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欧州に実在する実験施設で昨年行われた実験をベースに、もし偶然が重なり、世界中の人々が未来を観てしまったら…とちょっと興味をひかれる展開でスタートするが、中盤を越えて、後半になると
全般に「都合良く」話を持っていっている感がある。
面白くはあるのだが、最後は「やっつけ感」も多少感じる(笑)
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難しいところもあったが最近SF読まないので新鮮だった。ストーリー自体は結構波瀾万丈なのに訳にリズム感がなくて乗りきれないのが残念。
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海外ドラマ”フラッシュフォワード”の原作となった作品だが、ドラマとはかなり異なる。
LHC(大型ハドロン衝突型加速器)での重粒子衝突実験によって生じた、「全人類が21年後の未来を見る」という現象に関する物理ファンタジー。
未来からの情報を得るという現象に対する様々な解釈(未来は確定している、自由意志により未来のビジョンは可変、平行宇宙の存在、など)
観測者がいない状況で状態が確定されるのかという議論(シュレーディンガーの猫、交流解釈など)
が面白い。
ただ、第三部が急につまらなくなってガッカリ。
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やっぱりソウヤーは面白い。ミステリ・マインドに溢れてる! if世界の論理実験なんだけど、 そのシミュレーションがすこぶる面白い。 ただ多元宇宙論に着地してしまうラストには不満。 ミステリ的には運命決定論の方が絶対面白いんだけど。
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人類全体が2分間だけ一斉に20年後を垣間見る。その後、元の時間に戻って人々はどう生きたのか?スケールは大きいけど焦点は個人個人に当てられている。未来を知るということは厳しく辛いものなんだろうな、やはり。サスペンス要素も挿入されているけど不要かな。
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素粒子物理学の実験により、地球上全ての人類の意識が2分間だけ21年後に飛んでしまった。未来を垣間見た人々は……。
面白いぞ、ソウヤー。相変わらず一冊へのネタの詰め込みっぷりがハンパない。「未来は改変可能なのか?」という壮大なテーマを扱いながらも、主軸となるのは個人の葛藤。ロイドとテオ、主人公二人の対照的な行動が興味深い。ミステリ度は薄めながらも、伏線や誤導はさすがの巧さ。"フラッシュフォワード"後の世界を報道するニュース・ダイジェストがこれまた愉しい。
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未来は変えることができるのか、それとも未来は既に決まったことなのか、未来を知ってしまった人々の人間模様がメインで、もちろん科学要素もふんだんに盛り込まれ、題材としてはとても面白かった。
ただ、細かい所をつけば、提起された疑問が曖昧だったり、垣間見た未来と本来の未来が繋がったり繋がらなかったり。。。と気になる部分も結構あったのはちょっと残念。
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奥さんに勧められてまあ面白く読めた。ちょっとスケール感がずれる部分に違和感があるけど。なんとなくchildhood's endを思い出した。
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ある物理学の実験が引き金となり
全人類(※動植物は含まない)の意識が
数分だけ21年後の未来に飛んだ。
未来の自分がどうなっているのか、
例えば夢を叶えているのか
今の恋人と結婚しているのか、など
その目撃した数分が変えられる未来なのかどうかも含めて
大議論に発展していく。
こりゃーもう1回実験せんとあかんなー
という展開になるのだが…という作品。
読み終わった後、すごく疑問に思うことがあり
いろいろなレビューを検索しているのだが、
既にドラマ化(内容は原作と少し異なるらしい)しているので
そちらのネタバレが引っかかりまくり悲しい。
【私の疑問】
・1回目の実験の際に、全人類の意識が21年後に飛ぶ
・2回目の実験は失敗
・3回目の実験は、1回目の実験で見た未来の時間と同じタイミング
この場合、1回目の実験では意識の飛んだ先では
飛んだ先側(つまり未来の自分側)に行動の優先権があり
意識はあれども体の自由は効かない、という話になっている。
しかし3回目の実験は問題の時間と全く同じタイミングで始めるので
やはり現時点での意識は未来に飛ぶはず。
ならば1回目の実験で飛んだ先の肉体は誰が動かしていたのか、
というのが疑問な訳です。
テオ殺人事件は未然に防げたので
1回目の実験で全人類が見た未来はなかったことになり、
なかったことになった未来では3回目の実験はなかった(テオいないし)
というのなら納得も行くのだが、
まあそういった説明もなかったんで推測するしか。
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2012年7月、ヒッグス粒子の発見に世間が湧きました。”最後の粒子”あるいは”神の粒子”とよばれる粒子の発見は、近年の物理学の最も劇的な成果とされ、宇宙の解明に大きな一歩を踏み出したと評されます。
ヒッグス粒子を発見したのは、スイスのジュネーブに施設を有する欧州原子核研究機構(CERN)の研究チーム。施設の地下には、全周 27km の円形加速器・大型ハドロン衝突型加速器 (LHC) が、国境を横断して設置されているようです。
さて、本書のあらすじは、そのCERNがヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験を行ったところ、世界中の人々の意識が数分間だけ21年後の未来に飛んでしまうというもの。
全世界の人々が自分の未来を垣間見たら何が起こるのか。観測した未来は不変のものなのか、それとも…
あらすじを追ったらすっごい面白そうなんです。そして、実際に序盤~中盤はとても面白い。
未来の姿に希望を抱いた人々は、その姿を生きる望みとする。一方、唾棄すべき未来をみてしまった人々は、未来を変えるべく行動を起こす。未来に観測された結果は、未来を見てしまったがために起こした行動をも考慮にいれて収束するのか。
このあたりで生じるドラマは、時間SFがなせる妙技と理解してますが、悲しいかな、本書はそれを活かしきれていない。
それぐらい終盤の失速感は異常でした。なんといってもロイドとミチコの関係が散々すぎる。中盤まで盛り上げたのは何だったのか(個人的には、中盤でのロイドの意固地さにさえ、全く共感できませんでしたが…)。テオの話もとってつけたようなおさめ方で、もう途中から匙を投げたとしか思えないデキです。
そして驚くべきは、最後の30頁の展開。もうね。なんだこれ。フラッシュフォワードを通じて、個々人の情緒的側面に焦点をあてるのか、未来にビジョンを描くのかどちらかにしてくれ…どっちも中途半端すぎるよ。
…と、まあ酷評しましたが、中盤までの展開が素晴らしかったのが残念でなりません。風呂敷のたたみ方って大事だなぁ。
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CERNのLHCでヒッグス粒子を検出しようとしたら地球上の人達の意識が飛びました、更にその飛んでった意識が21年後に1分40秒程タイムスリップ!
戻ってきたら地球全体で車の衝突事故やら飛行機事故やらでテンヤワンヤの大惨事!
実験に関わってたロイドとテオ!彼ら二人を中心に彼らの見てきた!?未来が軸に物語は進んで行きます!
SFいいな!という作品でした!
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アメリカでドラマ化されて打ち切られた作品の原作。
よくあるタイムトスリップによるタイムパラドクスとそれに呼応したミステリーが混じっている。
フラッシュフォワードの混乱で娘を失った主人公の恋人の落胆表現が長い上に何回も出てきて閉口する。
最後の方はSF好きじゃない人にとっては斬新で突拍子もないので打ち切って良かったんじゃないのかなとも思う。
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“確定”した未来のビジョンの不安定さ故に自由意志の所在が曖昧となった人々の葛藤、と言うテーマを主軸にしてくれれば良かったと思うんだけど、ロマンス、ミステリー、SFと全部一気にやろうとして中途半端になっちゃった印象。フラッシュフォワードの再現まではわくわくしたけど、それからの失速感が凄まじかった。
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アメリカでテレビドラマ化されたが、打ち切りになった『フラッシュフォワード』の原作。竹内結子が出て話題にもなりました。
アメリカのドラマ版では、FBI捜査官が主人公で、舞台もCERNから線形加速器研究所(SLAC国立加速器研究所?)に変更された上に、サスペンス感マシマシの雰囲気でしたが、原作では、CERNが舞台で、シムコーが主人公でした。そして、サスペンス要素は、ほぼなし?そういう意味では、こちらの原作は素直に読み進むことが出来ましたが、ドラマ版はストーリーが込み入り過ぎていて、ちょっと難解でした。だから、打ち切られたのかもね。
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2009年、CRENにある加速器では、ヒッグス粒子を捕まえるための実験を行っていた。実験を開始した瞬間、世界中の人が2分足らずの間、ある風景を目にする。それは21年後の自分の視点だった。21年後に今と違う妻がいる者、娘が生まれている者、そして何も見ない者。未来は固定されてしまっているのか…。
2001年に翻訳初版が刊行された本であることを、まず頭に入れておかなければならないが、2009年に書かれたと思っても、さほど不思議のない自然な描写。読み終わるまで勘違いしていた。
2001年以前に書かれているので、2010年代の描写がものすごく未来的で、エイズが克服されるなど、引っかかるところはある。というか、未来の描写はいまいちなのだ。
その部分は差し引いたとしても、ここんとこ、"まあまあ"な本ばかり読んできたのもあり、久しぶりに仕事を止めてでも続きが読みたいと思えた作品である。
21年後を見る「フラッシュフォワード」現象を軸に、人間関係を模索する者、21年の間にある事件を探す者など、ともすれば漠然としがちなテーマを、数名の視点に絞って、スリリングに描いているのは興味深い。
またその中で「よくわからない現象だったね」で終わらせるのではなく、原因と再現まで考えるところが、最近のSFに欠けがちな部分だと思われる。
分岐型の未来については、深く検証されることはなかったが、ビデオカメラなどの記録装置のところでほのめかされており、それだけで一つのSF作品を作れそうなテーマである。
最終的には、2030年まで描かれてしまうのだが、そこ必要だったかな?という気持ちも若干ある。読者的にもテオがどうなるのか気になるのは仕方がないものの、ちょっと取ってつけたような話になっている。作者も激しめの描写が苦手なのか、内容もそれまでと打って変わって、状況がつかめない(理由などはわかる)。
途中の、未来予想ネタ(トランプがピラミッドを建てる?)など、アンディ・ウィアーの作品のごとく、クスッとくるネタも散りばめられており、こういうところも読んでいるのが楽しくなるポイントであろう。
終盤のストーリーの破綻や、ハヤカワでブックカバーに入らないなどの大きめの不満点もあれど、気に入った1冊になったので甘めの採点をしておく。
余談。
研究者の年齢が、26~28歳でチームリーダー、45歳でシニアリサーチャーみたいなの、21年後を描かなければいけなかったという意味では、仕方のない部分も有るだろうけれども、28歳だと大学院生だ。45歳で教授はギリギリ有りだけど、現実にはどうだろう?50超えてないとリアリティがないのでは?
そういう年齢に対する、創作側と読者側の感覚のずれ、作者の国による感覚のずれが、ここ20年ほどで急激に気になる事が増えた。