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絵本の体裁をとったビジュアルブックであり、まちゅまゆという画家の画集である。だから書店によっては絵本コーナーに置かれていたり、美術書コーナーに置かれていたりする。
つまり子供向けとは限らない、むしろ大人に読んでもらいたい絵本である。孤独、疎外、周縁、ディスコミュニケーン、世界の終わりの風景、これらの言葉に惹かれる人はぜひ手に取ってみてほしい。
◎生駒祐子、西浦智仁のサウンドCD付き。
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境遇であったり過剰な噂であったり悪意であったりで嵌められてしまったきりんは、ヒトをガジガジ食します。
その異常な行動にも原因があったのですね。
お可哀想に思います。
ヒトの中に放り込まれたきりんは、異物だったのかもしれません。
為す術がない事も生きてると沢山ありますよね。
寂しく思う事もありますよね。
でもヒトを食べるのは違うのです。
ただ寄り添っていてくれる、家族・恋人・友達がいれば良いのに、と切に願います。そうすればもうヒトを食べなくてすみますから。
でも己にも原因はあるのですよ。
これも悲しい事実です。
それと絵がとても良い。
全体がカビまみれであるかのような着色。
キヒヒヒとかクヘヘヘとか言って笑いたくなる。
でもとてもとても悲しいお話し。
きりんには誰もいないんですよね。
だから寂しい。だからヒト食べちゃう。
だって人間でも同じだもの。
僕だって同情なんてしたくないし、きりんだって同情されたくないと思うけど、抱きしめてあげたくなっちゃう。
愛が不足しているよ。
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私の中の「絵本」の概念を粉々に崩した作品。
私はヒトで、きりんで、私もいつかヒトを食べるかもしれない。気付かないうちにもう食べているのかもしれない。
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アルティアム(福岡)というところでグッズ&絵本を見て以来すきなまちゅまゆ。高くて買えないなーと思ってた絵本がなんと図書館に新刊で入ってて、読んで帰りました。油彩画家なので、絵本はもちろん絵がメインなのですが、多くはない言葉もすごくよかったです。ヒトを食べたきりんのことをおもうと、とても切ない物悲しいきもちに。CD(音楽らしい)付きだけど、なんせ借りて帰らなかったのでそれがどんなものかは未だ知らず。まちゅまゆワールド、おすすめです。
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極えも。えもい。えもすぎる。現代社会の孤独をよく描いている一冊。階段を踏み外したときのような、ひやっと感がある。他者と共存することと、孤独であること、自分が自分であるということ、などなどいろんなメッセージが滲み出ている。