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素晴らしすぎます。難解かと思いきや、とてもわかりやすい。特に金融危機の経緯がフローチャートにまとまってるので概略をつかむにもお薦めできます。とにかく読んでみて下さい。
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NHKのロングインタビューでいっきに話題となったじいさん。
その鋭い分析力と歴史を学び今後の資本主義の流れを予見する
その能力は計り知れない。
このたび来日が決まり講演会を開催することとなった。
残念ながら抽選に漏れたので慌てて新刊を購入。
今回の世界的な危機を振り返りながら
今後われわれはどういう行動をとっていかなければならないかを
検証している。
非常にわかりやすく語られていてとても読みやすい。
しかし、語られている内容は非常に厳しいものである。
選択を誤ると戦争になる可能性すら否定していないところには
驚きを隠せない。
保護主義は対策としては選択できる。
しかし、保護主義のもたらす失敗は歴史が証明している。
過去に戻るのではなく新しい秩序を世界的に築き上げる努力が
望まれる局面。
ルールを作る情報を透明化する。
ごくごくシンプルなことがいかに重要であるかがよくわかる。
それがうまくいくと個人の力は最大となる。
プラネットファイナンスを主催し自己の主張を実践している。
なんとも凄いじいさん。
これは金融に携わる者以外のひとたちにも勉強になるであろう。
お勧めの一冊。
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近頃有名なジャック・アタリ。
金融というヴァーチャルな世界は、ひとつひとつ説明を追っていくと、なるほど、そうなるのかもな、と思えるが、やっぱりどこか腑に落ちない。それは正直投資銀行で働いている人たちもそうなんじゃないだろうか。少なくともサブプライムローンがなにか良くわからないけど売っていた、という人は知っている。
最後に、「忘却されがちな、4つのシンプルな真理」として、
1.我々各自が、社会的制限なく身勝手に行動すると、自らの利益だけを追求し始め、その果てに自らの子孫の利益さえも奪い取ってしまう。
2.他者の幸せは自らの利益でもあることに、我々各自が気づいてこそ、人類は生き延びることができる。
3.いかなる種類の仕事であれ、労働(特に利他主義に根ざした労働)だけが、富を得ることを正当化できる。
4.唯一、本当に希少なものとは「時間」である。人々の自由時間を増やし、人々に充実をもたらす活動に対しては、特に大きな報酬がもたらされるべきである。
1~3と、4の前半は賛成だが、4の後半はどうだろうか。人々に充実をもたらす活動に対して報酬が与えられるのは良いが、それは自由時間によってなされるものなのか。むしろ、充実をもたらす勤労時間こそが求められるべきではないだろうか。
本筋からは外れるが、182ページの解説にある、「ノマド」の考え方が興味深い。時代のキーワードとして最近意識しているが、それを3つに分けたところ、企業にも適用したところが面白い。曰く、21世紀にはノマド(遊牧民)が増加する。それには3タイプある。才能豊かな「超ノマド」、生き延びるために移動せざるを得ない「下層ノマド」、そして定住民でありながら超ノマドに憧れ、仮想ノマドになることを恐れてヴァーチャルな世界に浸る「ヴァーチャル・のマド」。さらに、2020年頃には企業もノマド的になるだろう、という。そしてたしかにそんな風潮がある気がする。そういう中でどうして行こうかしらん。
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●日本にはニューテクノロジーの開発力、品質や時代を読む鋭敏な感覚、そして過去の危機という経験など、少なくとも危機から脱出するためのすべての道具がそろっている。
●忘却されがちな4つのシンプルな心理
1)各自が社会的制限なく身勝手に行動すると、自らの利益だけを追求しはじめその果てに自らの子孫の利益さえも奪い取ってしまう。
2)他社の幸せは自らの利益であることに、我々各自が気づいてこそ人類は生き延びることができる。
3)いかなる種類の仕事であれ、労働(特に利他主義に根ざした労働)だけが富を得ることを正当化できる。
4)唯一、本当に希少なものとは、「時間」である。人々の自由時間を増やし、人々に充実感をもたらす活動に対しては、とくに大きな報酬がもたらされるべきである。
●ミッテランはアタリのコンセプトメーカーとしての偉才を評して、「ジャックは毎週100個くらいの新しいアイデアを持ってくる。私のやっていることは、その中から慎重に使えるものを選んでいるだけだ」と語っている。
●アタリは大学卒業から今日まで、毎朝4時に起床、午前7時まで執筆活動を行い、1日12時間は働き、睡眠は3時間程度という生活を続けている。
●フランスのジャーナリストからは「恐ろしく行動的で、非常に気が短い。飲み込みの悪いやつには容赦がない」といった陰口も。
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私のブログへ
http://pub.ne.jp/TakeTatsu/?entry_id=2666637
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金融市場まれに見る恐慌が前半に描かれている。100年に一度の未曾有での出来事が起こった。しかし、今後の対応(日本を含め)が記載されている。
金融市場を排除する形も言葉にはあった。そして、今後訪れる恐怖としては気候変動による問題が書かれていた。事実、地震により被害が出てきており(日本2011/3)経済への復興が時間がかかると指摘もある。
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アタリは、やはりビジョナリーである。金融危機の位置づけ、今後の展開、行うべきプログラムまで巨視的に描かれている。世界観は、やや西欧よりかもしれないが一読に値する。
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ジャック・アタリ御大の著作です。金融クラッシュ後、わずか一年でこれだけ広範な状況分析できるのは膨大な知識に裏打ちされてこそ。しかし、フランスではどんな位置づけの人なんだろうか。まさかフランスの大前研一ってことはないよね、先生?
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少し前に出されたジャック・アタリの訳本ですが、今だからこそ読む必要があると思いまして。
過去の起こった金融危機についてオランダのチューリップバブルからロンドン危機、アメリカの世界恐慌やリーマンショックまで詳しく解説。本の下段に用語解説があり、非常に読みやすい1冊。暗黒の木曜日で有名な世界恐慌って1929年の今日なんですよね。日月神示によると今週末がマヤ暦の最終タームとか。世界恐慌、隕石落下、同時大地震が起こらないことを切に願っています。
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引用した次の「四つのシンプル真理」には深く共鳴した。
・われわれ各自が、社会的制限なく身勝手に行動すると、自らの利益だけを追求はじめ、その果てに自らの子孫の利益さえも奪い取ってしまう。
・他者の幸せは自らの利益でもあることに、われわれ各自が気づいてこそ、人類は生き延びることができる。
・いかなる種類の仕事であれ、労働(とくに利他主義に根ざした労働)だけが、富を得ることを正当化できる。
・唯一、本当に希少なものとは”時間”である。人々の自由時間を増やし、人々に充実感をもたらす活動に対しては、とくに大きな報酬がもたらされるべきである
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金融システムの専門用語がでてくるので理解するのはかなり難しい。この本によって金融危機がまだ終わってなくて、アメリカがなぜサブプライムローンの問題を完全に払拭できないかわかる。アメリカの極端な所得格差は現在でも何も変わらない、また国家、中央銀行による大規模な資金支出、国有化に伴う債務引き受けで、民間の債務が国家債務に変わっただけである。しかし、私が一番感心したのは、第5章・危機の根源にあるもの、それは西洋の根源的価値観である個人の自由にあると言う。個人の自由に基盤を置く市場民主主義は全ての分野で個人の自由を優先させた結果、社会的連帯は影を潜め、優先される価値観を不誠実に変えて、雇用の安定、法の秩序を破壊した。インサイダーといわれる金融関係者は儲けるチャンスは全て自らのために利用した。アタリは行き過ぎた、金融資本主義を法制度に囲い込むことが重要だという。その具体策もミッテラン大統領の特別補佐官であり、ヨーロッパ復興銀行の初代総裁であったため構想力、実務力も際立っている。
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賛同はできませんが、面白い本です。
金融業界の内部にいて、金融資本主義から(働かずに)利潤を掠め取る人々を「インサイダー」と名付けて、彼らを批判しています。
投資銀行経営者、ファンドマネージャー、証券化商品を組成するクオンツなどを念頭に置いているのでしょうか。
善悪の価値判断は含んでいないと書いていますが、かなり感情的な記述も少々見られます。
また、著者及び訳者が金融業界の用語や会計処理には精通していないためか、ところどころ誤解や理解不足(IFRSのくだりなど)と思われる部分もありますね。
「人類の88%は金融機関にマネーを預けることができない(預金口座を持つことができない)、人類の63%は融資や保険などの金融サービスを受けることができない」との記述もありました。これは興味深いです。
金融市場の規制強化、ただし、官僚の裁量ではなく、公正で情報開示を持ってする資本市場の発展が必要。貧困は金融市場の発展で解消できるというのは私の考えとして変わりません。
社会主義的な規制強化やオキュパイの連中への同情など、とうてい賛成できないことも書いていますが、面白い一冊です。
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資本主義あるいはバブルの歴史を振り返り、資本主義消滅一歩手前までのカウントダウンを克明に描きその背景を説く、そしてその後の世界を描き問題点を挙げその処方箋を提示する。
2009年9月の発売された本が積ん読になっていたのを発見し、読んでみたものの今さら感が漂う^^;他のリーマンショック関連の書籍と同様金融をやり玉に挙げて規制強化を謳っているのだが、地球規模でとの主張が斬新。
更に、金融だけではなく、労働問題、社会保障そして産業の振興など話は多岐に及ぶ、世界が密接に結びつき少なくともネットでの繋がりでは地球村とも言える今日、このレベルでコントロールする必然はある意味良く分かる。
ただし、日本人から見ればとても文化的に近いと思うヨーロッパでさえあれほどの困難に直面しているのを見ると、地球規模などとても気の長い話になりそうだ。先ずは地球規模でものを考えていくことから始めることかな。
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第七章が面白い。
携帯電話による金融市場の潜在性は今後注目したい。
追記部分のアタリインタビュー
今後日本が財政再建するには、
短期的には「歳出削減」と「増税などによる歳入の拡大」、
長期的には「経済成長力の回復」と「人口増加政策」
とある。