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[ 内容 ]
フェミニズムとしての女性史研究は、性差を構築し内面化させる「近代」そのものを問い直す実践である。
それは「近代」というストーリーを補強する制度的な知としての「歴史学」への鋭い問いでもある。
その視座と方法をめぐる提起と議論、実践としての地域女性史研究、聞き書き、近代がもたらした排除と分断のプロセスの分析を紹介。
問いかける側のリアリティをも揺るがしつつ紡がれた成果である。
[ 目次 ]
“近代”をひらく―参考文献・読書案内
1 “視座”と“方法”をめぐって(生き方を求めて―女性史研究の中から;文献主義への抵抗―私のきき書き考;生きる場への視点―地域女性史の可能性;ジェンダー概念の導入―歴史学とフェミニズム;二項対立をこえて―ジェンダーの日本史(序言)
意味空間を読む―歴史・ジェンダー・表象
語ること/解放されること―中国における日本軍性暴力被害の調査・記録に取りくんで)
2 “無告”の声を聴く(坑内の闇に抗して―赤不浄;ハンセン病を生きる―地面の底がぬけたんですより;房総の海を生活の場に―海を渡った朝鮮人海女より;生き抜いた者のリアリティ―サイパン帰りのたま子さん)
3 「大日本帝国」と女性(始動する「同化」―「帰俗」政策のなかのアイヌ女性;「帝国」のフェミニズム ―朝鮮植民地支配と女性;元気な銃後の女たち―国防婦人会、その幻想の(革新)性
「日本婦道」がもたらしたもの―「同化政策」の結末
「記憶」というイデオロギー―満州における日本人女性の経験)
4 日本近代とジェンダー(つくられた「男性」―明治天皇の御真影と男性美;近代的「天職」の誕生―良妻賢母という規範より;「風俗改良」という罠―村の娘たちの近代;労働のジェンダー化―OLの創造より戦時下の事務職;売春女性の生きる権利―赤線従業員組合と売春防止法;明るい近代家族の構築―家族計画運動の多重的意味)
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