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2008/5
経済社会と文化的活動は両立するものか。主に芸術家や作家の生き方と経済活動が噛み合わないことをいろいろな事例で述べ、それがどのような形になればいいのか書かれている。
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漱石は金あるものの多くは無学無知と決めつけている。
文化は容易に身につかない。
作家になりたいというのと不幸になりたいというのはほとんど同義。
年収が年齢の10倍未満では貧乏。
ネロはもっと強くてよかったのだ。
読者のためというサービス精神に比重をおいた小説は大衆文学やエンターテイメントと呼ばれ、純文学と区別して考えるのが文学史の常識。
教養や知識は豊かになるかもしれないが文学研究者にとってなら有用かもしれないがサラリーマンにとっては役立たない。
カフカが愛読書の人とは友達になりたいと思うが、投資顧問になってもらいたいとは思わない、大きなお世話だ。両立している人だっているのだ。
たとえば、私は文学研究もするサラリーマン。
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[ 内容 ]
本書では、「下流化」につながると槍玉にあげられる「自分らしさ」という価値観に執着し、その価値観がもたらす幸と不幸、欺瞞と真実に、さまざまな作家・芸術家の生き方を通して肉薄する。
自分らしさを貫くために損をし、貧乏をしていた作家・芸術家は数多いが、それでも彼らは己の道を貫きながらどうにか生き延びた。
どうすればそれが可能になったのか。
その観点から見ると、作家・芸術家たちは狡猾に生き残り戦術を駆使していたことが分かる。
彼らの姿は私たちに、自分の生き方や社会のありかたを考える上で、大きな示唆を与えてくれるのではないだろうか。
[ 目次 ]
序章 「自分らしさ」は悪なのか
第1章 経済格差と「文化」の値打ち
第2章 「文化」は差別的である
第3章 芸術家の貧乏はロマンチックか
第4章 貧乏にも程がある
第5章 作家的貧乏・借金生活の覚悟について
第6章 作家では「食えない」のが本道
第7章 夏目漱石の経済戦略
第8章 交渉する作家たち
終章 マイナスがプラスになる世界
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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結局何だかわからない本だが、漱石先生が矢張り偉いということは分かった。前半、教師の権力欲への言及は、さっと書かれているが大変重要な指摘だと思う。