紙の本
読むにはいいんですけれど。
2009/04/26 00:47
7人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここの仏典(ハビアンの「妙貞問答」を含む)について、手短に紹介しているのはいいが、同じ新潮社から出ている「日本仏教史」みたいに、個々の経典について入手し易く且つ信頼出来るテキストや解説書のブックガイドをつけた方が読者にとって親切なのでは?(「妙貞問答」には教文館から刊行されている「キリシタン教理書」が紹介されているのは、完本として刊行されているのは、この本しかないからだろう)。
でないと著者の意に反して、仏典が一般の読者に対して相変わらず縁遠い存在のままになりそうだから。
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インド→中国→日本へ。
中立的だと思うし、それぞれの宗派の違いもまとまっていて、主だった仏教を俯瞰したいときに良い良書だと思います。
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仏教を知るにつれて、「お経がわからなきゃダメだ!」と思い始めたので、初心者でも読めそうなこの本を読んだ。
なかなかおもしろい。なんとなくお経の歴史がつかめた・・かな。
インドから中国を経由して日本に入ってくるときの変化がおもしろい。
あと、言っていることが学者さんだなぁ。という箇所がいくつかあった。仏教は、やっぱり実践者が語る方がかっこいい。
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仏教に関する知の水先案内人としては、現在、著者に勝る人はいないのではないか。
本書では、とくに第5章-天台智顗の摩訶止観-は圧巻。高踏深遠な内容が理路整然と語られ、経典などに詳しくなくともよく理解できる筆致は見事。
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1度目を卒読し、あまり日をおかず、2回目を精読している。あせらずに、味わうように読むと、さらにまた深みが感じられてきて、興味は尽きない。
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「仏典をよむ」という書名から、主要な仏典の解釈というか、そこに秘められた真理が解説されているのかと思って読んでみたが、良い意味で期待を裏切られた。
つまり、「仏典」そのものの解釈というより、それを包み込む社会的なコンテクスト、説教する側からだけではなく、それを受け止める庶民からの視点を踏まえながら、解釈していくもの。
よって、日本の仏教が世俗的で、葬式仏教になっちゃているのを、単なる堕落ととらえるのではなく、日本の仏教思想がもともと持っていたベクトル(それは説教する側と受ける側の相互作用でうまれるのだが)のなかで読んで行くわけで、とてもスリリング。
あと、結構、ポスト構造主義的な問題意識をベースとした読みもあって、面白い。絶対的な他者としての死者といった視点とか、テクストの脱構築的な読みとか、デリダ的なところもある。また、仏典を現代の問題意識から読むのではなく、それが書かれた時代のなかでの読みをしていくことで、私たちの現代の考え方を相対化させていく試みは、フーコー的。
仏教研究のニューウェブかな?