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私たちが日本の原型と思っている様々な考えは上から与えられたものであることも多い、ってことですね。以前に読んだアップルパイ神話に通じるものがある。やっぱ風俗史評論はおもしろい!
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文明開化の時、日本の風俗は政府によってどのように変えられたのか。政府にはどのような思惑があったのか。また、アイヌの習俗はどうだったか。
普段なかなか手に入らない資料を駆使しながら、描写豊かに論じられていて読みやすい。今日の日本の文明観のルーツがここにあり、また文明開化以前の風俗とその思想も覗き見ることができる。ライトながら興味深い、視野を広げてくれる一冊。
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明治政府が野蛮な国との西洋からの印象を除くため条例で、禁止した風俗の数々。男女混浴、往来での裸・大小便、男女の相撲、そして文身(いれずみ)など。確かに私たちが途上国の様子を見ていると、明治初年頃の日本がそのように見られたことはやむを得ないところです。アイヌの女性の文身が禁止されたというのも、少数民族の立場から見て複雑なところがあります。アイヌと沖縄人がお互いに相手をどう呼ぶのか、言葉が無く、「シサム(アイヌ語で隣人)」と呼ぶしかなく、沖縄からも「ヤマトンチュウ」と呼ばざるを得ないと言うのは、単一民族を前提としているためなのか・・・申し訳ない気がします。