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粗筋:「俺」ことツヨシは、相棒のシゲとたまに「うっぷん晴らし」をしていた。「うっぷん晴らし」ってのは、テレクラで引っかかった女を二人で惨殺することだ。惨殺する時は、いつもバックでシゲの好きな、HIGH-LOWSの「ミサイルマン」がかかっている。しかしある時、シゲは殺った女が自分の財布を掏っていたことに気付かずに、女を埋めちまった。俺達は腐った女の屍骸を掘り出し、財布を取り戻した。だがその日から、シゲの右半身は腐った様に変色し、膿の出る肘からは、得体の知れない文字の書かれた紙も出てくるようになった。シゲが「呪いをかけられたんだ」と主張したから、俺達は再び女の屍骸を掘り出しに行ったが――『ミサイルマン』。妻子と共に、ある家に引っ越してきた「私」。その家は周囲をトタンで囲まれており、異様な雰囲気を放っていた。「私」達はそこで暫く暮らすが、妻の様子が見る見る内におかしくなっていく。更にタクシー運転手の「私」のタクシーには、異様な風体の客ばかりが乗るようになり、しかも彼らは「私」の家の前で降り、降りた途端に姿を消すのだ。「私」は遂に、家の周囲を入念に調べ始めるが――『ある彼岸の接近』。カテゴリ不能の作品が、圧倒的描写力を伴って襲来する。閲覧注意、中毒注意。
感想:前回の『独白するユニバーサル横メルカトル』は、このミス1位という「ブランド」がついてしまったため、夢明作品に合わない人々までもがそれを読んで、気分を害してしまったことでしょう。だからこそこの作品は、夢明作品に耐性のある人、及び耐性を持てる人だけが、感想を書いて欲しいと思います。夢明作品の魅力と言うと、グロテスクかつ緻密な描写です。小林泰三や田中啓文の様に、凄まじくアイデアが飛び抜けているわけではありませんが、その文章の「引き込ませ」具合は身震いする程です。
「独白する・・」と本書では・・・どっちも好みなんで何とも言いがたいですが、どちらも人にはオススメできないことで共通してます。
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短編集。短編上手いですよねこの人。鬼畜っていうかなんていうか、沙村広明と大変気が合うんじゃないかと思われ。組んだらいいんじゃないかきっと。
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鬼畜系小説、としか言いようがない
よくこんなものを書けるなと、良い意味でも、悪い意味でも、賞賛に値する
正直、こんなに意味のわからない鬼畜さを表現した小説は初めて読んだ
映画のSAWのようなスプラッター系なグロさとも違う、この小説を映画化したとしたら、SAWはチンカス映画でしかない
むしろSAWを別にグロいとか思わないぼくからしてもさすがにこの小説はダークサイドに行き過ぎている
SAW程度のただのお遊び犯罪映画で気持ち悪いとか言ってる人がこの小説を読んだら、どう思うだろうか
吐き気しかしないか
意味がわからないかのどちらかだろう
それくらい徹底して鬼畜という言葉を如実に表している
まずどうやってこんな描写を思い付くのだ、というものばかり描かれている
作者は殺人に関わったことがあるのかというくらい、妙にリアルで非現実的な表現が繰り返されている
ただ救いがあるとすれば、この作者特有のユーモアな表現だ
何とも言えないけど、ほんの少しののユーモアがあるだけで少しくらいの救いはある気がする
グロテスクさで言えば、今まで読んだ小説よりも、今までに見た映画よりもトップクラスである
初めて人にオススメしたくない小説に出会った
ある意味貴重な小説
どんな内容かはここには書きたくない、それほど鬼畜で頭おかしくて、グロテスクで奇妙な小説だ
この作者をこよなく愛す人がいるとしたら申し訳ないがぼくは関わりたくない
今回のレビューにぼくらしいユーモアを取り入れることは不可能だ
それほどに衝撃で、面白いことを書こうという気を失わせる小説だった
ここまで言えばさすがに読みたくなるっしょ?
あ!!間接的にオススメしちゃった!!
ぼくってば、最後の最後にオススメしちゃった!!!
ホントお茶目だなぁ!!(我ながら)
まぁダークサイドな小説に興味ある人だけ読みなよ
ぼくは本当に読むことをオススメしません
(こんだけ言えば、誰かしら読むかなぁ、あ!またオススメめいたこと言っちまった!!!)
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4番目の「枷」まで読み終わった。一気に読むと熱が出そうなのでしばらく寝かしておきます。(2010.05.25)
5番目の「それでもおまえは俺のハニー」まで読了。実はこれが一番読みたかったお話で、暴力的なのに愛おしい感じでよかったです。食事の前後などには読まない方がよいですが。関係ないけど著者近影はなかなかいい写真ですね。東京ガベージコレクション(http://www.tfm.co.jp/bk/index.html)の頁にある写真も好きだけど。(2010.05.30)
やっと最終話を読みました。「残酷」の後ろに隠されているものの存在がそこはかとなく分かるくらいには、この著者に慣れてきたかもしれません。解説には「ノワール系BL小説」とありましたが、そんなふうに読む力は私にはないようです。(2010.07.10)
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やっぱり面白い。世間では鬼畜系と呼ばれているらしいが、まったくその通りだと思う。
なかなかこの本の文庫が出なくて、単行本を買ってしまおうか迷っていたが、最近やっと文庫化されたので即、購入した。
この本は短編集で、独白するユニバーサル・・の続編みたいな感じ。
中でも気に入ったのは「それでもお前は俺のハニー」と「ミサイルマン」の2つ。
「ミサイルマン」に関しては普通に笑いながら読んでしまった。
笑いのセンスもイカしてます!
個人的にはちょいグロお笑い系と呼ばせて欲しい。
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「テロルの創世」「ネックサッカーブルース」「けだもの」「枷」「それでもまえは俺のハニー」「或る彼岸の接近」「ミサイルマン」収録。愛知岡崎から東京品川までの鈍行の中で読んでいたけれど・・電車に酔いそうになってしまった。でも、「枷」からの後半はいくらグロくてもなんか好き。『独白するユニバーサル横メルカトル』でも思ったけれど、やっぱりSF部分が濃厚な話は苦手みたい。共感する部分があるといったらちょっとヤバイ人みたいだけど、収集するには枷が必要な心理とか、純粋に彼女を愛してるところとか、テレクラでひっかけた女にウンザリするところとか、ツヨシとシゲの友情だとか、身近だから読みやすい。ちなみに今回一番読んでてグロかったのは「枷」。生かせながらどうこうするというか、拷問系はやっぱりキツイ。
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“鬼畜系”作家・平山氏の初体験本。まさに鬼畜。矢鱈とディティールにこだわる人体破壊は、その風景だけでなく、音や匂いまで詳細に伝えてくる(伝わってくる)。まさに鬼畜。
でもなんだろ、これだけ人でなしのキチガイ話なのに、読み進めていくにつれ、妙に気分が研ぎ澄まされていく。不思議なくらい心地好い読後感。この感覚は初めて。そしてクセになる。
その鬼畜っぷりがいかんなく発揮される「枷(コード)」や表題作「ミサイルマン」もいいが、オープニングを飾る「テロルの創世」は短編SFとしても秀逸。グロ描写苦手な方でも読めるので、まずはここから鬼畜系を始めてみませんか。
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相変わらずらず、人間のエグイ処が出てきます。
(暗黒面とか恐怖とかでは無いのがミソ)
”どこまでもトンデいって下さい”と言いたくなる奴らばっかり。
疲れてるときに読むと、体に悪いかも。
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個人的に「それでもお前は俺のハニー」と「ミサイルマン」の2つが好きな作品です。
前評判通りの鬼畜本で、何度も「おえっ」となりながら読了しました。
面白いけど、体調と精神状態に気をつけて読んだほうがいいかも。
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相変わらずの良い意味での胸糞の悪さ。とことん目を背け続けて結果首が一周して見てしまってるじゃん、結局見たいんじゃん、という所謂自分の鬼畜性(?)を再認識。
短編でもプロットはほんとしっかりしてるので、次は長編作品を読みたい。
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■少し前(って先週かぁ..)に 独白するユニバーサル横メルカトル を読んで『毒の魅力』に嵌った感のある平山 夢明作品。CTS→KIXの長いフライトと関空から大阪までのJR移動中に読了。
■ 巻末の解説を読むと『独白する...』と同じ時期の作品が多く、2冊で1冊みたいなことが書かれていたけど、前作と比べるとどの作品もかなり趣が違うように感じた。確かに破壊力は変わらないけど壊し方がちょっと違うようなぁ。個人的には『独白する...』の方が好き。やっぱり2冊目は...のジンクス通り?次は長編も読んでみないと。
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意外にあっさり読めました。
本書は、短編集ということもあり順不同に読んでみました。
順序としては書評などで「キツ目」とされているものを後に回してみましたが、、、意外に大丈夫でしたね。
電車で読むのはツライのかと予測してみましたけど。
SF、ホラー、エログロが程良く詰まっていて読み応えのある本でした。
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短編集。グロめの話が多い。特に表題作の「ミサイルマン」は口の中が酸っぱくなりそうだった。快楽殺人鬼コンビが証拠品を回収するために死体を掘り返すと……というはなしなので。
でも、ただグロいだけじゃない作品もあって、そこが巧いなーと思った。人狼が殺人事件の捜査をする「けだもの」と、うまく人を殺すとポルターガイストが起きるので、そのために人を殺しまくる殺人鬼のはなし「枷」がおもしろかった。
主人公が「あなた」で表現される二人称のはなしもあったけど、異常な人すぎてまったく感情移入できないから、三人称みたいな読み心地だった。
あと表紙がかっこいい。外国の本みたい。
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なんだろう。
平山さんの作品は好きなのに、この本だけはなぜか受け付けない。。。
ここ数ヶ月、少し読み進んでは放置の繰り返しだったので、ここは思い切って読むのをやめようと思う。またしばらくして読み返したら評価も変わるかもしれないので。
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―――凄絶な死の瞬間、破裂する電球、捻曲がる銀食器…。
“顕現”と名付けたそれを蒐集するため、男は女たちを惨殺し続ける。
愛娘を手に掛けたときに現れた、究極の顕現とは?(「枷」)。
オンナをさらっては殺して埋めていた俺とシゲ。ある日、証拠回収のため掘り出した死体には、とんでもない罠が死掛けられていた (表題作)。
魂を鷲掴みにされる、史上最凶の七編を収録。
衝動買いした一冊
描写がそりゃあもう露骨にグロいので耐性のない人は読まないように
でも、そのグロさに時々挿入される比喩表現が
ブラックユーモアをつけたしてるから
グロくても別に平気、って人はぜひ読んでほしい
解説に、「彼は鬼畜系作家」
うむ、確かに