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緻密すぎる構成に絶句。一体作者の頭はどうなってるんだ。社会情勢、人間描写、情景、どれをとってももう一つの世界のであるかのように見えるほど破綻なく書かれていた。驚愕だ。
それでいてストーリーも奇抜で面白くて、なおかつしっかり理屈が通っている。読み応え抜群の作品だった
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平明な理論で描かれた平明ではない未来。身をつむることなく太陽を見る勇気は難しい…
続編に期待大です。
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時間SFには目がないので、このタイトルをみて気を惹かれ、評判はどうかとネットで検索してみたら、同題のエロゲーがあるらしく、そんな記事ばかりが引っかかってきてまいった。もちろんエロSFではないし、時間SFともいえない。どこそこ火星SFになりそうになってきて、しかしこれはもしかして21世紀版『都市と星』ではないかと思わせるあたりが上巻の引き。ところがどっこい、ウィルスン版『幼年期の終わり』ではないかという話の運びになっていく。
人類にとってのある種の「幼年期の終わり」の物語であるとともに、主人公〈ぼく〉にとっての「幼年期の終わり」ともいえるあたり、大きな物語と小さな物語が連動していくのが見事。どこか閉塞し、同じところを旋回している〈ぼく〉の人生が開かれていくところに、読者がもっとも心を動かされるのではないか。読了後、もう一度〈ぼく〉の人生をたどってみたくなる。そんなSFもめずらしい。
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奇抜な設定だけでなく、人間ドラマも描き込まれていて、SFの枠を越えた面白さ。もう少しこの世界に浸っていたいと感じた。
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「おすすめ文庫王国」のSFベスト10の第5位、そして何より本の雑誌社のHPの文庫評価コーナーで、5人全員が5つ星をつけたことで気になってた作品。
SFってほとんど読まないんだけど、この設定は惹かれたね!
ある夜、地球は黒いシールドに覆われ、しかも地球の時間の流れは外界の一億分の一の速度になっていた。地球を救う唯一の希望は、火星への移民計画…っていう壮大なストーリー。
「どうなんの?どうなんの?」とするする読めちゃうこのうまさ。これは翻訳家のうまさもあるんだろうな。
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下巻に入り意外な展開となる。地球と火星だけではなく、太陽系を越えて銀河系にまで話が広がる。仮定体の正体にも迫り、宇宙に生きる生命体へと想像が広がる。スピンの状態も変わるし、人類も進化する。地球と火星の関係も変わる。ただし、地球というか人類はあまり変わらないかもしれない。そんなところは著者の人類に対する皮肉だろうか。複雑なストーリーでもなく、ある意味予想できる範囲の結末であるが、描写が細かくて映像が生き生きと頭の中で再生される。面白かった。続篇は「無限記憶」になるので、こちらも読みたいと思う。
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タイラーは、E.D.が主導し、ジェイスンが責任者になっているペリヘリオンの診療所の医師として勤務していた。これは、ジェイスンが自分の専属医になってほしいと依頼してきたからである。彼は自分の病気である難性多発性硬化症をE,D,に知られることを恐怖していた。今の仕事を取り上げられると考えていたから。地球を覆ている膜「SPIN」を通り越して宇宙に出ていく計画を取り上げらられないようにと。壮大な話だな。これが第一部で、第二部、第三部があるという。はやく読んでみたい。
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上巻から謎とされてきた地球を覆う「膜」。地球で進む時間が遅くなっていることを逆手にとって火星のテラフォーミングを行い、文明を発展させるという壮大な計画を実行したわけだが、その試みは成功し火星から地球に大使がやってきた!火星の様子や文化が語られる部分は、この小説の1つの山場であることは間違いない。地球よりも進んだ火星の技術を使って、仮定体や「膜」についての情報を集めるための、これまた壮大な「宇宙規模の心躍る計画」が提案された。紆余曲折あったもののこの計画は実行され、遂に「膜」の正体が判明することになる。まさか、そういうことだったとは…。とはいえ、その「膜」をつくった仮定体の正体は依然として謎のままであるし、つくった目的も人間が勝手に推測しただけである。この筆者は、特殊な状況に置かれた人間の感情を緻密に描き、それら登場人物のドラマを生き生きと構築する手法が得意なようで、科学や技術といったものについてはそこまで説明がない。そのため、今後どこまで謎が解かれるかは分からないものの、続きに期待したい。まずは、3部作の2作目「無限記憶」を読んでみよう。
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スピンの存在理由は不明だが、レプリケータの作る生態系の話はおもしろかった。
火星から来たワンさんの話もおもしろかった。