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ランド世界を支配した研究所 みんなのレビュー

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紙の本

第二次大戦の米国を設計した「ランド・コーポレーション」の実態を余すところなく描き切ったノンフィクション

2010/02/03 16:10

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 第二次大戦の勝利国となった米国が、1940年代から1950年代にかけて世界の覇権国となっていった絶頂期に、その理論的フレームワークをつくりあげたのが、米国空軍のシンクタンクとして出発した民間の非営利組織「ランド・コーポレーション」(RAND Corporation)であった。
 RAND とは、Research ANd Development(研究開発)の頭字語をとったもの。知識産業としてのシンクタンクの原型ともいってよい。

 実質的に国防研究を主要分野として受託研究を行ってきたこのシンクタンクは、理系の研究者にとっては思う存分に研究のできるパラダイスであり、本書では全米から集まってきた最優秀の頭脳の群像が、これでもか、これでもかと描かれている。
 「ゲーム理論」、「合理的選択論」、「システム分析」、いずれも人間行動を数式と方程式で理解しようとした、「合理性の兵士」(Soldiers of Reason)たちの産物であった。彼らは、研究分野における、米国のベスト・アンド・ブライテストたちであったといえよう。
 そして彼らはまた「合理性の使徒」でもあった。20世紀後半の社会科学がこれら米国発の「合理性」理論の圧倒的影響下にあることは、日本についてもいうまでもない。
 
 「ランド」に集まったのは理系研究者だけではない。
 1972年にノーベル経済学賞を受賞した、米国を代表する経済学者ケネス・アローに代表される「合理的選択論」は、経済学だけでなく、戦後アメリカをアメリカたらしめたエッセンスといってもよい。ランド時代のアローの業績は、本書によればいまだに機密解除されていない(!)という。冷戦時代の米国の国防戦略に直接関与していたのである。
 1994年にノーベル経済学賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュをモデルにしたハリウッド映画『ビューティフル・マインド』そのものの世界である。この映画では、「非協力ゲーム」の研究で知られる数学者として、暗号解読研究に携わることになったナッシュが、次第に妄想の世界に入り込んで精神を病んでいったことが描かれている。核兵器にかんする機密漏洩を懸念して軍関係者に監視されていた、末期がんで死の床であった天才フォン・ノイマンは例外ではなかったのである。ランドでの研究の性格の一端を示したものといえるだろう。

 米国による世界支配構造の根底にある「合理性」とはいったい何か、それが生まれてきた背景も含めて、さまざまな天才たちの群像をつうじて描く、必読のノンフィクションである。

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紙の本

超保守系シンクタンクの実態

2010/07/12 23:58

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書、ちょっといっちゃっている感じが痛い(というより怖い)一冊なんですが、
万人向けとは思わないけど、個人的には、すごい面白かったです。

 アメリカにはロビイストという集団とともに、シンクタンクという
日本の政治機構にはあまりない
(厳密には日本にも存在しますが)
存在がその政策決定と実行、理論的補完として
機能していましてその最も代表的な存在の研究所について迫った一冊。
 
 飛行機製造会社のダグラス社が資金援助、仕事の発注なんかを行い、
このダグラス社そのものがバックボーンとなり第二次世界大戦直後に
設立され、主に冷戦期の核戦略なんかをリードしてきました。

 主に冷戦期の核戦略と書きましたが、彼らのなした主な業績は物凄く多岐にわたっていまして、
私たちも、インターネットの基礎理論なんかで恩恵を受けております。
 業績としては、アメリカ人お得意の囚人のジレンマからくる、
ゲーム理論、経済を抜きにした厳密な意味でのゼロサムゲーム、
失敗なく完全に遂行するシステム、フェイルセーフシステム、
ノード(結節点)が破壊されても、通信できるインターネットシステム。etcなどなど、
 他にも、色々研究していまして、苦戦するベトナム戦争でのベトコンの士気の高さ根源を研究したり
医療費の自己負担なんかも研究し、施行する上での理論武装に一役買っています。
 早い話、身も心も凍るような冷徹無比の超右翼系保守派のシンクタンクなんです。

 本書で、一番衝撃を受けたのが、ちょっと前のネオコンの信奉者、提唱者、牽引者の殆どが、
このランドの出身だということ。ウォルフォビッツに、ドナルド・ラムズフェルド、
コンドリーザ・ライス。この辺からもその性格が、理解していただけるかと思います。
 
 この研究所の面々を一言で言い表した著者のいい表現がありまして、
概ねどの人も、知的傲慢さと道徳的無神経さを兼ね備えていると、、。
 しかし、チャーチ・オブ・リーズン(合理性の教会)とも呼ばれていまして
どんな主義主張もそれが合理性に見合っている限り、研究対象にすることができ発表できたとか。
ただ、やっぱり研究者の一人ハーマン・カーンがキューブリックの「博士は、、」のモデルになったと
いうぐらいで、(ルメイもいました)みんなどこか少しいっちゃった感、
世界平和のためには、世界を支配するしかないみたいな考えをもっていてうすら寒さを感じます。

 (アクシズのハマーン・カーンってここから来ているのですかね?
  だとしたら、富野さんすごい)

閑話休題。

 大体、人間が理論どうりというか、理屈道理に行動すると思っているのがパラノイアの証拠って
どこかで読んだのですが、まぁ、それは置いといて、、、。

 ちょっと本としては、特定の人物に絞りすぎたり、人物本位でなかったり、
ランドそのものが対象で仕事がメインだったり構成にばらつきはありますが、
アメリカの保守派の人はこんな考え方をしているんだぁという
理解の助けになる本だと思います。

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2010/02/17 22:56

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