紙の本
放送が終わったアニメもよかったけれど、小説のほうも絶好調。維新の最高傑作?――私はキメ顔でそう言った。なんてね。そしてなにより、あとがきに素晴らしい言葉が・・・
2009/11/06 19:59
3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アニメ化されたおかげで、随分売れているんじゃあないでしょうか、『化物語』シリーズ。勿論、この『偽物語〈下〉』も、字面の印象とおり、同シリーズの一冊です。一昨年に読んで、その面白さに驚愕し、『刀語』全12冊を買わしめた『化物語』については、なぜか書評の筆が進まず、メモのまま放置されていますが、その後、数多くの維新作品を読んだ私としては、このシリーズが今のところ彼のベストかな、って思っています。
小説もですが、アニメの質の高さも生半可ではありません。回によって手抜き気味のところはあるし、使いまわしはするし、CGは多用するし、普通だったら文句を言われるところが、シャフトの手にかかるとなんとも上質のテクニックにしか見えない。静止画を多用するので同じ長さでもデータ量は少ないという驚異的なもの。
その結果生まれた画面の美しいこと。戦場ヶ原ひたぎのクールビューティぶりの凄さ、まさに脱帽です。それにしても、あの画面構成はなんといったらいいか、静止画の美しさと斬新さ、深い色合いと相俟って、まさにタブローが連続しているような見事さ。あ、いかん、書評ではなくアニヒョウしてる・・・
というわけで、函の言葉です。
*
“ファイヤーシスターズ”の参謀担当、阿良々木月火。
暦の妹である彼女がその身に取り込んだ、
吸血鬼をも凌駕する聖域の怪異とは!?
VOFANの“光の魔術”は鮮やかに花開き、
西尾維新が今、“物語”を根底から覆えす―――
これぞ現代の
怪異!怪異!怪異!
青春は、にせものだけでは終らない。
*
ついでにシャフト並みの手抜きをして、出版社のHPからコピペをすれば
*
ふたりめの妹は、世界の終りを宣告する。
「こんな偽物だらけの世界は滅んじゃっていいと思うんだよね、お兄ちゃん」。
暦の妹である阿良々木月火がその身に取り込んだ、吸血鬼をも凌駕する聖域の
怪異とは!? 『偽物語』堂々完結。
*
とあるように、今回の主人公は阿良々木月火です。シリーズ主人公である阿良々木暦の下の妹で、中学二年生。四月頭に誕生日を迎えて十四歳。髪型をよく変えて、外見が中身を裏切っている少女です。小柄な体躯で、ゆっくりとした口調でしゃべるものの、姉より攻撃的で、怒りっぽさはヒステリー的、暴力的トラブルをよく起こします。姉の火燐と行動をともにする“ファイヤーシスターズ”の参謀担当です。
ちなみに、歴の上の妹が阿良々木火燐、中学三年のジャージ女で高校生の兄より身長、体重、格闘技において勝っています。六月末に誕生日を迎えて十五歳。小学生の頃から、髪型はおおむねポニーテイル。ただし、造形的には可愛くないらしい。格闘技をしているために姿勢がいいものの、スカートをはかず、日常生活はおろか通学もジャージ姿。直江津高校二年生の神原後輩に憧れています。
維新の話に共通して言えることですが、全体の構成よりも部分が面白いです。個人的には火燐と暦が近親相姦寸前まで戯れてしまう003章が一番好きです。次は、007章の忍と暦のミスター・ドーナツ談義。次女に言わせると、維新は私が読んでいない他の作品で、同様の趣向を見せているそうですが、楽しみました。逆に会話のわりに面白くなかったのが、005章の八九寺真宵と暦のカミながらの会話でしょうか。
カワイイ新キャラでは、なんといっても
――私はキメ顔でそう言った。
と、毎回会話を締めくくる斧乃木余接がいます。一見小学生風ですが殆ど無表情な子どもというのがいいです。それと影縫余弦です。涼しい表情をした、ショートカットの女性で、容姿に関しては今ひとつはっきりしませんが、郵便ポストの上に直立して登場するというのは、アニメにしたら面白いだろうなあ、って思わせます。年齢は二十代後半で京都弁というのは維新にしてはレアな設定かも。
詐欺師の貝木泥舟についていえば、お、また出てきたか、っていう感じでしょうか。もっと悪いことするかと思っていたら案外フツーなので逆に期待はずれだったりして。ここらの読者心理は同じシャフトが手がけたアニメ『絶望先生』に詳しいです。あの、分析は見事だった。この小説に関係ないですけど・・・。
それと嬉しかったのが、あとがきの最後に
*
あと、すいません、この本、最終話って謳ってますけど、ごめんなさい、なんだかあと二話ほど書くことに今決めました。八九寺真宵と羽川翼のことが気になる方は、引き続きお付き合いください。さあ、何人くらいいるのかな?
*
とあるのと、巻末の広告の
*
2010年発売決定!!
西尾 維新 ILLUSTRATION/VOFAN
NISIOISN
蘇る武者と迷子の少女。はしゃぎ戯れ舞い踊り、終には傾く物語。
傾物語
第閑話 まよいキョンシー
それは誰かに禁じられた遊び。人が獣に至る物語。
猫物語
第禁話 つばさファミリー
*
ですね。もう、買うっきゃない!
最後はデータです。
最終話 つきひフェニックス
BOOK & BOX DESIGN VEIA
FONT DIRECTION SHINICHI KONNO (TOPPAN PRINTING CO.,LTD)
ILLUSTRATION VOFAN
本文使用書体:FOT-筑紫明朝ProL
001~013の13章、あとがきという構成、書き下ろしです。
投稿元:
レビューを見る
あいかわらず面白すぎる。
これで終わりではないらしい。
書き始めたら止まらない感じなんだろうか。
投稿元:
レビューを見る
終始変態プレイの連続でした。
スタバで読んでる身にもなって下さい。笑いが(笑
本筋はちょっと物足りないけど、西尾節はいつも以上に面白かったです。
投稿元:
レビューを見る
「物語シリーズ」の第3作の下巻。
上巻がかなり面白かったので、かなり期待してたのですが・・・
まあ、この巻にも、「八九寺真宵」と「神原駿河」が登場するのでそれなりには面白かったのですが・・・
ただ、今回は、「神原駿河」はちょっとしか登場しないし、「戦場ヶ原」は全く登場せず、「羽川」も電話でちょっとだけ登場。
「八九寺真宵」との絡みもなんか今回はいつもと比べてちょっとギャグが「すべってる」感じがした。
まあ、主人公の妹が中心の話なのでとは思っていたけど、上巻で「上の妹」の話の時はかなり面白かったのに・・・
下巻の「下の妹」の場合には、下の妹自体がそんなに登場しないし・・・
(何故か上の妹の方が登場するシーンが多い気がした)
後、話の冒頭で、このシリーズもこの本で最後のような記述があったが、後2冊は出す予定らしいですね。
1冊は、「八九寺真宵」の話で、もう1冊は、「羽川」の話みたいですね。
まあ、そちらに期待してみたいです。
投稿元:
レビューを見る
買ったよー!読んだよー
上より「後日談」な感じが強くなってたね。
直接は出てこない登場人物がたくさんいたのが寂しかった。
面白かったけどさ。
て言うか後2冊書くんですか?
投稿元:
レビューを見る
内容紹介
ふたりめの妹は、世界の終りを宣告する。 「こんな偽物だらけの世界は滅んじゃっていいと思うんだよね、お兄ちゃん」。阿良々木暦の妹・月火が実行する、燃え盛るような正義とは!?『偽物語』堂々完結!
内容(「BOOK」データベースより)
“ファイヤーシスターズ”の参謀担当、阿良々木月火。暦の妹である彼女がその身に取り込んだ、吸血鬼をも凌駕する聖域の怪異とは!?VOFANの“光の魔術”は鮮やかに花開き、西尾維新が今、“物語”を根底から覆えす―これぞ現代の怪異!怪異!怪異!青春は、にせものだけでは終らない。
投稿元:
レビューを見る
「200パーセント趣味で書かれた小説です。」のうたい文句通りの、勢いと言葉遊びが楽しい小説。
・・・いや、小説なのか?(´w`*)
戦場ヶ原ひたぎの更生ぷりが気になる一品です。
投稿元:
レビューを見る
西尾さんの小説はいつもノンストップですが
今回はそうでもなかったかな…
というか事件起こるまでがちょっと長く感じたな。
しかし間違いなく変態小説です。八九寺ちゃん好き。
投稿元:
レビューを見る
阿良々木くんの変態ぶり、ここに極まれり!いや、最後は超絶格好いいけどさ。出番はなかったがドロったひたぎさんが激しく見たい。
投稿元:
レビューを見る
▼テーマ的にはこっちのが(上)より重かった。「ニセモノ」のが価値があるよねっていう話。
……やっぱり、何らかのトラウマでもあるのか、その「ほんもの」という言葉に。『蹴語』も、「ほんもの」に「ニセモノ」が勝とうとする話だったよね?
▼さて。私は「ほんもの」と「ニセモノ」の差について、あまり考えたことがない。自分が「ほんもの」か「ニセモノ」かということを、問題にしたことがない。
「ほんもの」になろうと思って闘ったこともない(頑張ってなれるというものでもないしね)。ただ、「ほんもの」があるのは知っているし、そういうものを見定めたいとは、思うけど。
▼何だろう……こういうことを考える人間がいるのか、という衝撃はあった。でも、まだちょっと、私の手に余るかな。使い方がまるでわからない。
▼私は、もし誰かに「自分のことを、ほんものとニセモノ、どっちだと思いますか」と聞かれたら、「どっちでもないしどっちでもいいです」と答えそうな気がする。ニセモノでも、気に入っていたら、そのまま飾りそうな気がするよ。
▼例えば、骨董の贋作は、製作者側の悪意によって作られているので、鑑定者は非常に低い価格をつけるって話がある。貝木泥舟は多分、贋作を作る側の人なんだろうね。ある意味彼は、「ほんもの」を志向する人間の心と、常に闘っていると言えなくもない。私は、絶対に「ほんもの」の方が価値があると思う。でも、「ほんもの」が存在する以上、「ニセモノ」は蔓延り続けるでしょう。だって需要があるもの。
▼やっぱり、「ほんもの」を見、自分のことを強く「ニセモノ」と認識してしまった人が書いた話なんだろう。かける言葉があるとすれば、
「ほんものはほんものであるのではなく、ほんものになるのだ」
ってところで。お後がよろしいようで。
(09/7/29 読了)
投稿元:
レビューを見る
“ファイヤーシスターズ”の参謀担当、阿良々木月火。暦の妹である彼女がその身に取り込んだ、吸血鬼をも凌駕する聖域の怪異とは!?VOFANの“光の魔術”は鮮やかに花開き、西尾維新が今、“物語”を根底から覆えす―これぞ現代の怪異!怪異!怪異! 青春は、にせものだけでは終らない。
偽物語の下巻…阿良々木さんの妹、阿良々木月火ちゃんの話。
の、はずなのですが、本編でほとんど月火ちゃんは出てきません。
むしろ火憐ちゃんの方が多く出てきているかもしれません、歯磨きのシーンとか。
いくらなんでもそれは…というくらい出番がありません。
その点を除けば、概ね面白いです。
キャラ達の掛け合いは勿論いつものように面白いですし、新キャラもとても個性的な面々で、続きが読みたくなる内容です。僕はキメ顔でそう言った。
本当に西尾維新さんの本はいつも、続きが気になって、ページをめくる手が止まらないんですよね、大抵は一晩徹夜して読み切ってしまいます。
そういう文章を書く事の出来る西尾維新さんはとても素晴らしいと思います。
投稿元:
レビューを見る
なんというか意外なことが起こったのです。
まさかこんなこととは!!
暦のちっちゃい妹・月火ちゃんのお話です。
といっても、月火ちゃんが何かするわけではないっていう・・・。
美しき兄弟愛の物語。
そしてまさしく偽物の物語!!
投稿元:
レビューを見る
本物と偽物は対の言葉として挙げられるけれども、偽物が本物になって、本物が偽物になることもあるよね。という話。
火憐の可愛さに始終萌える素晴らしい回でした!
戯言シリーズの2巻目でも本物と偽物に関する命題を書いていましたね。西尾維新の専売特許なんでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
○2009/09/03
惚れてまうやろー!
カッコイイ暦兄貴が惜しげなく見れた。なんで妹たちのためとなるとあんなにカッコ良いんだか。妹押し倒すような兄のくせに(笑)
今回もかなり笑える部分がたくさんあって楽しかった。いいぞ西尾もっとやれ。続編にかなり期待。ただ最後の最後で人編外すのね、と思った。
いまだに妹らをちゃん付で呼ぶアララギくんという像を確立できずにいるんだが、でも楽しく読めた。いろいろな意味で。話的にも、タイトルとなってる偽としての月火ちゃんがいいね。っていうか兄妹3人のさらっとしつつねばっとした関係がイイ。
以下爆笑点抜粋。
アララギくんの小学生のころの勘違い。緊急避難時の三原則『おかし(=幼い、可愛い、少女)』
”「あのう――木々良々(ききらら)さん」”
”「失礼。噛みました」「違う。わざとだ」「はにかみました。えへっ!」「可愛すぎる!」僕も驚きのリアクションを取ってしまった。”
”「ぱないの!」(忍)”
”「二度と来る気はなかったから、一度は来たのさ」”
”「ここの店舗でしか使えない割引券を持っていたことを思い出したのさ――それを使うために戻って来たのだ」(貝木)”
ノリ突っ込みの火燐ちゃん。というか今回八九寺をしのぐほど火燐ちゃんの勢いがすごかった気がする(笑)
またこのバカな掛け合いが読めると思うと楽しみな限りで。更生したガハラさんが気になるぜ。
投稿元:
レビューを見る
読了
作者的には89寺さんとあらららららぎさんの絡みは筆が進むんだろうなあ、と思った
上下あわせてもあらららららぎさんはHENTAIすぎる…