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めくらやなぎと眠る女 TWENTY−FOUR STORIES みんなのレビュー

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みんなのレビュー96件

みんなの評価4.2

評価内訳

96 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

まずはサラダをめしあがれ

2010/05/19 08:47

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 短編小説を書くことは「喜び」であると、外国の読者に向けて編まれた第二短編集である本書のイントロダクションの冒頭で、村上春樹は書いている。
 その理由は、書くという「作業が比較的短い期間に終了」すること、「どんな些細なことからでも、ひとつの物語を作り上げてしまえる」こと、だという。
 これらの「喜び」は作者のものであって、読者のものではない。
 だから、村上春樹の短編についての読者の「喜び」は、読者自ら探し出さなければならない。夕刻の影踏み遊びの影をさがすみたいに。

 まず、読むという「作業が比較的短い期間に終了」すること。これはいい。
 村上春樹は自身「基本的には長編小説作家と見なしている」のだが、初期からすれば、物語はどんどん長くなっている。思わず、やれやれ、とつぶやきたくなるくらい。長編小説を読みきる「喜び」はまた別のもので、こと短編小説は時間的な「喜び」である。
 ちなみにいえば、これほどに忙しい社会にあって、村上春樹に限らず、物語がどんどん長編化していくのはどうしてだろうと思っている。
 良質な短編集がもっと読まれていい時代だと思うのだが。

 村上春樹の短編を読む「喜び」のもうひとつは、多彩なスタイルだろう。
 この短編集には24の作品が収められているが、それぞれがまったく独立している。24人の王様が太鼓をたたいている。
 だから、『めくらやなぎと、眠る女』が好きだという人もいるだろうし、『かいつぶり』がお気に入りだという人もいる。『蛍』が断然いい、という人もいる。それは、ちょうどサラダボールのなかのトマトが好きな人とピーマンが好きな人がいるのと同じだ。トマトはピーマンではない。でも、サラダボールのなかにある。そして、それらはサラダなのだ。

 今回も藤掛正邦のワイヤーアートによる装丁がいい。
 持っているのもおしゃれな本である。できれば、ドレッシングも一緒に持ち歩きたくなる。

 ◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。

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紙の本

読んだのに忘れているお話、記憶はあるけれど何で読んだか覚えていない話、色々あります。でも、再読だからって損した気にさせないところが村上春樹の偉いところ。私のベストは「とんがり焼の盛衰」かな・・・

2010/05/22 20:56

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

どの部分のデザインをとっても素敵な装幀ですが、巻末の初出の部分、これがまたいいです。無論、表紙の色合いと小口の色、それに本文の紙の柔らかさとしなり具合、カバーから透ける表紙と透明なカバー上の文字との並び具合、表紙とカバーとでは字体が異なっていますが、色が変わっているせいでその様子がきちんとデザインされている。基本的には以前出た『象の消滅』と基本フォーマットは同じですが、いい。それは背についても同じで、いいなあ、って思います。

で、この本について出版社は
               *
『象の消滅』に続いてニューヨークで編まれた、著者自選短篇集!

短篇作家・村上春樹の手腕がフルに発揮された粒ぞろいの24篇を、英語版と同じ作品構成・シンプルな造本でお届けします。「野球場」(1984年発表)の作中小説を、実際の作品として書き上げた衝撃的な短篇「蟹」、短篇と長篇の愉しみを語ったイントロダクションなど、本邦初公開の話題が満載!
               *
とあります。カバー後の言葉は
         *
村上の手腕の前では、
ジャンルという言葉は意味を失う。
スリル、笑い、悲しみ、感動、恐怖・・・・
   一瞬にして、すべてが訪れる

              「蟹」は書き下し作品です。
              「ハンティングナイフ」は
             新たに推敲されたバージョンです。
               「バースデイ・ガール」は、
『バースデイ・ストーリーズ(〈村上春樹 翻訳ライブラリー〉版)』(中央公論新社刊)を、
       『東京奇譚集』所収の作品は新潮文庫版を底本としました。
                 その他の作品は、
              『村上春樹全作品1979~1989』
               第3巻、第5巻、第8巻
『村上春樹全作品1990~2000』
第1巻、第3巻(いずれも講談社刊)を底本としました。
         *
です。目次順に初出と、各話のキーワードを書いておきましょう。☆は、楽しく読んだお話です。

日本版の読者に

Blind Willow,Sleeping Womanのためのイントロダクション

めくらやなぎと、眠る女 Blind willow,sleeping woman(「文学界」1995年11月号):25歳の僕と、ときどき難聴になる14歳の従弟

☆バースデイ・ガール Birthday girl(『バースデイ・ストーリーズ』中央公論社2002年11月刊):誕生日に、オーナーの部屋に食事を届けることになった女性従業員

ニューヨーク炭鉱の悲劇 New York mining disaster(「ブルータス」1981年3月15日号):二度と髭を剃らなくてもいいと思った男に続く多くの死

飛行機――あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか Airplane or how he talked to himself as if reciting poetry(「ユリイカ」1989年6月臨時増刊号):彼女が気にするのは20歳になった彼のひとりごと

鏡 The mirror(「トレフル」1983年2月号):中学校の夜警をしているときに出会った体験談

我らの時代のフォークロア――高度資本主義前史 A folklore for my generation a pre-history of late-stage capitalism(「Switch」1989年10月号):家庭にも容姿にも頭脳にも恵まれたカップル

ハンティング・ナイフ Hunting knife(「IN・POCKET」1984年12月号):避暑地の海岸で知り合った男から見せられたもの

☆カンガルー日和(「トレフル」1981年10月号) A perfect day for kangaroos:家族で動物園に行って見たカンガルーの子供

☆かいつぶり Dabchick(「トレフル」1981年9月号):仕事先に行くのに忘れた合言葉

人喰い猫 Man-eating cats(『村上春樹全作品1979―1989』第8巻1991年7月刊):三匹の猫に食べられた夫人の新聞記事

貧乏な叔母さんの話 A “poor aunt” story(「新潮」1980年12月号):作家に取り憑いた不思議なもの

嘔吐1979 Nausea 1979(「IN・POCKET」1984年10月号):何日も続く嘔吐と原因かもしれない電話

☆七番目の男 The seventh man(「文藝春秋」1996年2月号):台風の時、一緒に遊んでいた友人を呑み込んだ巨大な波

☆スパゲティーの年に The year of spaghetti(「トレフル」1981年5月号):その頃、毎日のように作って食べていた料理

トニー滝谷 Tony Takitani(「文藝春秋」1990年6月号):日本人なのにアメリカ人の将校から名前を付けてもらったジャズプレーヤーの息子

☆とんがり焼の盛衰 The rise and fall of sharpie cakes(「トレフル」1983年3月号):銘菓ではあるものの、若者の支持を失いつつあるお菓子

☆氷男 The ice man(「村上春樹ブック」〈文學界〉1991年4月臨時増刊):周囲の反対を押し切って結婚した相手

☆蟹 Crabs(本邦初出):おいしい蟹を何日も食べつづけた恋人

螢 Firefly(「中央公論」1983年1月号):同室の友人に贈られた蛍

☆偶然の旅人 Chance traveler(「新潮」2005年3月号):カミングアウトしたことで家族と離れることになった弟

☆ハナレイ・ベイ Hanalei Bay(「新潮」2005年4月号):ハワイでサーファーの息子を喪った母親

☆どこであれそれが見つかりそうな場所で Where I'm likely to find it(「新潮」2005年5月号):24階の母のところから26階の自宅に帰る途中で消えた夫

☆日々移動する腎臓のかたちをした石 The kidney-shaped stone that moves every day(「新潮」2005年6月号):腎臓の形をした石を拾った女医

☆品川猿 A Shinagawa monkey(『東京奇譚集』2005年9月刊):自分の名前を忘れるようになった人妻

初出一覧

「バースデイ・ガール」と「品川猿」は再読のはず。逆に「かいつぶり」「鏡」「かいつぶり」「七番目の男」「とんがり焼の盛衰」「氷男」は読んでいるのに、どこで読んだか分かりません。でも、いいんです、村上春樹であれば・・・

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紙の本

短編集

2023/06/27 09:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

最初は字も細かくて、入り込みづらい感じがありましたが、どんどん世界観が心地よくなって、読むのが毎日のささやかな楽しみになって行きました。

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紙の本

物語の逆輸入にリミックス。

2020/09/05 22:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る

ニューヨークからの逆輸入版村上春樹短編集、第2弾。かつて面白く読み、しかも、その多くは別の単行本に収録されて我が書棚の一角を占めている。それが再編集されたからといって、英語バージョンだったというもの珍しい系新鮮さがあるからといって、やはり、これほど、新しい気分で読めてしまうのは、村上作品の凄さだろう。
一度読んで、大枠のストーリーを知っているからこそ、次の段階にひっそりと張り巡らされた面白さに出会える楽しさ。
それと、次はどうなるという思いで、ついつい性急に読んでしまうってこともなく、落ち着いて対峙できる安らぎみたいなものもある。

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紙の本

海外版短編集第2弾!

2009/12/13 17:01

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

『めくらやなぎと眠る女』を読み終わった。
といっても読んだのは、「ハンティング・ナイフ」、「人喰い猫」、「蟹」の3編だけだが。
「ハンティング・ナイフ」は新たに推敲されたものだし、「人喰い猫」は読んだことがなかった。(ただこれを発展させた『スプートニクの恋人』は読んだことがある)。「蟹」は書き下ろしである。
他の作品は文庫本で読んだか、図書館で借りた、講談社から出ている「全作品」で読んだことがあった。
僕は、読み終わった本をノートに記録しているのだが、この3編を読んだだけで、そのノートに『めくらやなぎと眠る女』と書くことだろう。
新たに読んだのが3編だけで、1500円程度。これは高い買い物だろうか?
いや、この本は、本棚にしまって、いつでも好きなときに、思いついたときに、手に取るようにできるようにしておく。
村上春樹の短編は長編に劣らず、魅力的だ。短編が気に入らなかったら、僕は村上春樹という作家をこんなにも気に入ってないだろう。
『象の消滅』と本書を並べて、本棚に、背表紙が見えるように置いておいて、気が向いたときに、あるいは、「本が向こう側から呼んでいるときに」、短編を1つか2つ読む。そんなぜいたくなことはない。
人生が残り少ないと分かったとき、誰が長編小説など読む? と誰かが言っていたような気がするが、短編は人生の黄昏時まで、人と親密な関係でいられる、特別な存在だ、と個人的に思う。

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紙の本

海外でも人気

2020/05/11 19:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

深い孤独をテーマにした「トニー滝谷」など、国境を越えて愛されているのも頷けます。異国情緒漂う、「ハナレイ・ベイ」も魅力的です。

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2010/01/17 07:59

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2009/11/26 15:50

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2009/12/06 20:05

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2009/12/07 05:57

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2009/12/11 00:44

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2009/12/19 01:19

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2010/04/02 01:57

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2009/12/28 09:58

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2010/01/05 14:27

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