紙の本
人類は「見えない敵」とどのように戦ってきたのかを解説した興味深い一冊です!
2020/07/25 10:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ベルギーの生物学者ウィリー・ハンセン氏とフランスの医師のジャン・フレネ氏のお二人による共著です。同書は、ペスト、コレラ、赤痢、チフス、ジフテリア、結核、梅毒、破傷風、炭疽菌など、「見えない敵」の存在を、人類はいかに見いだし闘ってきたのかということについて詳細に教示してくれる一冊です。古代人の鋭い洞察から、細菌兵器の問題まで、感染症の研究に身を投じた学者たちの豊富なエピソードとともに、直観と誤解、発見と偏見の連綿たる歴史を克明にたどっていく興味深い内容となっています。同書の構成は、「ペスト」、「コレラ」、「腸チフス、その他のサルモネラ症」、「細菌性赤痢」、「発疹チフス」、「淋病」、「脳脊髄膜炎」、「ジフテリア」、「百日咳」、「ブルセラ症(マルタ熱)」、「結核」、「梅毒」、「破傷風」、「ボツリヌス症」、「炭疽病」、「ハンセン病」となっています。
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ペスト
コレラ
腸チフス、その他のサルモネラ症
細菌性赤痢
発疹チフス
淋病
脳脊髄膜炎
ジフテリア
百日咳
ブルセラ症(マルタ熱)
結核
梅毒
破傷風
ボツリヌス症
炭疽病
ハンセン病
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ペスト,コレラ,腸チフス,赤痢,淋病,ジフテリア,結核,梅毒,破傷風,炭疽病,ハンセン病など,さまざまな感染症の歴史がまとめられている。古くは異なる病気が同じものと見なされたり,その記録を探るのも困難があろう。
病気の歴史は,病気とのたたかいの歴史と同義だ。その解明と治療に向けて,多くの科学者の努力がある。必死に探る姿から,目の前の病人を救いたいという思いが伝わる。栄誉欲による探究のものもあるのだろうが,それを感じさせない献身的な取り組みがある。
ただその一方で,今から考えると人権を損なうような研究方法もある。また,多くの犠牲の上に,研究の成果があることも事実だろう。
いわれのない差別も,感染症には多くあった。特に,ハンセン病については,日本では2008年まで隔離政策が続いていた。はじめは未知のものに対する恐怖心から,それが徐々に固定化していく。現在でも,エイズなど新しい感染症に対する偏見はなくならない。また,新型インフルエンザに対する世の中の反応でも,そのようないわれのない差別が見え隠れしている。何と愚かなことだろうか。
また,これらの病原体を使った生物兵器の開発,実験が行われている。自らを犠牲にしてまでも,病気の解明や治療法の開発に力を注ぐものがいる一方で,その知識を使って人殺しを考えるものもいる。人類の醜い心とのたたかいは,特効薬がないだけに難しい。
間違ったことを繰り返さないためにも,過去の事実を知っておく必要がある。また,未知のものに対する過剰な反応を避けるためにも,過去の感染症の歴史と,それが起こるしくみ,さらに治療法などについて,知ることは大切だと思う。過去の知識があれば,新しい感染症に対しても,冷静に対応できるものと信じたい。
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よく〇〇時代は良かったという人がいるが、これ読んでから同じ事言えるのか。
治療のためにと水銀を擦り込まれても同じ事を言えるのか。
シミュレーションゲームで兵士が死ぬのは戦闘がほとんどだが、現実に合わせようとすると病気で死ぬ。
皇帝軍に対する勝利者はチフスであった。
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読了。
【購入本】
細菌と人類 終わりなき攻防の歴史 / ジャン・フレネ ウィリーハンセン
昼飯とか休憩中などの食事中に読む本ではありませんね。読んでましたけど…w
ペストコレラチフス赤痢から、淋病梅毒、炭疽病やハンセン病とあらゆる感染症の歴史。
何時頃からある病気で誰が発見してどう解消されていったか。
という本です。
やっぱ恐ろしいですね。
当時は特効薬もないので死を意味しますからね。
現代では少なくなりあんまり感染しないとはいえゼロではないのでね。
日本人旅行者もマラリアで亡くなったという話も聞きますしね。
この時代でよかったねという感じもします。
とはいえ攻防の歴史。
新しい感染症もあるわけです。エイズとかSARSとか。
また新たに出るかもしれないので攻防の歴史はまだまだ続くかもしれませんねぇ。
たいへん勉強になりました。
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ペスト、コレラ、赤痢、チフス、ジフテリア、結核、梅毒、破傷風、炭疽菌…。“見えない敵”の存在を、人類はいかに見いだし闘ってきたのか。古代人の鋭い洞察から、細菌兵器の問題まで、感染症の研究に身を投じた学者たちの豊富なエピソードとともに、直観と誤解、発見と偏見の連綿たる歴史を克明にたどる。
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https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA88079086