紙の本
つい引き込まれて読破
2019/03/09 19:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここまで不運な連続は物語だから出来る演出だとは判りつつも、思わず読みきってしまいました。筆致が軟らかいというか、読み流しやすいというか、すぐに一気に読破に至ります。
内容としては、やはり20代の女性がOLとして本書に似た事象を多かれ少なかれ経験するであろうという点で共感できるというのがリアル感を得られると思います。
本書の終わり方を余韻ととるか、食傷気味と感じるかは意見が別れると思いますが。
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さくっと数時間で読み終わった。
会社は倒産、恋人には振られ、最悪の日々を過ごす琴子が、本当に自分のやりたいことを見つけ出すまでのストーリー。
すっきりとすがすがしい内容。
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失業して、失恋して、再就職は難航中・・・もはや絵に描いたような不幸にみまわれた主人公の琴子。
友人に誘われたパーティでせっかく知り合った一流商社の男と身体の関係を結んでから、分かる衝撃的事実。
パスポートを片手に貿易の仕事に携わり、世界を飛び回るという夢を諦めきれず、妥協ができない。
しかし夢という言葉に縛られて身動きできなくなってしまうのはしょうがないのだ。
悪いことが重なりすぎると人は自分の責任を負いきれなくなって、現実逃避してしまいがちである。
努力が実らず「不景気だから・・・理解のない経営者や上司だから・・・社会の仕組みのせい・・・年齢のせい・・・」と誰かのせいにして「私はこんなに頑張っているの。だから私は悪くない。」と肯定したくなるものだ。
そうやって誰かの、何かのせいにしなければ怒りも失望も胸中に納めることは誰だって難しいように感じる。
それがその時の「自分」を奮い立たせるエネルギーでも良いとすら思う。
一番大切なのは、その根本的な箇所に気づくこと。
例えば仕事や恋人を探していても本当に欲しかったのは仕事や恋人ではなく、自分を庇護してくれるものなのだろう。
つまり私を守ってくれる存在を求めていたに過ぎなかったのだ。
人にはそれぞれ「自分にとって居心地の良い場所」というものがある。
それに気づいた瞬間から、幸せの近道を歩くようになるのではないだろうか?
居心地の良い場所とは意外にも自分のすごくすごく身近なトコロにあったりする。
背水の陣を敷かれたが如く必死になるほうが神経が高ぶって、見落とす確立が多くなるのでは意味がない。
もう花が咲くことはない人生のように思われたけれど、決して悪いことばかりは続かない。
幸せを掴むための働く女性、頑張る女性のための一冊です☆
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勤めていた会社の急な倒産、恋人にも別れを告げられた琴子。
必死に再就職先を探すも見つからず、コネを利用して確実に採用と信じて受けた面接もまさかの不採用。新たな出会いと信じていた男にも騙され・・・。多くの者に欺かれ、振り回され、多くのモノを失ってきた主人公。
自分は頑張っているのだ。自分が悪いんじゃない。不景気、社会の仕組み、年齢、無理解な経営者のせい・・・。しかし何かのせいにしなければ感情を抑えきれず、またそのおかげで自分を奮い立たせることができていた。
・・・「まさに自分そのものじゃないか!!」と衝撃を受けました。
僕も、言い訳にしか過ぎないと分かっていたつもりでも逃げてしまうコトが多々ありました。自分の非を認めるコトが嫌だったから。自分の行動を正当化したかったから。
この本を読んでハッと気付かされる自分はまだまだ未熟ということなのでしょう。
女の方だけでなく、是非男の人にも薦めたい一冊ですね!
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久しぶりの唯川作品。
会社の倒産から恋人との別れ。リアルに想像できるような、できないような。新しい自分をスタートできるというラストはよかったと思う。ただ、さらっと読めてしまったので、もう少し深いものがよかったかと・・・
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唯川さんの作品にしてはすっごくまっすぐで純粋な主人公がとっても新鮮で好きになった!
琴子の思ってることが痛いほどわかる!
人生そんなんじゃうまくいかないでしょ!って思ってる人がなんだかんだ人生をめちゃくちゃうまく渡ってたり、男に媚びてばっかりいて女から全然もてないけど、男の前だとぺこりって頭をさげてにゃんにゃんしてる友達とかを見てる私にとって、失業して失恋までしてしまった琴子が本当にほっとけないくらい気になった・・・。
でもそんな琴子だけど、ちゃんと最後には自分の本当の夢に向かって全うしていこうと決めたことにちょっぴり感動!
失業して失業保険に入ってなくて秘書を責めない琴子
彼氏の康史に好きな人がいるといわれても引きずらない琴子
男に襲われそうになっても自分を見失わずに戦う琴子
友達と二股をかけられていても友達を責めず、男にはちゃんと怒鳴って自分の気持ちを伝えた琴子
新しい職場(バイト)で自分の仕事をしっかり責任を持ってこなす琴子
元彼に照会された会社の面接にもちゃんと自分の意思で行かないと決めた琴子
自分の道をしっかりと自分で探そうとする琴子
そういう琴子の姿を見ていたら、なんだかすっごくやる気がでてきた!私だってできることはあるのかもしれないなーーーって思えた。唯川さんの作品のなかでは珍しいくらい主人公がさっぱりしていて恋愛っていう感じでもないけど、でもこのストーリーの中でたくさんの女性が直面しそうなシチュエーションが実はてんこ盛りなところがやっぱり女性の心をくすぐるんだなーーーって関心!
唯川さんはやっぱり素敵な作家だなーーーー!
自分が社会人を経験してるからこそ書ける作品なのかなって思った。
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かるいタッチでドラマを見てる感じで読めました
十年前とは 思えない文でした
琴子が大好きです 答えは自分の中にかな
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自分が現在就活中だから、読んでいて、とても身につまされる所があり、辛かったです。
主人公の強さに憧れます。
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この人の本は始めて読んだのだとばかり思ってましたが、以前違う本を読んでいたようです。
現在の社会情勢を描いたもので、身動きの取れない現状と打破するための妥協を惜しまずをえないような苦しい状況。
でもそればかりじゃないということを訴えかけられるような作品でした。
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失業して、追い討ちをかけるように恋人に振られて。
可哀想としか言い様のないような状況の主人公、琴子。
就活はうまくいかないし、恋の方もさっぱり。
その閉塞感は、並々ならぬものがある。
15年前に書かれた小説なのに、
今とまったく変わらない部分がある。
(たとえば景気の悪さとか、結婚への憧れとか)
短くてシンプルだけど、すごい小説だなぁと思った。
唯川恵はもっと心の奥底のドロドロした部分を描いた作品が特徴だと思っていたけど、
こんなふうに、竹を割ったような、余分なものを削ぎおとしてさっぱりさせたものもいいかも。
個人的には、阿呆な男たちをもっとノックアウトしてほしかったなあ(笑)
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今年、泣きながら就職活動をした私にとっては身近に感じられました。
先が読める話だけど、就活の描写がリアルでなんだか泣きたくなった。
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仕事はクビ。恋人にはふられる。悪い男に友達と二股をかけられ、仕事も見つからない。
そんな運のない女性が、色々なことを乗り越えてやっと自分の居場所を見つける。
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好みそうだなぁと思って買ったら、ずっと前に見ていたドラマの原作本で吹いてしまった。数年越しの再会?のような、ずっと本を読んでいるとこういうこともあるんだなぁ。
期待通りの、カラッと明るく、スコーンと元気をくれる話でした。こんなに恰好良くは生きれないと頭の隅では分かりつつも、まるで自分のようだ!とも思わせてくれる。解説がまたよかったです。
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勤めていた会社が突然倒産し、恋人にも振られてしまった琴子。生まれ故郷には帰りたくないけれど、就職活動は連戦連敗。そんな彼女にも、パーティでは新しい出会いが待っていた…。「私を求めてくれる場所」を探し、まっすぐ前向きに奮闘する姿を描いた爽やかな長篇小説。初期の作品に加筆した新装改訂版。
この話唯川恵の本の中で一番好き!!
今まで恋愛のどろどろ話とか、主婦の葛藤話とかばっかりだったけど、1人の女性の生き方がしっかりと描かれている作品は初めて読んだぁ。
なんだか、元気になれる話。
ついてないとか、自分だけ運が悪いって思ったときに読みたい話。
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読んでいて感情移入してちょっと落ち込んでしまったOLの身の上ストーリー。文章が読みやすいので一気に読んでしまった、そうさせる文章力はさすが。
失恋を思い出して悲しくなってしまう。
先が読めてしまう展開は致し方ないが、彼女の引き付ける世界がある。