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紙の本
ほうはそうして宝になった。
2009/12/12 14:22
7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:野棘かな - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤宿の人(上)で、ほうの9歳までの生い立ちと後半への伏線となる事件が語られ、この孤宿の人(下)でさらに話は進む。
不穏な事件や噂の中、流罪となった政府要人、加賀殿が丸海藩に入領し、やがて、大きくほうの現実も変わり、狭い丸海藩は、さらに、不幸な事件、噂、自然災害に混乱していく。
後半、一気に畳みかける展開には感動したし、力作だと思った。
といっても、時間軸としては、春から秋までに起こった話のようだ。加賀様入領が決定し、不穏な空気の中、入領された加賀様が亡くなるまでの話だ。
愚鈍に思えるがその分無垢な少女ほうは、加賀様が幽閉されている涸滝の屋敷に下働きとして入ることとなる。
加賀様を幽閉し、堅固な護衛で守る丸海藩の面々、しかし、そんな大人たちの思惑とは裏腹に、粗相をしたほうは、加賀様に助けられ、やがて、加賀様のおそばで、言葉や文字を習い、鬼、悪霊といわれる加賀様の真実を、ほうなりに知ることとなる。
ほうを可愛がってくれた琴絵さまの無念、そして事件を隠蔽しようとする大人の事情の企みで不当に扱われ、愚鈍なりに苦しみ、様々な辛苦に身を置きながらも、字を忘れるように、忘れてしまえるのか、そういう生まれだから仕方がないのか、ひたすら現実を受け入れるほう。
だが、この子の無心と無知は、本当にかけがえのない美しいものなのだろうか。
物語としては、無心で無垢な少女が現実を変えていくというような要素も含まれているのだと思うとちょっと物足りない。
それは、加賀様に、ほうという名前を、方へ、そして最後には、宝と名づけられたこの少女にまだ魅力を感じられないからだ。
登場人物は、ほめているが、読む側の私には、ほうの魅力がおぼろげにしかわからない。
だが、それをきちんと描こうとするとさらに長編になるだろうと思うと、この孤宿の人は、上巻、下巻ではなく、00編、00編という連作として、さらに成長のプロセスでの様々な物語にしてほしいと思った。
まだまだ人間になっていない、男か女かもわからない宝が、どのように進化していくのかという成長のプロセスを読んでみたいと思った。
紙の本
下巻は一気に読み終えました。大傑作です。
2021/03/04 23:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻は一気に読み終えました。読者をグイグイと引き寄せて離さない。宮部みゆきの時代小説の中でも上位に位置するのではないでしょうか。舞台となった場所が江戸ではないというのも新鮮味がありました。それぞれの登場人物達が個性豊かで、それらの者たちの人生が交錯して行く様は見事という他ないです。感動の大傑作です。
紙の本
最後は号泣
2019/09/08 14:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りり - この投稿者のレビュー一覧を見る
レビューにもあった通り、最後は泣いてしまうので読む場所を選ぶべき。心引かれる登場人物がたくさん死んでしまうので悲しいけど救いもある物語。
紙の本
孤宿の人下
2023/12/20 16:22
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
井上家を出されたほうは涸滝の屋敷の下女として働き始める。そこには加賀様と呼ばれる人物がいた。加賀様は幕府で勘定奉行にまで上り詰めた人物であったが、妻子や使用人等を殺害した咎で丸海藩に預けられた人物であった。そのため人々は丸海藩に起こる災いは加賀様の怨霊が原因だと信じられていた。ほうは下女として働き始め、加賀様と話をするのだが・・・・・。
ほうの苦しい時代は終わってよかったですね。加賀様から賜ったほうにはちょっと感動しました。しかし、宇佐や琴江、一様までいなくなるとは。井上家で医の勉強をして医者になって欲しいですね。
紙の本
宮部さんらしい
2021/05/28 15:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番怖いのは、一番頼りになるのは、人の心。
各々の登場人物が、自分の心に折り合いをつけて
信じる方法で行動する。
紙の本
ただ切ない
2017/05/25 23:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
寂しい身の上のほうが自分の足でしっかり立てるまでの物語。頼りなく不安定だった彼女が加賀様はじめ多くの人々と関わる事により人間として確かな輪郭を得ていく様は流石は宮部先生。ただ、失われた人々を思うと切ない。