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日々ごはんよりずっと前の30代頃に書かれたエッセイ。
今の日々ごはんの文章より、もっとずっとどろっと濃い文章です。
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「日々ごはん」の前身がちょうど文庫本に。より、重みがある。前に進むのに踏み出すための、ぐっとした重さのような。そんな前向きでもないような。
私の名前の由来として、勝手に使わせてもらいたいと思う文章を見つけた。
はぎちゃんにもプレゼントした。
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少し切なくなるような...
大人だけれど何処か子供の自分...の微妙な心のひだを絶妙な言葉で書き表してくれてる。
妙に納得、頷きながら読み進むお布団の中....
大人で少女で、その何とも言えないニュアンスが伝わって....
少し....安心....本音が見え隠れするエッセイ....
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タイトルと表紙に惹かれ、手に取った。
しかし共感するところもあるものの、
読むと気持ちが重くなってしまった...
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高山なおみさんの『日々ごはん』が好きだったので、
文庫化されたこの本を買ってみた。
タイトルが凄く好きです。
ハナレグミの『帰ってから歌いたくなってもいいようにと思ったのだ。』
を先に知ってたのだけど、この本が先なのでした。
解説はクラムボンの原田郁子ちゃん。
フィッシュマン好きつながり、なのですね。
『日々ごはん』はのほほんとしてるけど、
こちらはエッセイはエッセイだけど、なんだかヒリヒリしてた。
30代後半の女性の日々とは思えない程、
思春期みたいにヒリヒリ。
少女のような人なのかな。
自身の若かりし頃のことやバイトの若い子の話が多いから、
そのへんのせいなのかなぁ…。
ちょうど、男友だちが死んじゃった時期だったのかもしれない。
夢の話が多くて、
示唆的な夢をたくさん見る人なんだなぁ…とビックリした。
だから、白昼夢みたいなどろ〜〜んとした重たい気持ちになった。
そのせいか、一気に読むのがけっこうしんどくて、
寝る前に1、2個ずつ読んでた。
でも現実の話はやっぱり好きだなぁって思った。
「ばあさんが」とかなんだか冷たい客観的な物言いが、いい。
べたべたしてなくて、
なんか土臭くて力強い。
料理といっしょだ。
レシピもついていて、そのメニュー名も彼女ならではのセンス。
元々、染め物をしていたとは知らなかった。
結婚しても身軽にひとりで旅したり、映画に行ったり、自由な人。
料理家だけど芸術家、なのですね。
やっぱりとても、魅力的な人だなぁと思った。
けど、やっぱり『日々ごはん』の方が好きかな。
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今日の全ては明日を生きる糧になる。濃厚な言葉のスープ。あぁ、ここには嘘が無いからこんなに染み込むんだわ…と、嘘つきな私がぽつり。
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私は本は買わない主義なのだけれど、そんな私でも
こんなふうに、そばに置いておきたい本にたまに出会います。
それは 自分が忘れたくない大切なものだったり、
ずっとことばにならなくて、
もやもやと自分の頭で考えていることを
うまく言葉してくれている本に出会ったときが
その時です。
自分にもっと正直に生きたい、暮らしたいって思った。
自然に、理由とかなくって、キモチが動くこと、心が動いた瞬間、
その近くに、自分が大切にしているものがやっぱりあるんだって思えた。
それを大切にしようって思って。
人がどう思おうと、自分を信じてあげなきゃって思います。
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時々「あぁ、この本が永遠に終わりませんように…」と
願いたくなるような本がある。
私の場合、随想などで、そういう本に出会うことが多い。
この本はまさしくそういう一冊。
高山なおみというひとの料理本は何冊か持っていて、
地に足の着いた素敵なニュアンスの料理を作る人だな…と
いつも思っていた。
地面からとったものと
海からとったものと、
生きているものをいただいているんだな…という
感じが、彼女の作る料理レシピからは伝わってきて、
実際に作ってみても、
ただ読むだけでも、いい気持ちになれる。
そんな人だった。
高山なおみさんの書いた文章を
じっくり読んだのは今回が初めてだった。
おだやかなような、はげしいような、彼女の姿が透けて見えて、
なのに、全体の印象としては、大きな川のような本だと思った。
大きな川の水は、ゆったりと流れているようにみえても、
実は激しかったり力強かったりする。
そんなことを考えながら、この本を読んでいた。
大好きな本にであった時のクセで、
ちいぽりと読んだり、
気に入った章を何度も読み返したり、
時には、声に出して読んだり、
そんなことをしながら、しばらくたのしんだ。
この人みたいな感覚のアンテナを持って、
この人みたいな文章を書いてみたい。
この人の胸のところでコチコチと動いているに違いない
秘密の時計のリズムと同じスピードで生きてみたい…と思った。
そんな風に、幸せになったり、満ち足りたり、
傷ついたり、シーツの波の中から出られなくなるほど疲れ果てたりしながら
生きてみたいな…と思った。
久々に、全身全霊を持って共鳴した本でした。
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いつも正直に
嘘もなく綴られることば
変にがんばらなくても
生きてていいんだということを
心にすとんと落としてくれる
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日々を大切にするというのは、きっとまさにこういうこと。
大切にするということは、本当なら避けて通れるはずの痛みとか悲しみとも向き合うということ。いろんな出来事に触れた自分の感情を、守りに入らず静かに見つめるということ。
ご自身が「これを読み返せない時期があった」と語っているけれど、それはそうだろう。紙面に、こんなに柔らかい部分をさらしてしまっては。
表紙をはじめ、なんと美しい本だろうと思う。大事にしよう。
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別冊の、日置武晴さんの写真が大好き。
ちょっとショックなくらいに
巡り会いを感じた本です。
思えば、高山なおみ初体験は
レシピではなく、このエッセイなのでした。
それからずっと私は高山さんのファン。
レシピはもちろん美味しかった。
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以前、一度読んだことがある一冊。
読んでいる間に頭の中がグラグラしてきて、うまく自分の中に入ってこなくなる。字面だけ追うようになってしまう。
なんとも言えないそんな印象だったので、
しばらく開いた今、ポツポツと。再読してみています。
そして読み返すごとに、自分に近付いてくる、でもやっぱり遠い一冊。
そばに置いておき続けたい、なんとなく気になり続ける一冊です。
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タイトルと写真に惹かれて読んでみた。
日記風のエッセイなのだが
全体的に、寂しく後味が悪い感じ。
多分単純に、この著者と私の価値観が合わないのだろう。
何が言いたいのかわからず戻って読み直しても
それでもよくわからなかったり
それは違うだろう、と思ったりする部分が結構あった。
これは著者の話ではないけれど
恋人と別れるからと言って貰ったものを全て返してくるなんて
付き合った間には楽しかったこともあったはずなのに
それを全て無駄と考えて無しにしようとしている感じが
結局その程度の付き合いだったのだろうと思ってしまう。
体裁にしても、改行が多く行頭の空白が無い。
横書きで、ネット上のモニタに表示されるblogならいざ知らず
縦書きでこのような書き方をされるのが
新しい試みのつもりなのかもしれないが
どうも違和感と上辺だけの空虚な感じを受けてしまった。
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文章の上手い下手に関わらず、本当に輝く言葉と言うのは、自分の芯から発せられた時に生まれる。それが高山なおみにとっては、"食"であるのだろう。
料理家・高山なおみのエッセイ集。高山なおみに思い入れがあったわけでも、評判を聞きつけたわけでもない。本屋の棚で、タイトルに惹かれて読んだ。
正直、得意ではない文体だった。妙に詩的で、内に向けた私的な文章。これがエッセイと言うより日記であることが理由かもしれない。それ自体は美しい言葉が並ぶ文章は、でもこちらに伝わらず、僕には合わなかった。
しかし、その中で時々宝石のように輝く文章があった。
例えばこうだ。近い人達が恋人同士になった時、高山なおみは映画『バタフライ・キス』を思い出す。
それは、ふたりだけの、まじりけのない恋愛の物語。ふたりは映画の中で食べ物をほとんど食べなかった。インスタントヌードルも食べ損ねたし、食べたのはビスケットだけ。たましいの恋人たちにはビスケットが似合う。ほんのちょっとで栄養になるようなもの。登山で遭難した時に、命をつなぐために食べるような食べ物。
そんな輝く言葉は、いつも"食"に関する言葉だった。もちろんこの、美しい本の題名も。
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食べ物が出てくるエッセイが好きです。食べる話でも作る話でも。
これもそういう話だと思って手に取りましたが、ちと趣向が違いました。ここで描かれているのは著者30代の生活、いや生きる痕跡。生々しいまでに「生」が感じられます。一編一編の話のラストには料理名が記され、巻末にはそのレシピも載っています。話の中にその料理が出てくるという訳でなく、象徴としての料理という感じ。しかし生きることは食べること、食べることは生きること。だから趣向は違うものの僕の望んだ読後感を味わいました。