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昭和のロケット屋さん ロケットまつり@ロフトプラスワン みんなのレビュー
- 林 紀幸 (語り), 垣見 恒男 (語り), 松浦 晋也 (聞き手), 笹本 祐一 (聞き手), あさり よしとお (聞き手), ロフトブックス (編集)
- 税込価格:1,980円(18pt)
- 出版社:エクスナレッジ
- 発行年月:2007.12
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紙の本
糸川先生とゆかいな仲間たち
2010/06/14 13:49
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ももんじゃ05号 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1 本書は、日本のロケット開発の黎明期からチョイ前に至るまで、ロケット開発、運営の最前線にいた方とSF作家との座談会(トークライブろけっとまつり)をまとめた本である。
本書に出てくる林さんは、現場の神様、この人が大丈夫と言えば、大丈夫という打ち上げの名人である。
また、同じく垣見先生は、ペンシルロケットからミューロケットに至るまで、ロケットの設計に当たった方である。
このロケットの生き字引みたいな人のお話をまとめたのが本書である。
2 この2人をつなげる人物がいる。糸川英夫先生である。今般、めでたく帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」が行ってきた小惑星イトカワの名前のモデルにもなった人である。上記お二人は、糸川先生の部下ないし弟子として、ロケット開発に取り組んだのである。
3 糸川先生、人使いが荒かったそうな。垣見先生は、その裏をかいてやろうと糸川先生と競争するつもりで、データを出して設計したそうな。こういうやる気を出させるんだから、糸川先生も相当乗せ方がうまい「いい上司」である。林さんも、ロケット打ち上げに、ときには命懸けで取り組みながら、いつも楽しそうである。そして、お二人の糸川先生を語るときの話振りは、糸川先生が好きなんだなあと感じさせる。
3 本書には、いろいろな話があって面白い。糸川先生が、マスコミやら官僚やらを調略し、どこからともなく予算をとってくる。これで、いろいろ開発するのだが、そこは黎明期、失敗もあれば成功もある(まあ、いまでもいろいろあるが)。秒読みやってたら、観測所でけつまずいてプラグが外れ、秒読みが中止しちゃったなどというかわいいものから、ロケットが爆発しちゃった、なかには、打ち上げ現場で火がついちゃったなどという危険なものもあったりした。
また、当時は、昭和だ、しかも戦後すぐである、いろんなところが結構テキトーだった。偉い人が来るときでも、打ち上げ前日は大酒をのみ、「これをやらなきゃロケットが飛ばんのです!」と騒いだり、打ち上げに失敗したロケットをこっそり畑から回収したり、ペンシルロケットを勝手に持ち出しちゃった人がいたり(これが廻り廻って、宇宙飛行士が宇宙に持っていくことになったり)、火薬学の先生のところでは、たばこを吸いながら、実験してたりしたそうな(この先生は、危険なところがわかるから、たばこを吸ってやってもいいそうな。もちろん普通の人はだめ)。
こういう偉い人たちが、ちょこっと悪さしながら、楽しんで仕事をしているのはいいなあと思う。宇宙開発というと堅苦しいが、みんな夢に向かって努力しているので、前向きで、読んでいて大変小気味よい。
4 さて、昨日、「はやぶさ」が帰還した。いろいろトラブルがあったが、日本のよくわからない技術と、現場での応用と、少しの奇跡が加わり、無事帰還した。
ところで、本書によれば、宇宙開発に携わって亡くなった人というのは、亡くなったのではなく、宇宙旅行にいったことになるんだそうである。
はやぶさ帰還については、先に宇宙に行かれた方が、少しばかり奇跡に助力したような気がする。特に、目的地はイトカワだったから、糸川先生、こっそり修理とかされていたんではなかろうか。
JAXAの皆様、お疲れさまでした。帰還のニュースは、見てて感動しました。世のいい年した「男の子」は、みんあどきどきしながら、ニュースを見ていたんではないかなあ。今後の開発のため(他にも基礎分野の進展のため)、もっと予算出してあげてもいいんではなかろうか。
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