0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
苗が弟子蘭子へ抱く思いが複雑で興味深いです。言葉では説明できないあの感じ。モデルになった方がいるそうですが、蘭子の最期は壮絶で、こんな書かれ方をされるのは辛いかも・・・どのような音色か聞いてみたいです。
紙の本
女同士の張りつめた緊張感がたまらない
2015/10/06 12:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:crest - この投稿者のレビュー一覧を見る
厳格な武家に生まれこれも武家の女の鏡と言われた祖母に育てられた苗、祖母の音曲好きから一弦琴を習うことを許され、めきめきと上達、呑んだくれの師流月にやっとの思いで弟子入りを果たしその教えを乞うたのだったが、思いがけない師の死とその後明らかにされる師の行状から一弦琴から離れる苗。その後自身の結婚、早すぎる夫の戦死、妹の結婚と死、その後添えとなり女としての波乱に満ちた人生を歩み、市橋家での何不自由ない生活の中でやはり渇望されるのは一弦琴への思い、夫の協力を得て市橋塾開設、前半はまさに苗の苦難に満ちたサクセスストーリーといったところでしょうか。前半だけでも素晴らしい作品なのに後半はがらりと塾生蘭子の側からまさに女同士の火花散る対抗意識、一弦琴の衰退と伝統を守ろうとする流れとのはざまで一弦琴に魅せられそれを通して緊張しあう女同士の生涯が美しく描かれています。この作品を読み一体一弦琴の音色とはどういうものなのか知りたくなりました。
投稿元:
レビューを見る
さきほど、読破。
前半の主人公笛と、後半の主人公蘭子(美しい名前にはとげがあるように、高慢ちきな性格)
の女の闘いのドラマ。
個人的に、蘭子は宮尾作品の中で嫌な女ナンバーワンになっちゃいました。
投稿元:
レビューを見る
浦野所有。
私の好きな「女の一生モノ」の長編で、直木賞を受賞しています。NHKの連ドラにもなったので、特定の年齢層での知名度は抜群。琴の講師をつとめ、幕末・明治・大正を生きた女性の物語です。
宮尾登美子といえば大河ドラマの原作でもおなじみの歴史小説家ですが、それにしても書き方が独特すぎる! 一瞬、とまどいますよ。
まず、マル(句点)がなかなか出てこない。すなわち、1文が長い。
それと、先に種明かしをしてから物語を進めるんですね。たとえば、「○○が壮絶な一生を閉じたのは、それからひと月ほど過ぎたころだった」とかいう文面が突然現れるんですよ。それまで主役級に扱われていた人間の死が唐突に宣言されて、そのあと数ページにわたって、死に至るストーリーを説明するという書き方です。
そんなこんなで、驚きに満ち満ちた作品でもありました。
投稿元:
レビューを見る
宮尾登美子さんは寺田虎彦邸で一絃の琴の奏者、人間国宝秋沢久寿栄さんの演奏に感動され、この本を描くきっかけになったとあとがきにありました。
読み終わって、いま、一絃の琴の音色を聴きたくなり、ネットで検索すると、
苗の演奏の描写が一絃の琴の世界だと思ってしまいました・・・。
モデルになった方々の演奏を聴けないのがとても残念です。
投稿元:
レビューを見る
友人の「2011年に読んだ本リスト」からのおすすめで。
苗と蘭子、一弦琴に魅せられたふたりの女の生き様。
投稿元:
レビューを見る
う~ん、今回はいまいちのれなかったなぁ。苗と蘭子という二人の女性の人生を一絃琴を通して描かれています。対照的でもあるが類似性も併せ持つ二人の女性、私は苗の物語の方が好きでした。こんなにも何かに打ち込めるものがあるというのは幸せでもあるなぁ~とも感じました。
投稿元:
レビューを見る
NHKの篤姫からひかれて読んだ本です。 ちゃんとされた直木賞のいい本です。何度かうまく行かなくて宮尾さんが書き直しされているそうです。
初さんやお手伝いのおばあさんが印象に残ります。
パワーを感じる必読の本。
いいほんです。
投稿元:
レビューを見る
一弦琴というものを初めて知りました。
登場する女性、いずれも意志が強い。明治大正昭和と時代は巡り、今の平成にこういう女性って少ないのかも。
投稿元:
レビューを見る
圧倒された。少し古さを感じる文体も、これはこれで流麗で、噛みごたえのある文章だった。
後半に入ると、蘭子にあまり共感できず、雅美と苗の味方ばかりしたくなってしまった。苗の娘稲子のモデルになった、島田寿子さん演奏の漁火がオンラインにあったため聞いてみた。先入観あって聴いたせいもあるかもしれないけれど、冒頭の弾き出しから鳥肌がたった。
Kindleで読んだことを後悔する。これは紙媒体で手元においておくべきだと思った。
投稿元:
レビューを見る
宮尾登美子!高知を舞台に、武家出身の女性たちの生き様を鮮やかに描いた作品。慎み深くも、芯があり強い登場人物たち、古典芸能である一絃琴や明治の娘たちの生活と、五感に豊かに訴えてきて、明治を主な舞台にしていながらも昔話ではなく心に迫る。
投稿元:
レビューを見る
作者の作品は
女性の一代記が多い気がするが
これは二人の女性が描かれている
恵まれてばかりではない主人公の成長物語のような
ワンパターンなものなのだけれど
いつも夢中になって読みふけってしまう
強くありたい
投稿元:
レビューを見る
さすが宮尾登美子さんらしい素晴らしい本。宮尾さんの本を読むと、自分自身も人生にしっかり向き合って生きたいと思えます。