紙の本
ブレインバンクに関心を持ちました
2016/12/16 07:46
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投稿者:どらのみい - この投稿者のレビュー一覧を見る
「この本を読んだらうつ病が治る」というような本ではないので、面白いと思いました。
著者が訴えているのは、ブレインバンクの必要性です。ブレインバンクについて、著者は「生前に篤志に基づいて登録された方が、天寿を全うされた際に献脳していただき、これを大切に保存し、研究に役立てるシステム」と説明しています。うつ病の原因を探求するために死後脳を研究するのです。
精神疾患の脳研究が進展していくことを期待しています。
紙の本
うつ病の神経科学
2018/08/04 15:25
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投稿者:病身の孤独な読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
うつ病の神経科学的知見に特化した珍しい新書。現在でこそ増えてきているが、本書程しっかりと実証的研究結果に基づいたレベルで簡単に読める書籍は少ないと思われる。
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うつ病研究の最先端が分かり、知的好奇心を満たすとともに新しい治療法への希望がわいてくる。
分からないことは分からない、研究課題だとしており誠実な態度。
東大闘争が大学病院の精神病研究に30年の停滞を招いたとある。サヨクの黒歴史がここにひとつ。精神病は存在しない。精神病は弱者を抑圧するために社会が作り出したシステムだというトンデモ理論がかつて横行していたことは記録しておくべき。
うつ病研究の発展には研究者の努力もさることながら、社会の要求も高まる必要があると著者は訴える。自殺者の多くが罹患しており、少なくない割合の勤労者が休職や失職に追い込まれるこの病気は、もっと世間から注目され、対策や救済の機運が盛り上がってほしい。
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うつ病の患者団体が厚労省に陳情に行くという事態は今のところ起きていない。
脳は機能の脳と同じでない。毎日新しいことを経験し、経験から学習する。これは脳が環境に合わせて変わっていくから。
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[ 内容 ]
日本のうつ病等の気分障害患者が90万人を超えた。
だが、病因が解明されていないため、今のところ処方薬も治療法も手探りの状態にならざるを得ない。
一方、最新の脳科学で、うつには脳の病変や遺伝子が関係することがわかった。
うつの原因さえ特定できれば、治療法が確立できる。
今こそ、最先端脳科学と精神医学を結びつける研究環境が必要だ。
うつ研究と脳科学の世界最新情報から、今後、日本がとるべき道までを示した、うつ病診療の未来を照らす希望の書。
[ 目次 ]
第1章 現代の社会問題としてのうつ病
第2章 うつの現在、過去、未来
第3章 脳科学の到達点
第4章 うつ病の脳科学1―うつ病の危険因子と脳
第5章 うつ病の脳科学2―抗うつ薬の作用メカニズム
第6章 うつ病の脳科学3―エピジェネティクス仮説
第7章 うつ病の脳科学4―臨床研究
第8章 日本のうつ病研究の現状
第9章 日本の脳科学研究の現状
第10章 残された課題―うつ病の死後脳研究
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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「国というものがなんだかよくわからない」といった首相がいたようですが、うつ病の原因は究明されているとは言いがたく、手探りの状況であることをこの本を読んではじめて知りました。
診療内科医に対する患者や家族の不安や不満は、こういった現状を知らないことにも一因がありそうです。
とはいえ、日本における脳科学の研究が世界の先端をいっており、解明が進めば原因がつかめそうなところまで迫っているというのは希望が持てました。
うつ100万人時代ともいわれる現代だからこそ、病気の治療を医者任せにするのではなく、ひとりひとりが十分な知識を持つことが大切なんだろうと思った次第です。
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仕事関係です。今日もご一緒でした。
ちょっと古いかなと思うところもありますが、課題はなにも変わってないのが悔しい限り、借りは即返さなければならない。できることをがんばります!
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「この時(1968年)に、インターン制度廃止、医局講座解体を掲げて東大に立てこもった勢力が、東大精神科の病棟を自主管理(占拠)し始め、これが30年間もの長きにわかって続いたことを知る人は、あまりいないだろう。この病棟に立てこもった勢力は、その後、外来で通常診療を再開した勢力と、延々と対立を繰り返し続けた。・・・東大精神科のこうした病棟と外来の分裂が解消されたのは、わずか15年前(1994年)のことである。
筆者が卒業し、研修を受けた時は、外来で通常診療をしている医師は、病棟に立ち入ることができず、外来でしか研修ができなかった。・・・特定の患者さんのコミューンのようになり、看護当直はなく、代わりに当直医が看護当直業務を行いながら、こうした患者さんの具合が悪くなるといつでも「仮泊」と称して、無料で泊まってもらうなどして、理想の精神科医療を目指していたと聞く。
当時、外来では、緊張病状態などで初診し、明らかに入院が必要な患者さんは、やむなく救急車を呼んで他の病院に搬送してもらっていた。」
とか。へー。
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著者は理研の基礎精神医学研究者。
精神医学、ひいては脳医学にとっての研究の困難さを述べたあと、
著者の取り組みや構想について言及されています。
かなり脳医学よりな内容なので、心理系の人には不向きかも。
カバーの「うつ病診療の未来を照らす希望の書」
は言い過ぎじゃろう、というということでマイナス☆2つ。