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「今の基準は最低限のルールを、解明されていない地震科学をもとに、細かく定めすぎてしまったのだ。実際にどのくらい安全かどうか、安全は誰が守るのかといった本来の基本が失われてきている」本文より抜粋。まさにそのとおりだと思う。最適で安全な建物を設計するのにエネルギーと時間を使うのではなく、法律を守ることに使っているような感じである。誰が設計しても法律を守りさえすれば最低限の建物は設計できるかもしれないが・・・。
本書で学んだことは、信頼性指標と期待総費用最小化原理である。現在の基準では、設計した建物がどのくらいの安全か定量的に評価できない。本書で、安全性を確率的に表す信頼性指標についての概要が書かれている。今後さらに詳細な本にて勉強したいと思った。また、社会的合意にもとづく耐震性として、建物の費用は、損失を含めて決まることとある。最適な耐震性とコストをもとめる方法の概要が書かれている。
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耐震郷土、免震構造、原子力発電所、社会的合意など、基本的な視点を提供している。
耐震構造の家を建てる際に、参考になります。
自宅の耐震性に疑問を持った人にも、参考になるかもしれません。
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建築基準法の問題点を挙げながら、本当に安全な建物を作るには何が必要かをまとめて書いてある良書。
2009年発行だが、耐震について、地震を予測する困難さ、免震構造、原子力発電所の耐震性、数字(統計)で説明することが限界、法律と限界についてなどの本質的な問題に迫っている。
建築基準法などの既存の問題点に、東日本大震災の前に指摘しているところがよい本だと思う。