紙の本
こちらは新装版、ノスタルジック
2020/03/29 16:06
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投稿者:Totto - この投稿者のレビュー一覧を見る
フィンランド語の入門書ではなく、著者のフィンランド留学体験記で、こちらは新装版です。
中学生の頃、図書室で見つけたのがきっかけではじめて読み、最近になって購入して再読しました。
フィンランド語の辞書もない時代のお話で、ノスタルジックに読むことができます。
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投稿者:肋骨痛男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
エッセイなのでスラスラ読めます。2010年前後を境に日本では密かな北欧ブームが始まったと思うんですが、その火付けになった本かな?表紙もかわいい。
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この本は、かつて黒田龍之助さんの本で紹介されていて面白そうだと思ってネットで買っておいたものの、それきりで、この夏(08年)フィンランド航空を利用して、ヘルシンキに立ち寄ったのを機にようやく読み出したというしだい。
日本のおけるフィンランド紹介の先駆者の一人稲垣さん(というより美晴さんと呼ばせてもらおう)は芸大在学中のある夏フィンランド語のセミナーでヘルシンキを訪れ、セミナーを受けた後フィンランドを旅行する。なぜ行ったのかは不明だが、もともとフィンランドの美術に興味があったのだろう。そのあと彼女はフィンランドの美術史についての卒論をかくために4年生の期間に留学。卒論を書いたあと、フィンランドの美術史を日本に紹介したということで、フィンランド政府から奨学金をもらい、さらに2年にわたってフィンランド語とその文化を学ぶために留学する。本書はその、太陽の昇らないときが二ヶ月にも及ぶフィンランドの生活と人々との交流、彼女の学生生活、フィンランド語の修行を書き留めたものだが、フィンランド語でもお茶目な作文をもりもり書いた人だけに、日本語のエッセイを書かせてもたいしたもの。何度も吹き出してしまった。それにしても、今でこそ、フィンランドは「かもめ食堂」で日本からの観光客も多くなったが、30年前は本当に孤独だったことだろう。美晴さんがこの本を書いたのは彼女が20代の後半、30にさしかかるときだった。そしてぼくがネットで買った文庫本がでたのはすでに40前半、今度猫の言葉社(こんな本屋があるんだ!)から出たときにはすでに50も後半だ。本書を書いてから彼女がどんな人生を送ってきたかしりたくなった。
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どうしてこんな本がもっとないんだろう。という、さりげなくて、軽くて、笑いながら、ほのぼのと読める本です。
内容は、フィンランドに留学した20代の女性のフィンランド体験記。興味深い文化比較系のネタが散りばめてあって、ユーモアもある。
僕は、若い女性の一回限りのエッセイを読むのが好きだ。たいていは、まだ見ぬ作者に恋してしまう。女性には、そういう自分にひきつける引力みたいなものがあると思う。この著者も、自分のことについて、魅力的なような、そうでもないような、思わせぶりな像を作りあげて、どうしても男としては興味を持たずにいられない書き方をしている。そういうところも、とても魅力的な本だ。
著者は、パルムグレンのピアノ協奏曲を聴いてフィンランドの文化がわかった、みたいなことを書いている。NHKFMなどを聴いていると、時々このパルムグレンのピアノの小曲などがかかることがあるのを僕は発見した。しかしピアノ協奏曲はまだ聴く機会がない。このエッセイを読んだのはもう5年以上前だけど、それ以来ずっと心の隅で、この曲に出会えるのを待っている。
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まだ、だれもフィンランドなんて国について知らない時代。
日本でまだ、フィンランド語の本が1冊しか出版されていなかった時代。
そんな時代に、先駆けてフィンランドへ渡芬し、その魅力をたっぷりと紹介した本。
著者の稲垣さんは、出版社を設立してフィンランドとの親交をつづけていらっしゃいます。
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フィンランドに多少なり興味を持っている人なら知っている有名な本。この本を読んでフィンランドに興味を持った人は数知れず。長い間、入手困難の時代が続いていたが待望の復活。著者が描いているのは1970年代、古き良き時代のフィンランド。本文中に出て来る「東大さん」は「エクスプレス・フィンランド語」の著者。ある程度、年季の入ったフィンランドファンはこの本に思い入れを持っているものと考えて差し支えなく、中味に文句をつけるのは止めた方がよい(?)。
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書籍版が絶版だった数年前に電子書籍版を購入。今は復刊されています。
1970年代にフィンランドへ留学した著者の留学記。著者は自覚がないのか謙遜しているのか自分が大変な努力家であることに気付かないような書きぶりでありますが、大変な行動力をお持ちです。フィンランド人に交じってフィンランド方言のクラスまで取ってしまうは、作文(もちろんフィンランド語で書く)で賞は狙うは、猛烈な寒さに感激して外に出るは、唖然とするようなエピソード満載。紙の書籍は猫の言葉社(著者の会社)か講談社オンデマンドで、電子書籍版は理想書店でドットブック形式が入手可能。
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2012/04/11:タイトルだけで読んでみましたが、言語学の本というよりはフィンランド留学体験談エッセイでした。70年代にひとりフィンランド留学って大変だったとおもいますが、楽しく読めました。
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意外なことに猫が全然出てこなかった。それはともかく、内容はただの滞在記ではなく、かなり必死に勉強した留学生の記録。言語学の人たちが何をやっているのか、ちょっとうかがい知ることもできます。
著者が滞在の最後の方に暮らした家(お城!)の隣人であるおばさんとの交流とか、どこにいてもこういうことが出来ればいいなと思う。
本文も面白いのだけど、20年以上たってから振り返って復活出版されたこの版のあとがきがまたいい。
滞在を延ばすときに、お父さんが贈ってくれた「娘の冒険」を応援する言葉。著者自身が、留学時代を振り返った言葉。
ほとんど知られてなかったフインランドという国が、いつの間にかシベリウス、ムーミンばかりでなく、アラビアの陶器や、映画「かもめ食堂」、そして今は教育関係者の視察がひきも切らないようす。
けっこう評判になった本だったのが長く絶版だったらしい。
それが電子書籍化で復活し、さらに、著者自身が「猫の言葉社」という出版社を作って再版。この辺の事情もなかなか興味深い。
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mackinchanさんの読書ノート「おすすめの本」に紹介されていて、読みました。ちょうど『ニッポンには対話がない』で、フィンランドメソッドやフィンランドそのものに興味を持ったのでタイミングが良かったです。確かに素敵な留学記です。映画の『かもめ食堂』を見て、『フィンランド語四週間』でも買いたいくらいですね。
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北欧は、ヨーロッパで最後に訪れるべき場所だという。これといって見るべきものがなく、それでいてやたらと物価が高いからだ。私も、バルト三国に行く途中にフィンランドに立ち寄ったことがあるが、正直、あまり興味が湧かなかった。でも、もし前もってこの本を読んでいたとすれば、その印象は全く違ったものになっていただろう。
芸大の学生だった筆者は、フィンランドの美術史についての卒論を書くために、単身渡芬(トフン)する。1970年代末、今から30年以上も昔の物語。現在に比べれば、ヨーロッパは遥かに遠く、外国の情報も限られていた。当時、日本語で読めるフィンランド語の学習書は1冊しかなかった。
筆者は、言語学を専攻していたわけでもないのに、ヘルシンキ大学のフィンランド語科に入学する。右も左も分からないような状態で飛び込んでいって、苦労しながらフィンランド語の方言や古文までもを学んでいく。フィンランド語があまりにも難しくて、ぽたぽたと大粒の涙をこぼしたこともあったが、最後は・・・。あまり書くとネタバレになるので、この辺でやめておこう。
日本についての記述がたまに出てくるのだが、その部分はさすがに時代を感じさせる。けれども、この本は時代を超えた普遍性をもっている。ひたむきに努力を重ねる姿の清々しさは、今も昔も変わらないからだ。そして、この本を読めば、きっとフィンランドのことをもっと知りたくなるだろう。タイトルも秀逸である。
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読んだのは講談社文庫版。画像がないので親本で登録。勢いでフィンランドに留学した女子大生の留学奮戦記。とんでもない(?)フィンランド語をめぐるお話しが中心。「猫の言葉」というのは、彼の地の人々が相槌をうつときの「ニーン、ニーン」が著者に猫の鳴き声のように聞こえたから。著者はその後、フィンランドを日本に紹介するような、いろいろな仕事をしている模様。
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もう、フィンランドに行って帰って来た気分になった。
フィンランドのサウナと寒さが印象的。
フィンランド人は情が厚いそうなので、会いたくなった。
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フィンランド語に関心のない方も楽しく読めます。外国語を勉強するということの楽しさ、苦しさが、愉快な文章で綴られ、とても好感が持てました。読後はフィンランド語というなじみのない言葉、そしてフィンランドがぐっと近くに感じられます。
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留学って、素晴らしいことなんだ
それとは、反対に困難で苦しいこともある
マニアックで、笑ってしまいそうな
著者のハマリ加減がいい!
こうやって、さらっと読んでしまうと
その時だけの世界だから
読み終えるのが惜しかったなぁ
この本は、ちょっと前の時代だから
現在とフィンランドと違ってるんだけど
いい本だと思います
ただ、装丁がちょっと古さを感じて
手に取る人が少ないかも
今流行の北欧テイストを取り入れたらいいのに