紙の本
治癒島を読まれた方は是非是非
2009/08/30 19:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
何気に好きな作家さんであるセバスチャン・フィツェック。
今回のサイコブレイカーは現在出されている作品の中でダントツの好みでした。
独断的に判断してです。
いきなり冒頭部分で肉体的に残酷な拷問描写から始まり、一気にそれを覆す精神的破壊場面。
サイコ好きにはたまりません。
そうやって惹きつけるだけ惹きつけた精神を破壊するサイコブレイカーの事件は、この小説の中に組み込まれた物語です。
しかもなんとその小説の作者は「ラーレンツ」。
粋な計らいですよね。
治癒島からの読者はそれだけでなんか嬉しくなってしまいます。
とはいっても、もちろん「治癒島」を読んでいないので楽しめないというわけでもありません。
しかししかし、最後まで読んだ結果「治癒島」を読んだ方はこの作品を読まないともったいないなぁと思います。
私たち読者はこのラーレンツの書いたと思われる小説の方を主に読んでいきます。
この物語を読んでいく作業こそが一つの人体実験となっている・・・というのがこの小説の内容で「???」と思わずなってしまいますが、とにかく読まなくては始まらないっ。
読んでいく途中で
「文章の一つ一つにヒントが隠されている」
とは言われるのですが、ヒントがどこなのか、それどころか何が謎なのかすら全く検討がつかない私です。
そして「きたきたぁ~!」話題となっている黄色い付箋発見!
でもちょっと思うのですが、この付箋って本当にこのページなんでしょうか?
書店で誰か張りなおしたりしていませんか?
なんて疑問に思っちゃったりすること多少。
あまりページは関係ないのでしょうか?
私の読んだ本には201ページに挿んでありました。
最後までしっかり読んでやっとこの付箋の意味がわかります。
本当に捨ててしまわないように注意してくださいね。
付箋とその使用方法などとっても楽しい趣向が凝らしてはありますが、もちろんサイコスリラーとしてとても読ませる作品でした。
セバスチャンらしさもかなり出てきているのではないでしょうか?
ラーレンツの書いた物語、その物語を読むという内容の小説。
それぞれに二度びっくりして二度「そうなのかぁ」と納得いたしました。
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ネタ先行型のそのネタが面白そうなので手を出してみた。そして案の定反省する羽目になった。いい加減学習しなさい、と。この作家とはだんだん合わなくなってきている。相手のことを知ろうとすればするほど幻滅していくような。
サイコミステリは嫌いではない。精神病院も大歓迎。ただしこの作家の場合、精神病院を舞台にすることによって、ミステリとしての定義をご都合主義に拡大しているように思えてならないのだ。人格にトラブルのあるキャラは何をしても許されるわけではないだろう。ミステリ作家として、この辺の解釈が甘いようにも思える。そこが合わない。
サイコブレイカーの動機は説得力があるし、そんなところにループするのかといったプチ・サプライズもあり、着地はうまくまとめてあるが、ストーリーに入っていけない。縄跳びをしていていつ輪の中に入ろうかタイミングを計っているうちに終わってしまったような、そんなどうでもいい残念さが残って少しもやっとした。
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物語が多重構造になっているのも分かったし、読者に何を求められているのかも分かったけど、ページ数表記で途中抜けていることの意味がわからない。物語もあからさまに続き読ませようとしていて食傷気味。
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何がなんだかわからないジェットコースターのような展開のうちに、どんでん返し。そして、読者も関わる実験の秘密。トリックが可能なのか否かは、?ですが、読者を驚かすサービス精神が旺盛で楽しめます、笑えます。
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あらゆる仕掛けが徐々に作動していく。
読み進むうちに登場人物全員が怪しくなり、最期にはフィツェック特有の裏切り。
次回作にも期待したい。
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いちばん最初に読んだフィツェック作品です。
正直それほど面白くありませんでした。
仕掛けが多いのはすばらしいけれど、内容がつまらなかったです。
前作全部読み終えた今ならもっと面白く感じるかな???
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週刊誌の書評で
かなり評判が良かったので
借りて読みましたが
すみません。
私には、もうひとつでした。
よくある話の
よくあるオチでした。
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映画のようなミステリー。展開もよくて、ぐんぐん引き込まれた。特に読み手に仕掛けるところなんか憎い♪(´ε` )
実際手にしてみてワクワクする本でした。
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読書時間もちょうど3時間。起承転結のはっきりした米映画を見ているようだった。
教授が学生たちにカルテをただ読ませるという実験を行う。そこには、女性の精神を破壊するサイコブレイカーなる殺人鬼の物語が。記憶喪失の患者カスパル。ある日入院先の医師ソフィアに一目ぼれするが、ソフィアもまた被害を受ける。そこへサイコブレイカーと目されるブルックがやってきてー。本当の犯人はソフィア。娘のことでカスパルを恨んでいたのだ。最後に教授=カルパルだということもわかる。
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最後の教授によるパトリックとリュディアへの講釈があったため読後、理解できたけれど、フィツェックの張り巡らせたあらゆる仕掛けにまた、翻弄させられました。講釈、ではなく「カルテ」を読ませるという実験・…だそうで。
理解?いえやっぱり理解はできていません。
精神を破壊させるという犯人の意図が種明かしされると納得できましたが、その過程は怖い。
次々と人が消えてゆく、壊れてゆく様はまさしく、サイコスリラー。
ただ、前3作に比べてドキドキ感が無かったのは驚かされるぞぉ
と構えすぎていたからなのでしょう。
次、これを読む方(貸す予定あり)付箋紙ははがさないでね。
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雪に閉じ込められた建物、しかも精神病院、残された謎の手記、もろ本格ファン好みの設定。真相の意外性はこの作者にしては、まあまあかな。謎を残したまま終わるって、最近のミステリの流行りか。
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ベルリン郊外の精神病院
カスパル:記憶喪失患者(本名、ニクラス・ハーバーラント)
ソフィア:精神科医
スピードよく読めた
やっぱ、S・フィツェックの訳は赤根洋子が読みやすい
この付録(黄色の付箋にアドが書いてる)めっちゃいいと思います!
でも私にはとてもじゃないがメール送る勇気ないよ~w
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「治療島」と同じ作者だったので。
この作者には治療島でだまされた(?)ので、
今回は用心していたのか、それほど意外な展開ではなかった。
物語を心理的実験のカルテにするという入れ子の構造は必要だったのだろうか?
読者が参加させられてしまう、という手口にもとくに感心も、驚きもなかった。
もともとは付箋がついていたらしいが、それは面白いかも。
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面白かった。
物語の背景、登場人物の関係性の一部は察しがついたが、あれがそれにこう関わっていたとは。