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お気に入りの「100文字でわかる」シリーズ。
名画版には、有名な古今東西の名画をイラスト化したものが載っており、その上手さに目を奪われました。
ミケランジェロの「最後の審判」は、初めは人間の美しさの表現のために、キリストや十二使徒たちは全裸に描きましたが、神を汚すとの批判から、後に弟子が腰布を加筆したそうです。
ブリューゲルは、親子で画家だと思っていましたが、息子二人とも画家になったそうです。長男が父と同じピーテルという名なので、(子)と描かれるとのこと。
そういえば次男は花の作品を得意としたヤンでした。ごっちゃになっていました。
また、ゴヤの「裸のマハ」「着衣のマハ」ですが、マハとはモデルの名前ではなく、「小粋な女」という意味の言葉なんだそうな。
ダヴィッドの「サン・ベルナール峠を越えるボナパルト」は、白馬に乗ったナポレオンのおしい姿が描かれていますが、実際に彼が乗っていたのは、ロバだったそうです。
「天才を感じさせろ」というのがナポレオンの要望だったとか。
上手に表現していますね。
「ナポレオンの戴冠式」には母親マリアが描かれていますが、実際には彼女は君主制の復活に反対し、式には不参加だったそうです。
ルノワールの「都会のダンス」「田舎のダンス」という二枚の絵の女性モデル、二人と、ルノワールはつきあっていたそうです。
なんと、二股かけていたんですね。田舎の方のモデルは、後の妻アリーヌで、都会の方は、後のユトリロの母、シュザンヌ・ヴァラドンだったとのこと。
息子のジャンは、映画監督となってからは、父の絵を売って制作資金に充てたそうです。
ムンクの「叫び」の赤い雲の中には「こんな絵を描けるのは狂人だけだ」という鉛筆の書き込みがあるそうです。
本人の書き込みという説が有力だとのことです。
NYのメトロポリタン美術館は、もともとアメリカに世界規模の美術館がないことをうれいた有志が寄付活動をはじめ、絵が一枚もないところから初めて、所蔵品300万点以上という現状までに至ったそうです。
てっきり国家予算による設立と思っていたので、驚きました。
雪舟の「恵可断臂図(えかだんぴず)」は、少林寺で座禅中の禅宗の達磨に、恵可という僧が、自分の左腕を切り落として弟子入り志願をした図だそうです。
よく見る絵ですが、そういうシーンとは知りませんでした。
腕を斬って決意表明?ヤクザ以上の根性が要りますね。
達磨は宗教家なのに、それをよしとしたのでしょうか?
けっこう網羅していたし、端的にまとめられているため、わかりやすくサクサク楽しく読めましたが、それでも私が常々謎に思っている、(マネの「槽場の昼食」はなぜ女性だけ裸なのか?)と、(岸田劉生の「麗子像」は東洋のモナリザと言われるほど魅力的か?)ということについては、語られていなかったのが、多少残念でした。