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ネットカフェ難民 ドキュメント「最底辺生活」 みんなのレビュー

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みんなのレビュー40件

みんなの評価3.2

評価内訳

40 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

非常に上品な「随筆集」

2007/10/11 20:30

9人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:N.Yamaguchi - この投稿者のレビュー一覧を見る

流行り所を抑えただけの社会学系の新書かと思いきや、まったく違う内容。「マスメディアが用意したネットカフェ難民像」を期待してしまった人は失望するだろうが、そうした既成の言葉に抵抗を覚える人は、きっと拍手喝采となること請け合いの一冊。自らを「ネットカフェ難民」と断じる著者は、しかしどこまでも明るく、淡々と生きている。単純に思いつくような格差問題などへの言及はまるでなく、むしろ流浪の生活を楽しむ節が読み取れる。日雇い労働にいそしんだり、街から街へをぶらぶらと歩きながら、著者はひたすら思考する。それはありがちな自分語りではなく、身の回りのあらゆる事象へ客観的な視線を突き刺す、いわばカルチュラルスタディーズの容赦ない実践である。ひょっとすると、新しい行動哲学の様式としての「ネットカフェ難民」を、著者は提唱しようとしているのかもしれない。
二十六歳とは思えない流麗な文体は、ときにおかしく、ときに悲しい。そこから立ち現れる情緒と思想は、大袈裟に言えば「枕草子」の読後感にも似た、洗練された随筆としての完成度を持っている。社会を騒がす(?)「ネットカフェ難民」問題を考える上ではあまり役に立たない本だが、小説本来のおもしろさに飢えている人、「たまには〈愛〉だとか〈涙〉だとかが出てこないを物語を読みたいなあ」と考えている人には、とてもオススメしたい本。

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紙の本

題名通りの内容だとは思わないが面白く読んだ。そのことを多少後ろめたく感じている。

2008/02/02 10:43

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る

 昼間は日雇い派遣の収入で糊口をしのぎ、夜の寝床と定めたのは24時間営業のネットカフェ。そんな生活を送ってみた25歳の青年の体験記です。

 世に言う「ネットカフェ難民」は、かりに働く意志があったとしても日本の景気状況がそれを許さず、結果的にアパートすら借りることができなくなってネットカフェで寝泊りせざるを得なくなった、主に若い世代をさしています。彼ら「難民」を生まない経済政策はいかにあるべきかといった議論の場でこそ、この言葉は使われるべきなのでしょう。

 と考えると、著者が「ネットカフェ難民」と自称するのは用語の使い方が誤っている気がします。著者には帰るべき親元があり、確かに安定した収入はないにしても、敢えてそうした不安定な状況に自身を追い込んでみたかった、という体験志向的な考え方が背景にあるからです。
 ですから著者の行動をネットカフェ難民として論じるのは、やむにやまれぬ真のネットカフェ難民に対していささか失礼ではないか、そんな意見が多いのは頷けるところです。

 しかし、私はこの本を実はとても楽しく読んでしまいました。
 著者の文章力は半端じゃありません。東京芸大・大学院出身という超高学歴もさることながら、おそらくかなりの読書量に裏打ちされているであろう豊富な語彙、洒脱な言葉選び、リズムあふれる文章運び、等々、そんじょそこらの者にはとても書けない高度な文章です。
 また、常に冷静的確に内省を繰り返す姿勢は、大変好感のもてるものであると感じたのです。無責任かつ無反省な若者にくらべればよっぽどマシと考えてしまうのです。

 そんなわけで私は本書を、異質な生活世界に果敢に飛び込んで沈思黙考してみた旅行記のようなものとして面白く読んだのです。小田実の「何でも見てやろう」を読んだときの興奮にとても良く似たものを感じた、などと書くと顰蹙を買うかもしれませんね。しかし、それが率直な感想なのです。

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紙の本

社会問題を扱った本ではなく、文章を愉しむ本だ。

2011/05/27 22:06

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る

サブタイトルは「ドキュメント『最底辺生活』」。タイトルと本の紹介文を読むと、これは社会問題を扱った本かなと思ってしまう。けれど、内容は全く異なる。そのため本書の評価は分かれるだろう。
私は著者の持って回った言い回しが気に入ったので、当初は図書館で借りて読んでいた本をついには購入してしまった。

さて、「難民」とは・・・。経済的困窮等の理由によって居住区域を追われた人間とも解されるだろうか。ネットカフェを転々と泊まり歩く人間を「ネットカフェ難民」と呼ぶらしい。
定職に就けずに家賃が払えなくなり、アパートを追われたら・・・。とりあえず日雇いのバイトなら探せるのかも知れない。そうすれば、ネットカフェで夜を過ごすことは可能か。ただ、そういう生活から脱しようとするとある程度まとまった資金が必要。しかし日銭しか得られなければそれも難しい。そうして、ネットカフェを転々とし定住地を持たなくなってしまう。定住地がなければ就職も困難。悪循環だ。そういう人が増えていることを問題視し、その実態を描いた本かと思った。が・・・。

著者は東京芸術大学大学院卒業後、家に引きこもり、ニートとなる。著者の父は薬剤師らしい。それなりの経済力もあったのだろうと想像する。働かず学ばずただ家にいても何も言われなかった様子。ごく稀に収入を得ることがあったが、それを「労働」と呼べるかどうかは疑問。小学生の女の子に絵を教えて日当5万円。会社社長の娘さんらしいが、親御さんは太っ腹だ。これも定期的な収入ではない。
さて、そんな暮らしをしていた彼がネットカフェを泊まり歩くようになったのは、ある女性との出会いから。ま、出会いというよりすれ違っただけなのだが。私には理解しがたい理由で彼は家を出ることを決意。こうして彼の言うところの「ネットカフェ難民生活」が始まる。

しかしまぁ、なんとお気楽な「ネットカフェ難民」だこと。恐らく彼には帰る場所があるからだろう。ただ単に楽天家だから、というわけではなさそうだ。ネットカフェを泊まり歩きながらいろんなことについて「思考」する。その視点が面白い。単純なことを持って回った表現を使って書き記す。これが私には面白かった。なるほど、こんな風に眺めることもできるのか・・・と笑えもした。「ネットカフェ難民」という言葉から連想されるような切迫した雰囲気や、悲愴感のようなものは全くない。ただただ彼の思考過程を愉しんだ。

他にも著書があるようだし、本来は執筆業に就きたいのだろう。言葉の選び方が独特。「ネットカフェ難民」ごっこもそのネタ作りの一つ。「1ヶ月間、ネットカフェを泊まり歩いてみました。時々、日雇いのバイトもしてみました。そうしたらこんな人々に出会って、こんなことを考えたりしました。」。そういうことを記した日誌のよう。

東京芸術大学大学院を卒業しておきながら、「一応大学には行ったが、名乗るほどの大学ではない。真っ当な大学生活も送らず、お世辞にも教育を受けたとは言い難い。」というところ。読む人が読めばイラッとくるかもしれない。自身を卑下するような言葉が少々いやらしく感じる部分もある。けれど、彼の言葉は面白い。読む目的を間違えなければ愉しめる一冊である。

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紙の本

コロナ禍で再読

2020/09/09 22:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

元ニートを自称する著者は、実は、国立芸術系大学出身の...その学歴と、「ホームレスより下、失ったのではなくまだ何もない」と自分の立場を表現するあたりとか、その文章を読む限りはかなりインテリ。さらに、実家は埼玉にあり、帰ろうと思えばその場所もある。
だからか、タイトルの「最底辺生活」は「悲惨」ではなく、なんか悩める哲学者の思索のための放浪生活...と言う感じだった。
本書は2007年刊。実は、発刊当時に読んで、社会はそろそろ膿を出し切って、新しい社会をつくっていかなければとも思った記憶。しかし、さらにさらに悪くなっているような...そんな読後感。

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2007/10/14 23:24

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2008/02/24 08:50

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2008/07/19 02:06

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2008/09/14 15:32

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2008/09/17 02:14

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2008/12/25 10:42

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2009/01/06 00:37

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2009/05/02 18:11

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2009/11/03 17:34

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2009/12/23 16:30

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2010/01/26 01:46

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