持っているべき、あるいは使えるべき」「こんなことが出来なければ困る」。ある分野では劣っていても、別の分野では力を発揮する事もある。もしくは、ある分野でも別のアプローチをすれば、力を発揮することもある。それを見出せずに、一方的に決め付けて、結果として貴重な能力を十分に発揮させる事も無いまま終わらせてしまうこともある。
題名は『求めない』だが、作者でさえ、この先ずっと「何も求めない」なんてことはあり得ない。お腹が空けばご飯を食べるし、寒いと思えば服を着込むし、眠いと思えば床に就く。要は、今自分が欲しているものが、自分の手持ちの対価を支払ってまで、自分の為に必要なものであるかどうかを見極めろ、ということなのだ。
何もかもが揃う現代社会、人はいとも容易く対価を支払って『それ』を得る。得たものが自分にとってどれだけの価値があるのかを知ろうともせずに、また失う、手放す対価がどれだけ価値があったものかを理解しようともせずに。
「必要なものを過不足無く」というのは、簡単に見えて実は凄く難しい。だからこそ人は悩む。でもその先に切り拓くものも忘れてはならない。
投稿元:
レビューを見る
アメリカ文学者であり、現代語訳「老子」がベストセラーとなった詩人・加島祥造氏が、「求めない。すると、・・・(ex.心が静かになる)」という形式の詩を100句くらい書き連ねている。
いい表現もあるが、飽きてくる。
投稿元:
レビューを見る
「求めない」という言葉からはじまる詩集。あっという間に読み終わってまいますが、じっくりあじわいながら読みたい1冊です。読み終わった後、ほんわかした気持ちになれます。不足感と恐怖心から不安になり、求めすぎてしまっている自分のエゴに気づいた時、マントラのように「求めない」と繰り返し唱えたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
ちょっと落ち込むことがあり、ちょうどテレビでも取り上げられてたので買ってみました。
個人的には好きですね。
「求めない」というタイトルですが、「求める」こと自体は至極当然のこととして受け止め、その上で、「求めない」時間をほんの少しだけ持ってみようよ、なんてことが書いてあります。すると、気持ちが楽になって、周りの環境なども良い方向に流れるようですね。
詩のようなものなので、疲れたときや、暇なときに、パラパラめくるだけでもいいかもです。
投稿元:
レビューを見る
2008.1/3
以前NHKで紹介されていた本。リズムよく、求めない生き方をすすめる。大事なことかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
求める事をやめると、色々なものが見えてくるのがわかる。必要でないものは消え、考え方においては、フェアな判断をするようになる。心に響いたのは、大切なものは、今、持っているものの中にあるということだろう。忙しさの中で、何かを見失いそうになったときに読み返したい。
投稿元:
レビューを見る
求めない−相手うんぬんではなく自分を信じる勇気そのものではないでしょうか。とても暖かく、読むごとに気付きを与えてくれる良書