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紙の本

蝶番としての人間

2009/08/04 14:18

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者が1924年九月末から十一月末まで滞在した、当時独立後六年を経過したポーランドへの旅行記。著者アルフレート・デーブリーンの両親は元々ポーランド出身のユダヤ人なので、彼にとってはおのがルーツを辿る旅でもあったようで、全編がユダヤへの旅と言い換えても良いくらいユダヤ的なるものへのまなざしに溢れた記録となっている。もちろんこのデーブリーンが見たものすべてはナチスの台頭によって消滅してしまったわけで、その意味でも非常に貴重な記録でもあるらしい。ポーランドという、ロシアとドイツ、そしてフランス(というかナポレオン)という大国の思惑によって蹂躙されたこの国にやっと訪れた「独立」へ、熱い期待を持って訪ったデーブリーンを待っていたのは、しかしむしろ「国家/国境」によってかき立てられた民族的な憎悪、普遍的な精神文化への破壊、専制的権力といったものだった。深い幻滅と、しかし絶望の底から苦痛への共感をたずさえて一種の理想主義が立ち上がっていく後半の記述は、なかなか感動的ではあるが、いろいろと考えさせられる部分も多い。現代社会における作家/知識人の役割とは何か、というのをデーブリーンは相当真剣に考えているのだが、それがまったく糞の役にも立たなかったというのもよく知っているわけであって、何が間違っていたのか、と問うときに、どうも逃げる場所としての理想主義のようにも見える。もっとも、ギリギリのところで神秘主義を避けようとしてるのも確かで、自由意志と神というのはデーブリーンを読むにはおそらく最重要な観点だろうとか思った。おそらく問題は、世界と社会との蝶番としての人間(個人)ということになるんじゃないだろうか。古くさい近代主義と思われるかも知れないが、いまだかつてこの国にその「古くさい」ものがきちんと機能していた時代があったのか?と問えば、まったく古くさくなんかないわけで。というか、そんな簡単に近代が終わってくれると思うなよ、みたいな。

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2016/04/18 00:34

投稿元:ブクログ

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2022/06/13 08:11

投稿元:ブクログ

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