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夏の風物詩となったケッチャムの新刊。中篇集。
ケッチャム自身が「これまで書いた中でいちばん不快」という作品が入っているが、
私は「隣の家の少女」がやはり最強だと思う。
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読了。表題作と「ヒッチハイク」が良かった。他の二編(「雑草」「川を渡って」)はいまひとつ入り込めなかった作品。
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著者初の中短編集。
9・11後のN.Y.を舞台にしたオフビートな表題作、サスペンスフルな「ヒッチハイク」、レイプ殺人を繰り返すカップルを淡々と描いた鬼畜作「雑草」、それに異色なマカロニ・ウェスタン「川を渡って」の4作品。
3作品目まではケッチャムらしいというか、乾いた文面で気が滅入るような描写や展開が続き、さほどカタルシスも感じられぬ結末なのだが、そんな中、ラストの「川を渡って」はかなり趣が異なる。メキシコ戦争終結後という舞台設定もこの人の作品としては異色だけれど、とにかく何かケッチャムぽくないというか、内容は凄惨なものもあるのだけれど、何かしら温もりがあるというか……何となくランズデール作品に通じるような味わいも感じられた。
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うわぁっ...。スゴっ...。
スプラッタ系やグロ系のホラーって
結構耐性があるんですがこういった
追い込む系の、しかも嫌悪感にダイレクトに
訴えてくるような鬼畜っぷり。疲れた...。
一気読みできなかったなー。一話終わって、
このままやめよっかな...と思って本を置くんですが
また手に取ってページを捲ってるという...。
むー、救いある訳でもなくひたすら突き放され
「無」な感じなのに、なんでなんだろう。
人間って醜悪で複雑で悲しいのね。
いやーでも、想像していた作品と大きく違ってたなー。
「こんなん、思てたんと違ーう!!!」という笑い飯 西田
の名言が頭をかすめた(笑)。
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これまでの作品のインパクトが強すぎるので、ある意味ケッチャムぽくないかもしれない
表題作の「閉店時間」はとっても小粋な感じです
はらはらする心理戦
個人的には「ヒッチハイク」が楽しかった
ケッチャムが一番不快と評したらしい「雑草」は、カナダかどっかの鬼畜カップルのお話でしょうか?
確かにタイトル通り、最後はひっこぬいてやりたくなると思います
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「隣の家の少女」「地下室の箱」のジャック・ケッチャムの短編集。
*閉店時間
*ヒッチハイク
*雑草
*川を渡って
の4編が収録されている。帯には「暴走する嗜虐、非情のリリシズム。鬼才の精髄、ここに極まれり」とあって、もうこれ以上の言葉は必要ではないんじゃないかと思う。
描かれているのは、暴力。
それも、容赦ない、非情な、それなのに単純な暴力だ。
解説にもあるが、これが2001年の911テロの後に書かれた意味の重さをいやおうなしに感じる。
人は、暴力の連鎖から逃げることは出来ないのだろうか。
愛だって、振り切れてしまえば、それは暴力という形を見せる。また、憎しみも、境界を越えればたやすく他者を傷つける。そして、愛も憎しみも、そういう感情もなく、ボーダーを軽々と飛んでしまう人だっている。
「雑草」の怖さは、これにつきる。
ボーダーを越えるということは、そんなにたやすいことなのか? その危険は、他者のものではなく、自分の中にもあるものなのかと。
「閉店時間」で、すぐ側にある危機を描き、「ヒッチハイク」で自己の平安の危うさを描き、「雑草」で自分の中の危険に警鐘を鳴らしている。
平和に、安らかに生きていたいというささやかな願いは、悲しいぐらいもろい。それが、本当に悲しい。
ケッチャムの作品は、暴力的であることは確かだ。
けれど、「川を渡って」のように、悲劇的な結末の中に一縷の望みがある。それは、暗闇の中の小さな光のようだ。
光を見たいから、多分、ケッチャムを読むのだとこの短編集でわかった。
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ハリウッド映画の脚本案「ヒッチハイク」が混ざっているせいか
救いようのないエログロ鬼畜だけど
正しいストーリー(ざまぁみろ、と溜飲が下がるラスト二つ)運びで大変良い。
ヒッチハイクのビッグが好きだー。
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ケッチャム最高!
鬼畜でも何でもいいのぉ
ブラム・ストーカー賞ってのが何だか判らなくてもカッコいい
賞受賞の「閉店時間」より「ヒッチハイク」が面白い
そしてさらにウエスタン「川を渡って」が最高 ありきたりな話なはずなのに、何故かわからないが熱くなる
他の作品とは違う作品
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ケッチャムの鬼畜さの安定感。たまらないです。「隣の家の少女」は別格として、長編よりも短編の方が出来が良いのではないでしょうか。
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世の中、怖いものは多い。
お化けも怖いし、猛獣に襲われるのもキツい。想像だけど。
でも詰まるところは人。人間は実にバイオレンスになりうる。しかも毎日顔を合わせる―知り合いであれ、赤の他人であれ。
本書は一部でカルト的人気を誇る鬼畜小説家ジャック・ケッチャムの中篇集である。
「閉店時間」、「ヒッチハイク」、「雑草」、「川を渡って」の4篇が収録されており、どれも然るべき描写に満ち溢れている。
そもそもこの著者の作品を手に取る人は、この手の内容であることを知っての狼藉であろうから、敢えて著者の他の作品と異なる点について述べてみたい。
なんつうか、「ヒッチハイク」と「川を渡って」にはカタルシスがあるんです。
いつもは実にまざまざと暴力を見せ付けていて、それでいて読み進めてしまうという印象があるのだけれど、この2作はちと違う。
悪人の破滅が、割と爽やかな形で描かれている。
これには驚いた。
個人的にはケッチャムは娯楽作家ではないと勝手に思っている。
過剰(あるいは悪趣味)とも言える暴力描写は、目を背けたくなるような陰惨なものだけれど、一方で酷い事件や出来事は実際に存在する。そう考えると、とても誠実に人の有様を書いているともとれて、「勧善懲悪」とかいう言葉の入る余地のないストイックな作風にふと安心感を憶えている自分がいる。
一方で、やっぱり悪人は死んで欲しいよねという思いを抱くのもごく自然なことだ。生々しい救いのなさ、欺瞞に満ちたカタルシス、その両方が書けるという懐の深さが、この作品群の魅力なのではないだろうかと。
そういうの好きな人向け。
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懐かしのジャックケッチャム。
相変わらずの鬼畜陣も登場するけど、心やさしいひとたちも出てきます。弁護士の姉さんは鬼に変わったようだけど。罪もない一家が惨殺された瞬間吹いてしまった。この人のを読んでるとなんだかテンションがおかしくなる。
一番良かったのは最後の「川を渡って」かな。全体の禍々しい雰囲気と、登場人物の普通っぽさのギャップが良かった。マザーがいい人過ぎて死亡フラグびんびんで、案の定一番ひどい目にあった。このときも悲しいというよりあーあと軽くなってしまうから、自分を疑ってしまう。
ケッチャムの話は、状況次第で人の規範を変えてしまうから面白い。
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この中では『雑草』は異色、いつものケッチャム。
『閉店時間』『川を渡って』が白眉。ケッチャムの懐の深さがうかがえる。
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ケッチャムの中短編集。「閉店時間」「ヒッチハイク」「雑草」「川をわたって」の順で好き。
全く違う話だけど「川をわたって」はイーストウッドの『許されざるもの』をふと思い出した。正統派ウエスタン。
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とことん絶望的な状況というのは、別に無敵の宇宙人が攻めてこなくても、とても身近なところにあって。日本人にとっては、でもやっぱりちょっと別の世界みたいに思えるんだけど、米国に住んでいる人にとって、これは全くの絵空事でもないんだろう。日本にいて良かった。
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えーと。
今までジャック・ケッチャムと出会わない、
幸福な人生を歩んでこられた方と
「ケッチャム?「隣の家の少女」の?」と眉間にシワを寄せた方は、スルーして頂いたほうがよろしいかと。
短編集です。かなり普通です。
ってゆーか、こんな普通の、わざわざ書かなくても、と
いささか肩透かし。
ま、言ってもですねー、
読んでいる最中は、いつケッチャム節が炸裂するかと
ドキドキしていたので、読み終わったら肩が凝っていました~
ひい~。ふう。