紙の本
不自由を常と思えば不足なし
2012/02/02 08:14
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
総合商社伊藤忠商事の元社長・会長である著者の、社長就任時の経緯や就任後の大規模な買収や損失計上などの裏話(といっても、書かれた時点で表話となるのだが)とビジネスマンとしての心得が説かれている。
伊藤忠商事のような大会社の社長の話など雲の上の話と思う人もいるだろうが、ここに書かれているのは小さな規模の会社であっても、あるいはもしかすると企業でもない団体活動でも活かせる内容である。
例えば、入社してから経理一筋に働いてきた人がいたとする。その出来がよく、営業の第一線で役職が与えられたら、もともと営業でがんばってきた人たちは面白くない。
「経理に営業がわかるはずはない」「営業も知らないで仕事ができるのか」なんていう妬みの声があがることはよくある。
著者は「一つの仕事を極めれば、だいたい仕事のやり方というのはそう大きく間違えることはないんです」という。「スペシャリストこそ優秀なゼネラリストになれる」と。
私はその意見に賛成する。
やっかみをいう人は、そのことを理解できない。優秀だからこそ、まったく畑違いの部署でもやっていけるのであって、もしそれでできないようであれば、その人が優秀でなかったというだけだ。
このように、ここに書かれているのは大企業だからの訓話ではない。
要は、著者の話をどこまで自分の環境に落し込めることができるかだ。そのまま使うのができなければ、自分の環境の特長に合わせればいい。それができて、初めてこの本が生きてくる。
がんばっても評価されない、どれだけ自己啓発に努めても第一線の仕事が与えられない。そう嘆く人は多いだろう。
この本の中でも紹介されているが徳川家康は「不自由を常と思えば不足なし」と言ったそうだ。
なかなか評価されない、それもまた仕事の常である。そんなことに一喜一憂することなく、仕事で自身を磨けと丹羽宇一郎氏は教えている。
紙の本
上に立つものは…ということが書かれています
2019/08/29 06:56
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投稿者:もも - この投稿者のレビュー一覧を見る
この人面白い。意外と普通のおじ様。何と言っても、この本は読みやすい。偉い人の本はとかく難しかったりするけれど、わかりやすく書かれているし、クスっと笑えるユーモアさもあって、馴染みやすいと感じた。
良いなと感じた点…・収入が上がったからといって、生活の質を上げないところ
・人の能力に差はないと言っているところ
・ハゲの話は笑えました
こんな上司、社長ならついていきたいですね。
紙の本
わかりやすい
2020/08/06 09:45
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろな組織で、上に立つ人のあり様がよくわかり、参考になりそうです。誠実な人柄がよく伝わってきて、よかったです。
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アジアで商売をするときの基本は、誠実さと言行一致。絶対に裏切らないこと。言ったことは必ず実行に移す。しかも早く行動する。
お互いの文化を理解しあうこと。日本が海外からどのように見られているのかを考えること。
一つの仕事を極めれば、だいたい仕事のやり方というのは大きく間違えることはない。スペシャリストこそ優秀なゼネラリストになる。
本は読め。
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伊藤忠商事の元会長の丹羽さんの著書を読みました。
いろいろ感銘を受ける点や参考になる点が多い一冊でした。
特に、著者の経営者像には仁や信といった儒教的な価値観が強く反映されているのが印象的でした。著者はこれらの価値観は儒教文化圏だけでなく、全世界的にリーダーや統治者、経営者に求められる資質なのではないかと述べているのですが、この意見には強く共感を覚えます。
また、著者の仕事観、人間観というのも大変興味深いものであると同時に、自分自身も参考すべき点が多いものでした。自分を磨くために、涙が出るほどの感動を味わうような仕事をすべきであるというは、人間逆境や苦境、大変な思いをしなければ大きな成長は得られないという著者の経験則に基づいたものでもあるのです。そして文庫版のあとがきにあるのですが、まず、一歩踏み出す。いろいろあれこれ頭の中で計算するのではなく、一歩踏み出し、現場を見る。このことこそ、飛躍のための第一歩であるという、主張はよくよく考えれば何気ないことなのですが、人間それがなかなかできない。そんなことを考えつつ、自分自身の自戒にもあるような一冊でありました。
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[○2008/03/15完読]この方を尊敬します。他の著書も読んでみます。私は企業に勤める一エンジニアですが共感できる部分もあります。例えば、"青い空、白い雲"を見ると私も爽快に何かを決断できることがあります。個人的には私の昔の恩師の教えを思い起こされ、ドキッとする内容に満ちていました。株式会社や日本、仕事に対する考え方、歴史感、先見等々、沢山刺激をうけました。"仕事で体は壊れない"と考え、より仕事に励む姿勢も尊敬します。本は"考えながら読む”と論理的な思考も身に付く、と読書の重要性も改めて感じます。自分の向学のために周りの人にも「どんな本を読みますか?」と聞いてみるのも良いかもしれない。学生時代はあったけど最近はそういう本に関する会話や推薦ってあまりないですね。若い人にもこのような姿勢で本を読んでもらいたいし、丹羽氏のような姿勢で仕事に取り組んでもらいたいです。もちろん自分もですが。
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本当に素晴らしい本だと思う。
考え方が若干自分と似ていたこともあるが、
「人のあり方」の理念が素晴らしい。
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伊藤忠の現会長。伊藤忠を立て直して業界3位まで丹羽 宇一郎。
ノブレス・オブリージュ。
まず一歩を踏み出す重要性。
自分も商社マンとしてこんな風になりたいなぁー
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伊藤忠の元社長の著書。これまでの経験やビジネス観が書かれてる。良い考え方だなーと思えるし、こんな社長の会社は楽しそうと思える。
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2008年10月23日読了
伊藤忠丹羽社長が仕事に対する考え方について書かれた本。
印象に残ったところ。
『企業にとって一番大きなものは、儒教のいう五常「仁、義、礼、智、信」の一つである「信」なのです。少々堅苦しい話になりますが、「信」は、「仁」につながります。周りから信頼される企業でなければ、仁の心は持ち得ません。私は、人のため、社会のため、国のためにならない仕事は絶対に繁栄しないと考えています。』(P107)
『人間の能力にはほとんど差がないということです。(略)ところが、ほとんどの人はDNAのランプがつく前に「俺はもしかしたら向いていないんじゃないか」と諦めてしまうんです。そうではない。ネバー・ギブアップなんです。最後までやったらDNAのランプがつくかもしれません。どこでランプがつくか、だれにもわからないんです。十年後かもしれないけど、明日かもしれない。一時間後かもしれない。少なくともいえることは、今やめたら永遠にランプはつかないということです。だから永遠に努力なんです。』(P144-145)
『私がこれまでの人生を振り返ってみて誇りに思うのは、絶対に読書を欠かさなかっことです。これまでの何十年という間の読書の蓄積は、人に負けないものだと思っています。そして、読んだ人と読んでいない人との差は、そう一朝一夕には埋められない。(略) 読書というのは、ご飯を食べるとか、朝起きたら顔を洗うとか、そうした日常の生活習慣と同じ感覚にならなければホンモノじゃないと私は思います。(略)物事を掘り下げて考える力や、本質をとらえる力は、読書をすることによって養われていきます。』
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理想の経営者ランキングなんかにも、既に退いた現在でも入ってくるように、非常に広く知れ渡っている方です。
当著で知る以前は、「伊藤忠を立て直したカリスマ社長」というイメージしか持ち合わせていませんでしたが、
公私にわたる様々なエピソードを読むと、その賛成の声の多さにも共感できる部分は多い。
まず、人間的に考え方の幹が一本通っている。スピード感があって、傍からみているとその行動がとても分かりやすい。
(以下一部抜粋)
(+)
■『DNAのランプがつくまであきらめるな』P22
・1年後にできることは今できる。今できないことは1年後もできない。だから、常にエンジンを前回にして、その時にできることは
■『自分資産は“英語×IT”で増やせ』P9
・レバレッジが効く投資アイテム→語学×語学×IT
Googleは“英語×IT”がいかにレバレッジが効くかの象徴的存在。それぞれの組み合わせでレバレッジを効かせてリターンを増幅させることが可能。
【人は仕事で磨かれる】
丹羽 宇一郎 (著)
単行本: 221ページ
出版社: 文藝春秋 (2005/2/24)
ISBN-10: 4163667601
ISBN-13: 978-4163667607
発売日: 2005/2/24
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このオッサンのこと大好きです。
ワタクシと結構似た考え方をする人だなぁと勝手に思ってしまいました。
何度も読み返すことになる気がします。
素晴らしい公共性☆憧れます!!
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伊藤忠商事会長の著者がビジネスマンとしての自らの歩みを振り返る半自伝的な1冊。文庫で200頁強と読みやすい。
ディビジョン・カンパニー制の導入やファミリーマート株式取得など伊藤忠で行った数々の改革にかけた思いや、自己の半生からの教訓や人生譚などがわかりやすい言葉で綴られている。
「太い幹をつくろうと思うなら、たえず考えながら本を読むことです。」「ビジネス社会で評価の軸となるものは何か。それは、周りから必要とされるかどうかだと私は思っています。」「新しい人事制度を導入しました。具体的には、年収のうち一定比率を固定給(月給)、残りを変動給(ボーナス)にして、成果と実績に応じて支払うという形です。」「伊藤忠では入社して四年以内に全員を海外に出しています。アメリカがほとんどですが、短い人で四ヵ月、最長で二年。人によって異なりますが、二年の場合はMBAを取得させます。いずれの場合も、現地でホームステイしながら大学で語学を学び、現地企業でインターンシップをさせる。」「人は仕事で磨かれ、読書で磨かれ、人で磨かれる。」「自分を磨くために、一歩踏み出せ!」などなど
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努力する人間を社会は決して放っておかない。
どこかで誰かが見ていて、光を当てようとする。
丹羽さん信者になってしまう一冊です。
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現伊藤忠商事会長の職にある、丹羽さんの本。
名経営者といわれる人は、数多いる中で現役でここまでカリスマのある人は丹羽さんぐらいでしょうか?
社長時代に伊藤忠を過去最大の赤字決算へと決断させ、その翌年には過去最高益を出すことへと導きました。
その根底にある、人生とは仕事とは何なのか?
現役時代の、エピソードを交えて人間臭く書かれているこの本は読んでて面白いです。