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紙の本
ラカンではなく、「十川精神分析」の試み。
2009/04/06 20:32
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:反形而上学者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者である十川幸司氏はパリ第八大学でミレールのもと、ラカンの精神分析を学んできた精神科医である。
この本が出るまでの十川氏の一般的評価は、「優秀なラカン派分析家」という認識だったと思うが、十川氏はパリに7年の滞在を経て帰国してから、決して「ラカン派」として活動してきたわけではない。むしろ、ラカンに疑問を持ち、独自に精神分析の更新を考えてきた分析家でもある。
しかし何故か十川氏はラカン派の代表格的な扱いを受けてきたので、そういう人から本書を見れば、ラカン派からの「転向」あるいは、「ラカンについての本ではないではないか!」というクレームが出ることだろう。
十川氏はもうすでに自分にとっての「精神分析」の船出をしている。だから、本書も「オートポイエーシス」からヒントを得た「システム論的精神分析」とでもいうものについて語られている。これはもちろん十川氏のオリジナルな考え方である。
本書はそうした「システム論」と「情動」というものに焦点を当てて、新時代の精神分析の可能性を示していく。
実際、本書を読んでみると、まだ十川氏にもはっきりとしないところが多く、新しい精神分析の全容を示すには遠く及ばないのだが、これは以降に書かれる論文や著作等で明らかにされていくことであろう。
私個人としては、「情動」にスポットを当てた点を高く評価したいと思う。
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