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紙の本

兄弟たちのメリー・ローズへの愛

2009/10/03 11:31

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:めるる - この投稿者のレビュー一覧を見る

1860年ニューヨーク。路上で暮らす四人の少年アダム、ダグラス、コール、トラヴィスはある夜ごみ溜めに捨てられていた女の赤ん坊を見つけます。彼らは青い瞳をした赤ん坊をメリー・ローズと名づけ、自分たちの手で守り育てることを誓い合い、フロンティアを目指して西部へと旅立ちました―。それから19年後、美しく成長したメリー・ローズは寄宿学校を卒業し、最愛の“四人の兄”が営むモンタナの牧場へ帰ってきました。町の雑貨屋でハリソンと名乗る逞しい男と知り合った彼女は、都会から来たばかりだと告げる彼に、無法地帯での掟を知るまで牧場に身を寄せるように言いいます。彼の隠された使命も知らずに…。

プロローグでグッと胸をつかまれた感じでした。メリー・ローズのために家族になろうと誓う場面でしょっぱなからウルウルさせられました。

そして各章の最後に書かれているママ・ローズへの手紙で兄弟たちの成長も垣間見れ、とても良かったです。

けれど・・・、またしてもヒロインにイライラさせられてしまいました。
メリー・ローズは不器用な人間やつまはじき者、心に傷を抱えた者を放っておけない性格で、彼らを守るためなら危険をものともしない勇ましい女性なのですが。
優しい心を持っているのはいいのですが、あまりそれが前面に出ているとうんざりするのも確か。ハリソンが彼女を守るために激怒するのを見て、彼は発作を起こしてるなんて信じているのは理解できなかった・・・。

そして、メリー・ローズの元ルームメイトのエレナにもイライラ。よくあそこまで我慢できていたなと思います。初めからガツンとやってやればよかったのに・・・なんて思ってしまいました。まあ、ハリソンの計画した出来事で改心できたかな、と思えたけれどやはり好きにはなれず・・・。

ところで、メリー・ローズとハリソンの恋模様も気になるところですが、上巻では兄弟たちとメリー・ローズの家族愛、信頼関係が描かれていて楽しかったです。しかし、ハリソンがやって来た目的を話すまでが、ちょっと長すぎたような気もします。
プロローグが良かっただけに、テンポがゆるめで残念でした。

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