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やっぱりこの人は切り口がするどい。
たとwば禁断を語った小説なんていくつだってあるけれど、その中で一体誰がその相手のことを「私の男」と称じたろう。
喪失と別離からはじまり、過去へ過去へとさかのぼることによって、なぜかやけに幸福な時間に戻っているように感じる点にまた退廃的なかんじがするものです。
堕ちているときのほうが楽しくて幸福でたまらないなんて。
彼らのお互いへの執着があんまり切なくて痛々しくて甘美な、そういう作品でした。
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友人は映画化するなら花は蒼井優、淳吾は浅野忠信といった。
私は淳吾は浅野さんだと思うが、花ちゃんは吉高由里子がいいと思う。
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「わたし」と「私の男」の、どうしようもない幸せの始まりと、終わり。いつまでも、わたしは私の男のものなんです。
第6章まで読んでから、もう一度第1章を読み返したときの感覚といったらありません。
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最近、一章、二章と一人称が変化していく作品が流行っているみたいですが、これもその一つ。主要人物が入れ替わりに一人称で語るドロドロ(?)した父と娘の物語。時間が現在からさかのぼって事の根源へ近づきます。雰囲気のある作品です。
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時間を遡りながら、語り手を変えて語られる一組の娘と父の話。最後まで読み終えたとき、タイトルの「私の男」の意味がわかる気がします。幸せって、他人が常識とか道徳を元に決めるものではないのかもしれない。堕ちていくばかりの、でもとても幸福な二人の話。
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これはなんだかなぁ。他者は高評価ですが、娘を持つ父親として全く評価できません。ていうか、こんな作品が評価される世の中を認めるわけにはいきません。時をさかのぼる仕掛けもあり来たりだし、ミステリとしてもインパクトゼロです。しかしなぁ、作者は女性で父親もいるだろうに、よくこんなストーリーが書けるよなぁ。ちょっと理解を超えてます。
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お父さんからは夜の匂いがした。
狂気にみちた愛のもとでは善と悪の境もない。暗い北の海から逃げてきた父と娘の過去を、美しく力強い筆致で抉りだす著者の真骨頂『私の男』。
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銀座、雨、赤い傘、外階段のある安いアパート、暗くて寒い漁村。
嫌な気持ちなのに目が離せなくてイッキ読み。ジャケ買い大成功。
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これに似た流れの作品を最近読んだ気が…と思ったら、サラ・ウォーターズの『夜愁』ですね。『私の男』の方がミステリ要素は強いと思いますが。長い長いプロローグの後、そっと物語の中に置き去りにされてしまうような、心もとない気持ちにさせられました。でもわりとこういうのは好きです。
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淫靡で切なくて、その上美しくて。桜庭さんひとつひとつ読むごとに新しい世界にまた連れて行ってくれる!最近注目の人です!
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この雰囲気、好きです。
私も父親を持つ女なので、やはり感情移入をするのはなかなか難しいですが。
幼い頃に父親と結婚すると言う女児がいるのですから、そのまま大きくなってしまえばこうなるのかなーと。
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ドラマチックな内容についぐいぐいと読んだけど、読み終わって興奮が一段落すると気になる点がちらほら。淳悟みたいな男、近くにいたら私も惚れちゃうな。悪い男だって気づいても。
でも「近親相姦」を喜んで受け入れてしまう女が書かれることを危惧する方もいらっしゃるので。なんというか、すごく歪みを感じる。やってることに。でもそこに傾倒しちゃうのは思春期の女の子たちかも。男受けする話ではないと思う。
内容はやっぱり、ライトノベルっぽい。「砂糖菓子の弾丸は…」にちょっと似てる?かな?
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ミステリー恋愛小説のように読まれがちだと思うけど、ベースは虐待の連鎖だと思う。強者の持つ力の乱用の繰り返し。母に満たされなかった愛情を娘に性的虐待という方向で向ける。娘はそれを父の愛情と感じ共に依存しあうのだけど。それは、現実にはよくある話。花には自立の兆しがあるのでそれを願うばかり。
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読み始めて数ページで、あ、この本は傑作だ、と思う時があるが、まさにこの本がそれ。冒頭の雨が降り始める銀座で主人公の2人が会うシーンを読むだけでゾクゾクする。
本には誰もが楽しめる本があるが、これは、本好き、小説好きが読んで楽しめる本な気がする(と書いちゃうと、不遜で嫌な感じですが・・・。)。時制が遡る章立てや、倫理的には許されない設定など、読み難さやとっつき難さがあるかもしれないけど、語る内容、語られる言葉は素晴らしい。小説ぽい小説を読みたい方にはおススメ。前作の『赤朽葉家の伝説』もスゴイと思ったけどこれはもう一段上のレベルでスゴイと思った。
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07年12月。07年マイベスト7位。
津波で家族を亡くし、16歳年上の親戚の独身男淳悟と暮らすことになった花。結婚する花から出会った日へと物語りは遡って行く。親子の愛以上?の狂気に釘付けになってしまった。