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紙の本
猛暑に背筋を凍らせる短編
2009/07/17 10:34
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
都市伝説と俗に言うようなホラーや、『コックリさん』や『学校の怪談』並みのエンタメ系ホラーもあれば、思わずゾッとする、ひやりとする恐さのあるものまで幅広い。
中でも一番ゾクリとくるのは一話目『お母様のロシアスープ』。中盤にはもう、多分この「二人の姉妹」はこうなんだろうな・・・とオチに気がつく人も多いかと思うが、それでも最後の最後、シメの一行で背筋がヒヤッとするほどの怖さがあり、この猛暑が続く中、久しぶりに冷や汗が流れた。
最後の一行といえば、この本の収録作品はすべて最後の一行に掛かってくる。ホラーとミステリーは良く同じカテゴリーに入れられがちだが、この本もご多分に漏れず。
全部が全部ではないがホラー作品には「実はコウだった」というように、怪奇現象なり幽霊なりの原因やシカケが種明かしされる。だからミステリとホラーは重複することが多いのだろう。
どの作品も続きが気になり一気に読み薦めてしまう吸引力と面白さはあるが、私の気に入りは『押入れのちよ』と『コール』だ。どちらも恐い分類ではなくむしろ微笑ましい、ホロリと来る系統だが、たまにはこんなストーリーを心地よく読むのもいいなと素直に思う。
他、多くが日常の闇、所謂現代人の心の闇なんていわれるなんとも説明のつかない暗がり、落とし穴的な何か・・・そんなものが根底にある。そして現実世界に隣接したストーリーが多く、つまるところ人間ほど恐いものはないというお決まりのテーマな気もする。
ただ長ったらしい暑い日をダラダラ過ごすより先に、本書の中のほんの一遍を読むことで一日が引き締まってくるのだからこれはやはり使い古したテーマとはいえまい。日常と誰の心にも潜む暗がりや説明不可の何か、そんなものは誰もが解き明かすことが出来ない永遠のミステリであり、名付けることのできないそれらはホラーの源泉なのだから。
電子書籍
荻原流世にも奇妙な物語
2021/11/23 21:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
怖い話から感動する話まで全9話の短編集。著者の短編集は初めて読んだが評判通りのすばらしい一冊でした。特に表題作「押入れのちよ」と「コール」が秀逸。
紙の本
ちよ、一択
2016/10/21 00:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちよに呼ばれて購入。ちよ、健気で食欲旺盛で無邪気。とてもかわいい。こんな幽霊なら大歓迎。でも実際は南の国(おそらくサンダカン)に売り飛ばされ、マラリアにかかり見捨てられて没した幸薄い少女。ちよ自身はあまり気にしていないみたいだけど同居人の恵太が代わりに憤るシーンがとてもよかった。いいこと思い出せ、怒れ、怒れとせっつかれ、ちよがこまぎれに発する言葉が切なくて涙を誘う。恵太と一緒にお墓に行けたかな、ちよ。他、面白かったのは「木下闇」姉の執念が妹の無念を晴らすいい話。「しんちゃんの自転車」はほっこり笑顔を誘う。
紙の本
おもしろい!!
2016/05/07 00:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kyou - この投稿者のレビュー一覧を見る
押入れのちよは、好奇心旺盛なちよが部屋においてある色々なものをあさりまくって、初めて見るものに対して自分なりに解釈をしていく。その様が目に浮かぶようで本当にかわいらしく、面白い。
短編集になっていて、それぞれの話に個性が出ていて、残酷だけど少し笑えてしまう。気持ち悪さも入っている魅力的な作品だと思います!!
とてもおススメな作品です!!