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紙の本

小説の速度と解説の妙味

2008/09/30 11:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:わたなべ - この投稿者のレビュー一覧を見る

訳者である工藤庸子さんの近著『砂漠論』を読んで興味を持ちほぼ一日で一気に読ませられた。読む速度と快感はある種一致していて、速ければ速いほど気持いいということもある。人間喜劇のなかの『十三人組物語』という連作の一部を為すメロドラマで、愛(情熱恋愛)を知らずに恋愛遊戯にふける若い処女妻が、ナポレオン戦争に従軍しオリエントをさまよう冒険をへて帰国したエキゾチックな軍人を誘惑し、御するかに見えてその野生の力強さの前についに屈服するが、思いはすれ違って、最終的には孤島の修道院を舞台にした荘厳な悲劇に達する、というオハナシ。いかにもバルザック的なゴシック趣味とロマンティシズムに華麗に彩られたメロドラマである。幾何学的な設計も堅固で、特に第二章「サン=トマ・ダカン小教区の恋」とつけられたタイトルの暗示や、その端々に記述されるフランスの政治と宗教に関する意見は、バルザックの政治姿勢、歴史・宗教観が直裁に語られ、登場人物設定の背景を為す文化的意匠(たとえば軍人のオリエント彷徨のエキゾティシズム)の肌理の細やかさと相俟って非常に興味深かった。音楽に関するバルザックの異様な期待が面白い(この作品自体作曲家でピアニストのフランツ・リストに捧げられている)。まあ、もっともやっぱりこれもいかにもバルザックというような過剰に情熱的な、そしてほとんど偏見に近いような断定によって「心理」と「真理」を語るその語り口にはやっぱりやや閉口したところも正直あるのだけれど。まあ、私は基本的にあまりにロマンティックだったり知的(操作)的だったりする作品を好まない、ということかもしれない。しかしその洞察の背後にある当時のフランスの状況に関する訳者解説は非常に明快で、小説を読み返していろいろと考える機会を作ってくれる二度美味しい本だった。

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