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[ 内容 ]
社会主義体制とは「ふつうの人々」にとってなんだったのか。
70年代のユーゴスラヴィアにおける留学体験と、「連帯」が権力を握った80年代ポーランドでの聞き取り調査を通して、歴史に翻弄される人々を市民の視線で考える。
上司が旧ソ連派だったため拷問にあった下宿の主人、劇的な体制の変化により不可解な死をとげた元外交官などの記録によって、歴史の表面には出てこない人々の素顔が浮かび上がってくる。
[ 目次 ]
第1部 ユーゴスラヴィア(ベオグラードの夕焼け;ニナリッチはスーツケースの右隅にある;ユーゴスラヴィア版“イソップ物語”;身分証明書を見せろ;「さよなら」を言う間もなく;理念の崩壊と民族主義の台頭;時が流れて)
第2部 ポーランド(非共産党政権の誕生;ワレサと連帯運動の軌跡;明日を生きる“追放者”達;過去を支配する者が…;「労組連帯」のジレンマ;民主化のリーダーと“半民主主義”)
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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1部がユーゴ、2部がポーランドの2部構成。もちろんテーマは共通しているけれど、切り口や書かれ方が異なっていて戸惑った。
1部は著者の下宿生活からユーゴの人々の心情を、2部はワレサの「半民主主義」を政治史と絡めて記述。この差異は著者と2国との関わり方が違うからだろうか(前者は留学先の大学があった地、後者はいち研究対象だった)。
全体的にモヤっとした印象。このテーマについての知識が浅いから、もうちょっと掘り進めれば違った読みができるのかも。
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一つ一つのエピソードは面白いのだけど散漫。
ユーゴスラビアでの若き日の話と、ポーランドの「連帯」の顛末が、ばらばら。
実にいい分析だし、なっとくするのだけど、
今になって分かる社会主義における個人の生き方人生パーソナルヒストリーというものについて、もうちょっと生々しく、かつ一貫性を持って迫ってほしかった。
続編希望。