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hontoレビュー

向井帯刀の発心(講談社文庫)

向井帯刀の発心 みんなのレビュー

文庫

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みんなのレビュー5件

みんなの評価4.5

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

巧みな構成と展開、登場人物たちと織りなすホームドラマ的暖かさが魅力の作品

2010/03/11 19:19

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

居眠り紋蔵シリーズ第八弾。

居眠り紋蔵の魅力が帰ってきた。
前シリーズ七弾「白い息」では、念願の定廻りとなった藤木紋蔵が活躍した。
しかし、捕物的色合いが強くなり、紋蔵シリーズの魅力であった、紋蔵を取り巻く人物達との交流が魅力のホームドラマ的な要素が少なくなって、面白みが薄くなってしまった印象だった。

紋蔵が再び例繰方に戻った本作品では、彼を取り巻く難解な事件や、ユニークなキャラクター達との交流など、すべてがパワーアップしたように感じた。


五人一組の物書同心の一人、例繰方の藤木紋蔵は、訴訟や判決を下す吟味方与力の側で書記を行ったり、古帳を繰って判決の先例を探しだし、難しい判決の判断材料を見つけるのを勤めとしている。
どこでも居眠りするという奇病を持つ紋蔵は、外へ出すと世間に恥をさらすというので定廻りだった父のあとを継げず、例繰方に押し込められて三十年、役替もなく四十を越した中年である。

第三弾「密約」では、紋蔵があることをきっかけに、父譲りの手腕で父の死の謎に迫り、父を殺したのは一橋家の家老だということを究明。
ところが父殺害に関わる五千両猫ばば事件は、一橋家の殿や公方様にまで累が及ぶというので、一橋家と南の与力が取引をして事件をうやむやにしていた。
紋蔵は、同心を辞めてでも父の敵を討つもりだったが、家族を思い諦めるしかなかった。

第六弾「四両二分の女」では、ある事件で上役の意地の張り合いから、紋蔵の名誉に傷が付いた。
その名誉回復と、以前定廻りをちらつかせてやらせた仕事の件もあって、紋蔵は晴れて定廻りとなった。

前作第七弾「白い息」では、数々の難事件を父譲りの手腕で解決、付け届けの増加で実入りも大きくなり順風満帆の紋蔵。
しかし人生はうまく行かないようで、古帳から先例を繰ること三十年、古帳の生き字引的存在だった紋蔵が抜けた例繰方は、すったもんだしたあげく、失態を侵すところだった。
やはり例繰方には藤木が必要、補強のため左遷ではない、ということで紋蔵は例繰り方に戻ることになった。


本作品で再び例繰方に戻された紋蔵は、年度別に平積みされている書類の、事項別索引を作ろうと決意した。
ところが、『例繰方が手薄だ。支障が生じる。たのむ』と無理をいって戻させた年番与力で筆頭与力の安藤覚左衛門や、同じく年番与力で次席の沢田六平だったが、難題が持ち上がると、頭は紋蔵にいきつく。

結局、物語の初めから、例繰方の仕事があるにもかかわらず、以前のように関係のない仕事を押しつけられる紋蔵がいる。
紋蔵としてはやるせないが、読者にとっては大喜び。以前の濃密な物語が戻ってきたのだから。


藤木家には、妻里、長男紋太郎、次男紋次郎、長女稲、次女麦、三女妙、そして島流しになった旗本用人の子で我が子同様に育てている十一の文吉がいる。紋太郎はすでに養子へ行き、稲も嫁いでいる。
本作品では、請われて養子へ出した次男紋次郎、侠客・不動岩の伜の世話になるといって家を出ていった文吉、茶問屋を営む義父夫婦への次女麦の養子縁組など、紋蔵の跡取り問題に悩む様子が描かれている。
さらに、その家を出ていった子供達がきっかけで紋蔵の元に降りかかる難題や、勤めで命じられる難題が、それぞれ複雑に絡み合い物語が展開していく。

【沽券に関わる】ほど重要な、土地や家屋などの売り渡しの証文である沽券を使った詐欺事件と、紋次郎を養子に請い請われる様子を描いた『歩行新宿旅籠屋』

不動岩の元へ去っていった文吉を諦めきれない紋蔵と、偽金の入った五十両の包みを受け取ってしまい悩む不動岩を描いた『逃げる文吉』

火付盗賊改だった矢野彦五郎と、老中松平周防守の意地の張り合で泥沼化した相撲取りの銀購入問題と、吟味方与力・黒川静右衛門の息子惣太郎の紋次郎いじめに端を発した、紋蔵と静右衛門の確執を描いた『黒川静右衛門の報復』

有能優秀で次期筆頭と目されるが、人物に難のある黒川静右衛門が起こす騒ぎと、沈静化していた紋蔵との確執が再び再燃する『韓信のまたくぐり』

雷鳴に驚いた馬が、古道具屋に飛び込んでしまったことから明らかになる旗本向井帯刀の過去、養い親と貰い子勘太の不和事件、紋蔵のある行動から罪を徹底追及する黒川静右衛門とその結末を描いた『旗本向井帯刀の発心』

など、どれも初めはまったく関係ない事件や問題が、やがて絡み合いだし、最後には一つになる様子は爽快。
特に『旗本向井帯刀の発心』の複雑だが巧みな構成と展開は、天敵・黒川静右衛門との決着を絶妙に絡めており、紋蔵シリーズの中で最高の作品となっている。

読み終えると、巧みな構成と展開による満足感と、もっと読みたいという渇望感に襲われる居眠り紋蔵シリーズは、中毒性があるに違いない。

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紙の本

居眠り紋蔵シリーズ最大の危機!?

2011/03/23 14:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

定廻りから例繰方に戻った居眠り紋蔵は、年度別に積まれている文書に事項別索引を作ろうと考えた。もっとも、居眠りの病があるものだから、なかなか、はかどらない。そのうえ、年番与力筆頭の安藤覚左衛門や同じく年番与力で次席の沢田六平が、またまた(×10?100?)、無理難題を押し付けてくる。

>「まだ文句があるのか」
> と沢田六平が頭を揺すった瞬間、縁側からの日を受けて、見事な禿頭がぴかりと光った。湯気を立てて怒るというが、あれはなにを根拠にいうのだろう。
>「笑ったな」
> 沢田六平は今度は本当に禿頭に湯気を立てんばかりだ。

紋蔵は笑った責任をとらされて無理難題を引き受けることになってしまった……orz

こうして、紋蔵は、はからずも、南町奉行所与力たちの淘汰や世代交代にかかわっていくことになる。最初は、町会所から融資を受けている与力同心たちの家計の逼迫状況を探ることから始まった。それが次第に、紋蔵の息子や娘たちの身の上にも大きな変化と危機をもたらす事件へとつながっていく。

数年前からめっきり物覚えが悪くなって隠居退隠を考えているという与力山田次郎左衛門から、学問好きの紋次郎を養子にと望まれ、返事を渋っているうちに、山田次郎左衛門が職場で恥をさらしてしまい、針のむしろだと嘆く彼につい同情すると、OKの返事と勘違いされて、あれよあれよと言う間に、安藤覚左衛門も沢田六平も、そして、彼らに次ぐ地位で紋蔵の理解者で支持者で姻戚でもある蜂屋鉄五郎も、大歓迎のうちに紋次郎の養子縁組の披露がおこなわれた。

そのうえ、麦は、紋蔵の舅姑から養女にと望まれ、似合いの婿まで紹介される。

これらだけなら、いいことずくめのように思えるが、そうは問屋が卸さない。

蜂屋鉄五郎に次ぐ地位で、有能優秀な黒谷静右衛門と、その息子惣太郎が、強烈な敵役として登場し、立ちはだかる。

まず、惣太郎が、同じ与力の息子たちを率いて、剣術の稽古に見せかけて、連日、紋次郎をいじめ、いたぶる。紋次郎は、ひたすら、耐える。

だが、文吉が、容赦しなかった。文吉はまだ十一歳なのに、藤木家を出て、不動岩五郎の息子の弟分になっていた。そして、文吉が、惣太郎に仕返しをしたことと、紋蔵が、例繰方としてみごとな仕事をしたところが、黒川静右衛門に「御用頼み」をしている大名の機嫌を損ねることになり、黒川父子から二重に憎まれ、恨まれる。

さらに、新たに引き取った駒吉という八歳の少年も、また、紋蔵が知り合った絵師赤松老人と旗本向井帯刀も、ことごとく、黒川静右衛門との対立に組み込まれていく。

文吉も駒吉も、罪人の子であったり、自身が罪を犯したりする。そしてまた、向井帯刀にも、本人には罪はないのだが、人には言えない過去と背景があった。紋蔵は少年たちをりっぱに育ててみせるとがんばり、赤松老人や帯刀との信義を守ろうとする。黒川静右衛門は、そういう、紋蔵の最大の長所を、最大の弱点とみなしてついてくる。罪人として問責し、向井帯刀と同じ罪で刑に処すべきと主張する。一方では、麦の祝言の日が近づいてくる……

最後は、不安と緊張の最大の盛り上がりで、そう来たか……、と感心する鮮やかさで、天罰覿面だあ、ざまあみろ、となり、実におもしろかった。

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2010/08/29 13:10

投稿元:ブクログ

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2011/05/13 19:18

投稿元:ブクログ

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2017/03/30 21:11

投稿元:ブクログ

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