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20100406
ウィリアム・ギブスン
マネロンのドル紙幣を医療用放射能で汚染するオチがおもろい
トータルではあまり面白くない
というか以前のギブスンとはまったく別系統の作品なので
これはこれでアリだけど、サイバーパンクにわくわくした者から
するとちょっと寂しいところ
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今までの作品のなかではむしろ、端々に織り込まれるようにして存在していたギブソンのヒューマンな部分、ヒューマンなものに対する眼差しが、今回ははっきりと作品の中枢を担っている。
と、言ってもそれはまた物語が進むにつれ次第に明らかになって行くと言うものなのだけれど。
考えてみれば、この人はディストピアな未来を書いている時でさえ、不思議な明るさを持っていた。その、ほの明るさ(とでも言うべきもの)が以前よりも全面に出ているのだ。
そしてそれが良いことか悪いことか、と問われれば、間違いなく良いことに違いないと言える。(それはまたとても現代的なことだろう。)
この作品、それからシリーズ前作であるパターン・レコグニションについて、よくSFかどうかわからない、SFではない、と言うことを論じたがる短評を見かけるのだけれど、そもそもギブソンが書いているのは一貫してサイバーパンクであり、サイバーパンクとはもともとSFの鬼子なのだと言うことを認識して頂きたいと思う。
サイバーパンクはサイエンスの物語と言うよりはむしろ、情報系と有機体とネットワークを主題とする物語であり、そう言う意味では、前作パターン・レコグニションともども、現代を扱いながら、まがうことなきサイバーパンクである本書は、驚くべき要素で満ちている。
サイバーパンクと言う言葉が生み出された頃のギブソンは、電子的なネットワークを主題とし、そこから有機存在へのアプローチを試みていた。その同じ作者が、主題を現代とした新しいシリーズでは、有機的ネットワークに主な関心を置いている。それもまた、驚くべきことの一つである。
この作者において、サイバーパンクは過去のムーブメントでもなんでもない。
またサイバーパンクもまた、過去に流行った思想の一形態でもなんでもない。ギブソンは我々にそのことを突きつけている。
進化し続けるサイバーパンク、あるいは変容し続けるネットワーク、ギブソンはそれを書き続けている。
彼独特の、とても優しい眼差しで。
Now, Is it SO important to you this novel is Sci Fi or not ?
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どうにも愉しめなくて、読み終わるまでだいぶ長く感じてしまった。
前作『パターン・レコグニション』だと、視点キャラの魅力や描写、会話の面白さなどに引き込まれ、とても楽しんで読めたのだけど、今作はそのあたりが自分には見つけられなかった。
例えば前作のケイスは、自身の性質や職業からもたらされる周囲の人間に対する個性的な見方(特にファッション描写)、父との関係性などからキャラが立っていたと思う。けれど今回、視点人物が三人もいるのに、なんというか、あまり印象に残っていない。
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読了。ストーリーが良く判らなかったし、人物相関も掴めないまま終わってしまった。楽しめなかったのは事実。三視点で書く書き方は交わった時のカタルシスがあってしかるべきだが、それも無かった。二周三周しないとダメかな…。
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舞台になっているのは現代の現実世界そのものだし、登場人物も多少変わったプロフィールの持ち主であってもごく普通の生身の人間だし、登場する技術も現実の技術水準からかけ離れたものは出てこない。
それでもやはり、これは「SF」なんだな、という印象は受ける。
その印象は、ディテール描写に由来しているのだろう。
モノにしてもセリフにしても、そのディテールに配慮された表現は、普通の小説とは違っている。
特に情景描写が印象的。
ホテルの部屋やバーにしても、車やヘリや飛行機などの乗り物にしても、或いは、ロスアンゼルス、ニューヨーク、そしてヴァンクーヴァーといった都市の風景にしても、訳文で読んでいることもあってその情景を思い浮かべ切れないところがあるにしても、その独特の表現が、どこか異世界感を漂わせる。
まったく関わり合いを持たない3人の主要登場人物が、それぞれに見えない力に巻き込まれていく様子を、短い章をスピーディーに切り返しながら展開しながら進めていく手法も、読む者を惹きつける力があるのだけれど、一方で魅力ある登場人物たちが最終的に絡んでいくあたりが案外あっさりしていて、やや肩透かしをくらった感も。
一言でいえば、そういう小説ではない、ということなんだろうけど。
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2000年代に翻訳刊行されたウィリアム・ギブスン作品の一冊。前作「パターン レコグニション」よりストーリーの終着点が明確で腑に落ちる。
とはいえ、前作同様に終盤近くまで盛り上がりのない道が続くので、読み終わるのに2週間もかけてしまいました。