紙の本
君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?
2008/10/27 00:29
15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブライアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
今、オイラの手にはバングラディシュ製のバッグが握られています。マザーハウスという小さなブランドが作ったジュートでできたオレンジ色のバッグ。柔らかくて軽くて、非常に気に入っています。
マザーハウスは途上国から世界に通用するブランドをつくる。という理念から、バングラディシュ製のカバンを日本にフェアトレードし、現地のビジネス創出や雇用環境改善を働きかけている会社です。そんなマザーハウスを創設した山口絵理子さんの自伝的著作が『裸でも生きる』です。幼少時代から波瀾万丈の学生時代、そしてバングラディシュに単身乗り込んでどのようにビジネスを立ち上げていったのかが描かれています。
最初にマザーハウスを知ったときには、「どーせどっかの雑貨ショップみたいに東南アジアの安い雑貨を大量に買い付けてきてテキトーに売ってんだろ」くらいのイメージでしかありませんでした。それが実際にバングラディシュで工場を探して、自らデザインをして、品質までしっかりと保証するといったバッグ1つに対して並々ならぬ企業努力を行なっていることが分かり、一気にファンになりました。
実際にマザーハウスのバッグはそれほど安くありません。でも品質もデザインも素材もその辺に溢れているバッグとは根本的に異なり、オイラのような個性を重視するタイプの人間にとっては非常に魅力的かつリーズナブルに感じるような商品です。実際に仕事で使っているビジネスバッグも、「さわやかだね」とか「使いやすそう」とかよく言われます。
そう、それこそがビジネスを継続して成立させる努力として品質やデザイン、機能性に至るまで徹底的にこだわり抜いた結果なのでしょう。今や直営3店舗、全国の百貨店やセレクトショップにまで展開するようなブランドに成長しています。そしてこれらの売上げは再びバングラディシュに還流され、現地の雇用拡大やビジネス創出、さらには国際展開まで支援するような流れに繋がっています。
社会起業がボランティアと違うところは、慈善事業だから品質がイマイチでも、、といった甘えが一切ないところです。ビジネスはビジネスとして品質が担保されて当然であり、継続的にキャッシュフローが回っていく仕組みこそが不確定要素を排除して安定的に社会発展に貢献し続けることができます。
「君はなんでそんなに幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」最低限の衣食住が保障されている日本社会において、この問いにキチンと答えられる人は何人いるのでしょうか?他人にどう見られ評価されようが、たとえ裸になってでも自分が信じた道を歩く、山口絵理子さんの姿はこれから益々輝きを増していくに違いありません。
紙の本
ただ生きるために生きる
2009/07/04 12:36
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る
バングラディシュで作られたジュートのバッグを販売する
株式会社マザーハウス。
そのデザイン性と発展国での生産という珍しさから、
女性にとても人気のあるバッグです。
そのマザーハウスを立ち上げた山口絵理子が
半生をエッセイで綴りました。
半生といっても彼女は、まだ20代。
しかし、小学校でのいじめ、非行に走った中学生時代、
柔道一筋の高校時代、4か月の受験勉強で慶応大学合格、
ワシントンの国際機関で働き、バングラディシュの大学院留学。
そしてバッグの製造を手掛けるようになります。
猪突猛進ぶりには、唖然としながら
でも引き込まれていきます。
本書ではフェアトレードを否定しているのですが
すべてのフェアトレード製品が粗悪なわけではないですし
すべての人が同情でフェアトレード製品を買っているわけでもありません。
その点は納得できないですし
マザーハウスのバッグを買っても
バングラディシュの最底辺の人々の生活がよくなるわけでもありません。
ただ彼女には、この売上から数%を積み立てて
バングラディシュに学校を作るという夢があります。
欠点もたくさんあり、めちゃくちゃな暴走から失敗も多い。
けれど、彼女が成し遂げたことはやっぱりすごい!
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投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
企業家を夢見ている人は読んでみるといいかも。輝ける部分だけじゃなく、こんなに大変なんだよ、という部分も書かれています。
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世界最貧国の一つバングラデシュ発展のために、現地発のバッグブランドを立ち上げた著者が25年の半生を綴った一冊。
著者の奮闘ぶりには感心するばかりなのだが、幼少期のエピソードなどはカットして、なぜ途上国発ブランドなのか、なぜ発展のためにビジネスなのかといった点にもう少しページを割いて欲しかった。
とは言え25歳で働くことの意義であるとか、使命感を見るけることができた著者が正直羨ましい。
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非常におもしろいと同時に、「おれは山口さんのように走っているのか?」と焦燥感に駆られました。
自分自身の将来像に驚くほど似ていたので、電車の中で一人興奮してしまいました。
「裸でも生きる」
自分が日ごろ考えていることと、言葉の表現は違えど同じだと思いました。
決定的な違いは、それが行動に裏付けられているか否か。
もっともっと走らなくては。
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23歳のときにバングラデシュで起業を決意、特産のジュート(麻)を使った高品質バッグを現地で生産。ついに輸入販売するマザーハウスを設立した山口絵理子さんの自伝です。読んでいて、とても勇気づけられました。やーぼくもちょっとそろそろ立ち上がろうかなと。(大将さん)
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バングラディッシュ製のバッグを売る会社を経営する社会企業家の自伝。自分をさらけ出してギリギリの所で生きるような人生。やっていることは素晴らしいけれど、サイトで売っているバッグはとても高いと思った。
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「情熱大陸」で放送される前に買ったんだけどな・・・テレビ見た後だったから・・・
何事も現場に飛び込んで、とか やっぱり自ら体験しなきゃ〜ね とよく口にはするものの、この方の行動、生き方をみると本当に有言実行 というのはとんでもない大変なことなのだな と思い知らされます。
しかしこの若さでここまでの経験と考えをもたれるとここからどうやって年をとっていかれるのだろう 余計か・・・
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本読むのが遅い自分が、珍しくかなり速く読めた本。
スラスラっと読めた。
文体が砕けてるので、非常に読みやすい上親近感が湧く。
自分は、ボランティアって行為があまり好きではないです。
なんでかっていうと、「可哀想な貴方達に私が援助してあげましょうね」っていう感覚が拭えないから。
(実際は、もっと純粋な気持ちでやってる方々が多いとは思いますが)
単なる施しでは、途上国の人は決して成長しない。
だから、ビジネスで勝ち上がってプライドをつけさせ、途上国を成長させる。
この考えは、本当にすごいと思う。
彼女がやっている事はボランティアではない。
社会貢献とビジネス、この2つの狭間で悩む姿も描かれていて、彼女自身未だ成長途中なのだと思う。
26歳という若さ。自分と対して年の変わらない人間が成した事とは思えないほど。
これからが楽しみな日本人ですね。
情熱大陸で興味を持ったりした人は、是非是非ご一読あれ。
これは、勇気が出る本です。本当に。
人間って、やる気があればいろんな事が出来るんだなぁって実感できます。
特に、日本人なんか本当に恵まれた環境だって事が痛いほど感じられるかも。
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An autobiography of a lady who started "mother house", a company which established bag brands rooted in Bangradesh. It discloses her lives up to date through which she has been struggling to realize her dreams.
The amazing is her vitality, e.g. to join a masters program in grad. school in Bangradesh as the first international student there, or leap into boys' judo club in highschool days. The way she tells the story cannot be praised by any means, but it clears conflicts and obstacles she have encountered and will do so.
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久々に胸が熱くなるような一冊だった。自分とそう年齢の変わらない女の人が、ここまで頑張ってるなんてビックリ。本間にスゴイと思った人。ちょっとでも近づきたいな〜。
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図書館で借り、2008年4月18日〜4月20日読了。
読んでいる内にどこかで聞いたような内容だなと思ってインターネットで調べてみたら、3月16日「情熱大陸」で取り上げられていました。
http://www.mbs.jp/jounetsu/2008/03_16.shtml
バングラディシュでバックをデザイン・製造する会社を立ち上げ人です。
普通の経営者ならこんな所で会社を立ち上げるなんて考えないと思うのですが、それも女性単身で乗り込んで起業した事実には心引かれるものがありました。
利益優先の世の中で、このような信念を持って活躍をされる著者には本当に感銘を受けました。
字が大きく、263ページほどで簡単な内容なので、数時間で読んでしまえる内容です。
バンクラディシュの現状を少し身近に感じる事が出来ましたが個人的には、じゃあ行ってみようと思うにはしり込みしてしまう国なのだと再認識させられた一面もありました。
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いじめに遭っても、そこでくじけることなく逆に負けず嫌いの性格を身に付けて夢を叶えつつある彼女の姿に刺激された。
特に印象に残ったところは、山口さんがバングラディッシュにおいて、何度も何度も騙されて、
私だったら彼らを憎むだろうに、山口さんが人を騙し、裏切らざるを得ない原因である政治腐敗、貧困について
真剣に考えていたところだ。国際機関でインターンをしていたときの様子から、
やはり上からの援助だけでは何も見えてこないのだろう、とも思った。
私たち日本人は本当に恵まれていて、バングラディッシュという同じアジアの最貧国について知ったあと、
恵まれた環境で生かしてもらっているのに、どうしてもっと頑張らないのか、と自分を恥じることもした。
「君はなんでそんな幸せな環境にいるのに、やりたいことをやらないんだ?」
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NIKKEI MAGAZINEで山口さんのことを知り、興味を持って読みました。
非常に情熱的で、努力家で、怒涛の行動力があっって、そして、ちょっとあぶなっかしいところもあるけど、それも含めて、魅力あるヒトなんだと思う。
でも、このように強く生きられない人が多いのも事実。ここまで駆り立てる原動力となるものは一体なんなんだろう?
そのあたりをもっといろいろ読んでみたいと思いました。
今はマザーハウスが軌道に乗ったところだけど、
山口さんが本当にやりたいことはもっと大きなことなのでは、とふと思う。
タイトルは、本の印象とずいぶん違う気がしたのが、残念に思いました。インパクトはあるけど。
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情熱大陸見逃したときからずーと気になってました
この本を読んだときに感じたことを、
ぜったい忘れたくない
そんなことを思った本です
同じ人間として。
大きな大きなパワーを与えてもらいました^^