紙の本
ドイツ・ミステリーはハリウッド製アクション映画を見るか。
2008/02/23 06:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:四月の旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼女は今まさに服毒自殺をしようとしていた。
たまたま、それを飲むためのコーラ・ライト・レモンが
冷蔵庫になかっただけなのだ。
出かけた食料品店では銃撃に巻き込まれ、
そこからベルリン警察特別出動隊(SEK)のヘリで
物語の主舞台へと拉致される。
『ラジオ・キラー』は、ドイツ人作家セバスチャン・フィツェックの2作目。
ベストセラーとなったデビュー作『治療島』を凌ぐ評価を、
すでに得ているようだ。
今回は、現在も著者自身が携わっているラジオ局を舞台としている。
冒頭の部分を読んで、
私は「ダイ・ハード3」のジョン・マクレーンを思い起こした。
停職中で泥酔した彼は突然、事件現場の渦中に連れ出された。
そう、そこにサミュエル・L・ジャクソン。
ただし、主人公のイーラはSEKの優秀なベテラン交渉人だから、
派手なアクションを演じるわけではない。
テレ朝系のドラマ『交渉人』の宇佐木玲子
──その10年ほど後を想像すれば少しは近いか。
物語を動かすものは、ラジオ局のスタジオに人質とともに立てこもった、
かつては優秀な心理学者だったヤン・マイとの“交渉”。
ではなく、次つぎに提示される新たな事実と
周囲でくり広げられるアクションである。
この意味でも、きわめてハリウッド的だ。
幼い頃からそんな映画ばかりを見せられて来た日本人の私には、
展開が透けて見える。だから、読みやすい。
著者はトーマス・マンやカフカよりも、チャンドラーあたりを
好んで読んで育ったのではないだろうか。
同時に、シュレンドルフやヴェンダースではなく、
マクティアナンのような作品を観ていたのでは・・・笑。
それゆえ、イーラもまたマクレーン同様に
ラストでは瀕死の状態で犯罪者と対峙することになる。
静かなエピローグ──。
自殺した長女からのメッセージ、そしてドアの外には?
投稿元:
レビューを見る
息もつかせぬ程のサスペンス。秀逸なストーリーは退屈しらずで一気に最後まで読めること保証です!
意外な展開に驚かされること必至ですよ^^
投稿元:
レビューを見る
処女作「治療島」に続くセバスチャン・フィツェックのスリラー小説。 読み進めるほどに読者をひきこむ展開は秀逸。 前作「治療島」ではオチのつけ方に賛否両論有った様だが、本作は緻密に練られたプロットにより二転三転しながらも納得の行く結末にうまく導いている。また人間臭い過去を持った登場人物を据え置くことにより、サイコスリラーで有りながら物語に厚みを持たせている。
スリラー小説ならばどんでん返しが常であるが、奇抜などんでん返しを仕組むばかりに一つ一つ地道に積み上げてきたストーリーが台無しになる事例を見かける。 しかし本作に関しては練り上げられた伏線がエンディングを合理的に演出している。
あえて言うならば(無論、本作品の質には全く関係ない部分ではあるが)カタカナで、かつ読みにくい登場人物の名前はイメージが湧きにくいのが難点。 (むしろアルファベットで書かれた方が実は分かりやすい)
投稿元:
レビューを見る
最後まで、詠めなかった。
騙されたわー
「ラジオ局占拠」と「TV局占拠」がかぶって、?を思い出しちゃった。
次作も読みたいな。
2008年2月8日
投稿元:
レビューを見る
『治療島』より評価は落ちる。作者にとっての見せ場が多すぎたのか、凝ったシーンが乱雑に登場するのはあまり楽しいものではない。物語の開始に時間がかかった分、期待が薄れてしまった。交渉人というヒロインの特性が活かされているようには思えず、またこの女性がどう考えても主人公にふさわしいキャラだとは思えない。
ノン・ストップで読んでこそ、面白さが伝わる作者なのだとつくづく実感した。基本的には同じ展開の積み重ね。一度で読みきる分には問題ないが、分割して読んでしまうと遅かれ早かれ飽きがくる。熱いうちに完食するのがお勧め。冷めてからでは意味がない。
投稿元:
レビューを見る
なかなか物語に入っていけなくて苦労・・・やっと読了。うーん。。。どんでん返しとか構成がハリウッド映画のよう。
投稿元:
レビューを見る
ラジオ局を占拠した男が見学客を人質に立てこもる話。
先の見えない展開と、少しずつ明かされる真実に一気読み。
投稿元:
レビューを見る
処女作「治療島」よりはストーリーの展開がゆっくりめ。
本国ドイツではラジオドラマとして放送されたようで、ちょっと納得。
投稿元:
レビューを見る
とっ散らかり過ぎ
トリックも よくあるはなしだし
裏切り者はだれ? なんてのも よくあるパターンだし
ドイツ人の名前も 憶えるのたいへん
投稿元:
レビューを見る
最初っからスリリングな展開で、情景が自然と頭に浮かんでくる。
スリリングな展開からどんどんストーリーがすすんでいき、
あっという間に読めてしまう。
誰が味方で誰が敵なのか、ラストは一気に終息にむけて加速!
ラジオ局をのっとっての殺人ゲーム、
死んだはずの婚約者、
アル中の心理学者、
娘の自殺、
など、もうこれだけで気になるでしょ、おもしろいでしょ。
映画化間違いないね。
投稿元:
レビューを見る
三鷹駅前本屋のPOPで気になり、
図書館で借りることにした。
第一作目『治療島』既読。
プロローグから第2章までは、
ダイハードのようなスリリングな展開で期待大。
終盤はちょっと読者おいてけぼりのような
これでもかってプロットの連続。
映画化されるということだからそっち見たいです。
投稿元:
レビューを見る
ラジオ局を乗っ取った犯人。電波を通じて、1時間に1人、人質を殺していく。
一方、交渉人となったのは、娘を失った主人公。犯人の要望は、死んだ婚約者を探し出せという不可能なもの。犯人には、絶対に彼女が死んでいないという確信があるらしい。
オチは、証人保護プログラムに彼女が入っていたというオチ。やれやれ。
サイコブレイカーのほうが一気読みだった。
投稿元:
レビューを見る
セバスチャン・フィツェック 『ラジオ・キラー』
(2007年12月・柏書房)
その日が、彼女の人生最期の日となるはずだった。
高名な犯罪心理学者でベルリン警察の交渉人イーラの心には、長女の自殺が耐え難くのしかかっていたのだ。
しかし、ベルリンのラジオ局で起こった人質立てこもり事件現場へと連れ出されてしまう。
サイコな知能犯が、ラジオを使った人質殺人ゲームを始めようとしていたからだ。
おまけに犯人の要求は、事故死した婚約者を連れてくるという不可解なものだった。
リスナーが固唾を呑む中、犯人との交渉を始めたイーラは、知られたくない過去を公共電波で明らかにせざるをえなくなる。
そして事件は、思いも寄らぬ展開へとなだれ込んでいくのだった……。(柏書房HPより)
昨年末に『治療島』で話題になったドイツ人作家フィツェックの第2作。
最近五十嵐貴久の交渉人シリーズを2冊読んだばかりだったので、交渉人にはいささか食傷気味。
登場人物それぞれの立場、言い分、目的が明らかになり、まるでパズルをくみ上げていくかの
ごとく現れるある事実。
蜘蛛の巣のように張ってある伏線や怒濤の比喩表現のせいで卒倒しそうになるが、思ったより
骨太な作りになっており、なかなかどうして楽しめた。
(描写を)書き込みすぎ、(イベントを)詰め込みすぎ、の感は否めないが、一躍ベストセラー作家の仲間入りをしたのも頷ける。
『治療島』もそこそこの評価はされていたと記憶しているし、次作を待つまでの間にまずそちらを読まねば!
70点(100点満点)。
投稿元:
レビューを見る
長女が自殺したことで自分を責め,まさに自殺しようとしているときに,
犯罪心理学者のイーラは,警察の特別出動隊に半ば拉致される形で
交渉人となることを命じられる。
ラジオ局の見学会に参加した人のひとりが人質をとってラジオ局を占拠したという。男は,交通事故で死んだはずの恋人に会うことを要求する。
どんどん話が広がっていくのでちょっと心配したが見事に結末を迎え,心地よい。
投稿元:
レビューを見る
娘が自殺し、母親である交渉人も後を追おうとした日、ラジオ局をのっとる事件が起こる。犯人の要求は亡くなった彼女を連れてくることだった。
ラストはつながっていなかったことが、ドドドドーと音を立てるかのように繋がり始め、驚きました。