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ほおずき地獄(光文社文庫)

ほおずき地獄 みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー36件

みんなの評価3.9

評価内訳

36 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ヒーローはリアリスト

2010/11/20 16:23

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

なにがおもしろいかって、玉島千蔭のお見合いに、水木巴之丞が乱入する場面だ。正燈寺の紅葉狩りに来た、千蔭と千次郎、彼らが奉行所で世話になっている青野籐右衛門とその姪のお駒、そして、千蔭ゆくところ必ずついてゆく小者の八十吉と、青野家の中間。そこへ現われた巴之丞、あでやかな姿で、つややかな声を千蔭にかけて、あまつさえ、千蔭の胸に手を当てて、

> 「最近、お見限りではございませんか」

千蔭以外、皆、鳩が豆鉄砲を食らったような顔。千蔭はまだ、ことの重大さがわかっていない。

> 「こんなところで、可愛らしい娘さんと会うてらっしゃるなんて、憎らしい人やなあ」
> 手をそっと、千蔭の袖の中に忍ばせる。

ここに到ってやっと千蔭にも、ことの重大さがわかったが、そのときにはもう、青野籐右衛門が真っ青になって、お駒に「帰るぞ!」と怒鳴って、手を引いて行く、お駒は振り返り振り返り引き摺られていく。

おかしくて、おかしくて。

この、千蔭のお見合い話と、吉原の幽霊騒動とが、同時進行で語られる。幽霊は消えるとき、遊女が着る赤い襦袢の生地の縮緬で作ったほおずきを残す。千蔭もそれを手に入れた。

千蔭は、幽霊とは人の心が生みだしたものだという。巴之丞もそれに賛成し、だからこそ狂言になるんだという。

ふたりはこの認識で一致して、やがて別々に同時に、幽霊騒動の謎を解く。前の『巴之丞鹿の子』でもそうだったが、南町奉行所同心玉島千蔭は、その優れた頭脳で、犯人を割り出すところまでは行く。その先は、巴之丞が仕掛ける狂言によって、真犯人が自ら心の中を曝け出して罪をあからさまにするようにもっていくのである。

この近藤史恵の『猿若町捕物帳』シリーズの水木巴之丞は、京極夏彦の『巷説百物語』シリーズの御行の又市、またの名を小股潜りの又市と、よく似た感じのヒーローである。まずふたりとも、ハンサムである。それから、走るのは早いが、力は弱い。武闘派ではなく、頭脳派である。そして何よりも、彼らの徹底したリアリズム、現実認識、合理主義と、それに基づく仕掛け、狂言の巧みさである。

水木巴之丞は、『巴之丞鹿の子』の冒頭の会話で、

> 「芝居はただの芝居。全部うそごとや」

と言い切っている。

『巷説百物語』の御行の又市もまた、魔除けの札を巻くことを生業としていながら、この世に神も仏もなく、幽霊も妖怪もいないと言い切っている。

それでいてこそ、彼らは、自在に、幽霊を出し妖怪を操り、人が心の奥に秘めた想いや罪を露わにさせることができるのである。

ちなみに、『猿若町捕物帳』も『巷説百物語』も天保時代の物語である。

『ほおずき地獄』では、冒頭に、少女の独白が置かれている。この少女、お玉は、格子のある部屋のなかにいる。彼女の独白は何度も出てきて、物語の中程で、火事で火の粉と煙に巻かれるまで続く。幽霊騒動の続く吉原では、お玉を屋根裏部屋に閉じ込めて縄でぐるぐる巻きにして、火事が起こった時に見捨てて逃げた夫婦が、惨殺される。

だが、吉原が火事になったのは、五年前なのだ。なぜ五年もたってから化けて出るのか?

一方、吉原の外では、両国橋のあたりに、「花子」という名の、白髪の夜鷹が出没して、それなりに客もついているという。

花子は、物語の終盤で語り唄う。

> 「こうして、ここに立っていれば、風は心地いいし、月はきれいだ。明日になれば、あたたかいお天道様は出るし、雨の音を聞きながら眠るのも気持ちいいものだ」

> 「我も五障の雲晴れて、真如の月を眺め明かさん」

ものすごく残酷な物語、絶望と裏切りの物語が繰り広げられていたのに、一方では、許しと感謝、知恵と自由とが謳いあげられていた。それは、役者が演じる狂言ではなく、まことの人生の場で語られた。

円空や木喰といった人たちと似たような心境なのかしらんと思う。でも、私は、だいじょうぶかしら、ひどい病気になったりしてつらいことになるんじゃないかしら、と余計な心配をしてしまう。美しい終わり方の、寂しく、こわい物語だった。

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紙の本

女は凛と前を向く

2009/07/31 20:41

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る

 男前だけど、世事にうとい同心玉島千蔭シリーズの2作目。

 吉原に、ほうずきの縮緬細工を落としていく幽霊が出るとうわさがたった。その騒動の中で、幽霊がでたという茶屋の主人と女将が殺された。

 1作目の巴之丞のインパクトが強かったので、玉島と巴之丞の2人コンビで事件を解決していくのかと思ったら、ちょっと違った。巴之丞もちゃんと出てくるけど、あくまで色添えといった感じ。
 その分、玉島の不器用だけど実直な、そして優しさが、全編を彩っている。

 幸薄い女の独白がはいっていることで、事件の根底は垣間見える。だから、トリックとか推理性を求めていると物足りないと感じるかもしれない。そこに至る経過にも、無理がないと言えなくもない。
 
 けれど、物語を彩る女性たちの背筋をただしたような生き方の前に、そういう小さいことはどうでもいいんじゃないかと思えてくる。
 多分、近藤史恵が描きたかったのは、そういう女たちだったのだろう。

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紙の本

縮緬のほおずきを追って

2009/07/19 12:31

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かつき - この投稿者のレビュー一覧を見る

猿若町捕物帳シリーズ2冊目。

吉原に幽霊が出るという噂が流れるのですが、
姿を消した後、縮緬細工のほおずきをひとつ、
残していくという風変わりな幽霊。

吉原の幽霊とくれば、遊女と相場は決まっていますが
実際に縮緬のほおずきが残るのだから
これは幽霊ではないと、同心の玉島千陰は見当をつけ始めます。

一方、両国橋近くでは、白髪の夜鷹が現れるという噂が流れます。

遊女や夜鷹の暗い面を目立たさせ、
独特の陰影のある捕物帳に仕上がっています。
さらに幽霊が出たお茶屋の女将と主人が殺されます。

そこに唯一、華やかに登場するのが、千陰の見合い相手のお駒。
ずけずけと物を言う17歳の娘は、
千陰の知り合いの円之丞に浮かれ、芝居に浮かれ、
最後には想像を超える結末となります。
(これを知っていても楽しめました)

ミステリーのレベルも高く、千陰の恋愛話も楽しめます。


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紙の本

野暮天同心

2017/05/28 21:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

男前だがちょっと野暮な同心・玉島のシリーズ。生真面目な当人なのにとびきりの美男美女たちが絡んで華やか。その華やかさに戸惑っている玉島がいい味出してる。

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2009/08/18 17:18

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2012/09/25 04:08

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2012/10/14 02:06

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2011/12/25 16:39

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2016/07/10 01:42

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2018/09/17 08:39

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2010/02/26 23:12

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2018/01/08 19:33

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2010/06/24 22:10

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2009/11/05 23:32

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