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「わが国が下す決定は、われわれ国民自身の責任だ」
「テレビは情緒的な反応を引き出しはするものの、思考を要求しないことが多い」
「民主主義の知的な筋肉は萎縮しはじめている」
(アル・ゴア)
『不都合な真実』があれだけ話題になったのに、“もうひとつの「不都合な真実」”というサブタイトルがついている本書が、あまり話題になっていないのは残念。
まあ、元々『不都合な真実』も映画が話題になったもので、書籍はそれほどでもなかったので仕方ないですか。
ゴアの主張こそ、「理性(及び論理、真実)の奪還」であるものの、
実質的には(評判のとっても悪い)ブッシュ政権への痛烈な批判書ですね。
民主主義を踏みにじる危険な政権への激しい憤りを禁じえません。
ゴアはアメリカ(人であること)を誇りに思っているのだなー、と感じます。
だからこそ、アメリカが真実に違い、不誠実であり、世界の信頼を失っていく状態が耐えられない、やるせない、いてもたってもおれないのでしょうね。
基本的に一人称で語ってますから、ただの批判ではないですね。
その気持ち、部分的ではありましょうが、わかる気がします。
ちなみに、訳者あとがきに「アル・ゴア版『国家の品格』である」とありますが、民主主義を知らぬ著者が書いた非論理的なものと同列で語ってほしくないですね。
確かに本書こそ「国家の品格」と呼ぶにふさわしいとは思いますが。