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伊勢崎さんは今、外語大で平和構築学という授業をしています
伊勢崎さんは「紛争解決請負人」(通称火消し:HIKESHI)
内戦で混乱する紛争地域に乗り込み、対立している武装勢力を説得して、武装解除させる人
平和って、あるものじゃなくて、自分達で作って守っていかなきゃいけないものだった
平和を広告すること!って発想が、おもしろいと思った
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「みなさんは、これから自分の「人生」を自分自身でつくり出していくことになります。誰かに与えられた人生なんてつまらないじゃないですか。同じように、「平和」も自分でつくり出していってください。」
武装解除人伊勢崎氏による、その歩みと世界の現状。
あまりにも冷静に丁寧に、具体的にシエラレオネを初めルワンダやアフガニスタンでの現状が描かれていて、頭を思いっきり殴られたようだった。
そして、「正義」とは?「平和」とは??
という、なんとなくその場しのぎでごまかしてしまいそうな事柄に対して真摯に考えて、読者に考えさせてくれる。
世界の現状には目を覆いたくなるし、本物の「正義」って何なのか、途方のない命題を突きつけられて、苦しくなる。
それでも、眼を逸らさない勇気が欲しい。
人生に立ち向かう、その力が欲しい。
そんな、世界の状況から自分のあり方まで考えさせてくれる1冊。
【10/18読了・初読・市立図書館】
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怖いから武器を持つ、と。
やられる前にやる、と。
そうやって、戦争は始まって、そして、終わらないんだな、と。
武器を持たない勇気をずっと続けていくのは大変だけども、続けていかなきゃないけないんだな。
日本人らしく、日本人として胸を張って。
そして、その事自体が日本を守る方法になっている。これもわかってよかった。
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平和に広告、宣伝の力を使うというのがなるほどと思った。九条を持つ日本人であるということをもっときちんとアピールする。日本人でよかった。
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この本だけでは何とも言えないけれど
「日本人だからできる、平和へのアプローチ」に強い希望を感じた。
憲法9条への理解、世界への発信は
日本に生まれて日本で育った民としてもっと考えてみたい。
「平和を広告する」に関しては具体的な手段や効果について筆者がどのように展開しているのか、他書などでより知りたい。
わかりやすく読みやすく考えやすい良書でした。
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著者の伊勢崎氏は、東京外語大学大学院の教授(2011年現在)。
国際NPO「プラン・インターナショナル」に所属している人。
この本では、シエラレオネでの活動を中心に、武装解除人としての仕事をどのように行ってきたのかを書いている。
RUF(シエラレオネに存在していた斑部総集団、革命統一戦線)とのかけひきの場面を読むと、よくそこまでできるものだと感心する。
著者は「平和維持のための武力は必要である」と主張する。
その答えは、僕自身にはわからない。でも説得力はある。
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「紛争解決人」として実体験に基づいた著作で非常におもしろかった。
民族間の紛争、内戦、テロを終息させるのがいかに困難で、地道なプロセスを要求されるかがわかる。
武装を解除させるためには、武力が必要であると説く筆者は、なまっちょろい平和主義者ではない。
一方で、憲法第九条(戦争の放棄)があるから、日本がテロの対象にならずになっていること、日本のソニー・ホンダなどが世界ブランドであるがゆえに、紛争解決に「日本」「日本人」が動くことが効果的であるとの言葉も重い。
私は平和目的での改憲論者だが、憲法第九条を「平和」のアドバータイズメント(広告)としてもっと活用すべきで、国連に相応額の負担金を拠出している日本が発言力や行動力を高められる、という論調には賛成。
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(2016.06.16読了)(2013.10.07購入)
「14歳の世渡り術」シリーズ
副題「武装解除人が見た世界の現実」
世界の各地で、民族紛争や宗教の宗派対立による紛争が起こっています。
権力闘争による内戦や独立を求める闘争もあります。
どうしたら、殺し合いをやめさせて、平和な社会にできるのだろうか?
シエラレオネ、東ティモール、アフガニスタン、などで、紛争当事者の間で和平合意が結ばれた後の、武装解除の仕事をしてきた著者が、ルワンダやイラクの事例を交えながら、平和のための活動について紹介した本です。
シエラレオネやルワンダについては、後藤健二さんの著作と重なる部分があります。
イラクの内戦は、隣のシリアに飛び火して、ヨーロッパやトルコを巻き込んで、先の見えない状況です。まったく、どうしたらいいんでしょうか?
アメリカ、ロシア、中国、ヨーロッパ(イギリス、フランス、ドイツ)、等の合意がない限り、国連として動くことはかないません。妙案はない物でしょうか。
【目次】
はじめに
序章 「紛争屋」への道
第1章 シエラレオネの内戦
第2章 利用される少年兵
第3章 武装解除の指揮をとる
第4章 国連の「保護する責任」
第5章 矛盾する人道主義
第6章 平和を獲得する新しいメソッド
おわりに
●少年兵の賭け(49頁)
もっとも残酷だったのは、少年兵同士の「賭け」です。対象は妊婦。おなかにいる子どもは男か女か? という賭けです。そして捕らえた妊婦の腹を割いて勝ち負けを決めるのです。その後、妊婦も子どももそのまま放置してしまうのですからどちらも死んでしまいます。
●RUF(革命統一戦線)(50頁)
目の前で親を殺し、その子供を恐怖によって支配してメンバーに加えたり、殺人の罪の意識を無感覚化させるために最初の殺人の時に麻薬を使うという手口も報告されています。
●ロメ和平合意(72頁)
「ロメ和平合意」の中身はというと、RUFが犯した過去の戦争犯罪に対する全面的な「恩赦」と、ファディ・サンコウ(RUFの指導者)をシエラレオネの副大統領に迎え入れるということでした。副大統領兼ダイヤモンド採掘の利権を管轄する鉱山資源開発大臣という地位まで与えたのです。
●紛争(85頁)
人を信じる心があれば、紛争など起きないのです。相手を自分と同じ人間と認めず、敵としてしか見ないから殺し合うわけです。
●武器を捨てるには(93頁)
武器を捨てても殺されることがないという「身の安全」がまず必要でしょう。殺されないという安心感は、お金には換えられませんよね。
☆関連図書(既読)
「ダイヤモンドより平和がほしい」後藤健二著、汐文社、2005.07.
「エイズの村に生まれて」後藤健二著、汐文社、2007.12.
「ルワンダの祈り」後藤健二著、汐文社、2008.12.
(2016年6月17日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
「平和」をもっと広告しなければ、戦争は終わらない。利用される少年兵、悲惨な虐殺、国家の破綻。泥沼化した現場で紛争解決を指揮してきた著者による、新しい平和構築法。
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とかく攻撃の対象になりがちな憲法9条だけど、こういう人がその大切さを述べると、その言には重さを感じる。
でも具体的に憲法9条のどういった要素が、紛争解決に有利になりえるんだろうね。もしそれが「非戦の宣言」ということであれば、9条を改変してもかまわないわけで。
つまり「軍隊は持ちます。でも紛争解決には使いません」でOKなんだよね。
そんなことを考えさせられた本。
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他国での紛争、完全に他人事でした。壮絶な状況が動画のように浮かび上がってきました。平和とは何か、憲法9条をどう読むのか、本当に考えさせられました。著者はスゴイ。本書は「14歳の渡り術」との副題もついていますが、大人にも十分読み応えのあるお奨めの本です。
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なぜ世界平和が実現できないのか?
それには、様々な理由がある。抑圧からの民族解放や自由や民主主義への希求など、まず現状に明らかな不平等や不満が存在している。さらに、民主主義と共産主義という政治体制の陣取り合戦や宗教的民族的紛争もある。そして、武器商人の様な戦争で儲けようとする勢力も。
ロシアのウクライナへの一方的侵攻を目の当たりにしても、国際社会は暴挙を止められない。ましてや、加害国が国連の常任理事国なんて悪い冗談でしかない。
さて、本書は中学年向けに書かれた「14歳の世渡り術」シリーズの一冊です。
筆者の伊勢崎賢治氏は、紛争地域での和平活動が専門です。しかし現状分析が正しくても、方向性が間違っていれば意味がありません。筆者の提案は「日本は憲法9条をもっと広告し、戦争をしない中立国として貢献すべき」ですが、ウクライナは丸腰だから侵略されました。日本の隣国も領土的野心を隠そうともしていません。彼らが手出しできないのは、日本の後ろに同盟国アメリカがいるからです。しかし、日米関係も将来どのようになるのかわかりません。であるなら、侵略されないよう最低限の自衛力を持つべきです。また、自衛力を保持しても、「日本は他国への侵略戦争をしない」と公言すれば中立性は保てます。そもそも世界には、日本国憲法の序文の様に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」という前提が存在していません。平和を祈り唱えるだけでは、残念ながら平和は保たれません。筆者も「平和は願うだけではなく、獲得するもの」と書いています。その方法論に異議ありですが。